好きな言葉
若い人たちが、「好きな言葉は?」と聞かれても答えられないのが当然だ、ということが、ようやく理解できる年齢になりました。しかし、こんな質問を受けるのは、答えを持たない若い頃だけで、今の私の年齢では、めったなことで問われることはありません。 私が高校生の頃は、「好きな言葉はsincerity」などと、無理やり、少しカッコをつけて答えていました。特に理由はなく、先に言葉が浮かび、あとから理由をつけただけでした。本当に好きな言葉は、年を重ね、人生経験を積んで、ようやく得ることのできる人生感を凝縮したものではないのでしょうか。 このブログのプロフィールでは、好きな言葉に「身在福中不知福」を上げています。なんと控えめで、前向き?な言葉でしょうか。ある目標、ある到達点に達して、現状に幸福を感じている者にしか言えない言葉です。斯く言う私は非常に幸福な状態なのでしょうか… 実はもう一つ好きな言葉があります。「喫水不忘井掘人」です(中国の言葉ばかりの引用をしていますが、私は生粋(キッスイ)の日本人です)。私の人生の転機に尽力してくださった方が、このたび私の街で、ご自分の店を出すことになりました。私は毎日井戸の水を飲みながら、未だに井戸を掘った人の苦労を忘れず、その恩に報いたいと思っています。私の恩人が成功することを願って止みません。