テーマ:ミステリはお好き?(1430)
カテゴリ:日本ミステリ(は行作家)
はやみねかおるさんと言えば、青い鳥文庫から出ている「夢水清志郎シリーズ」が有名です。
はやみねさんは小学校の先生をされていて、子供たちに読み聞かせをするための面白い話がネタ切れになってきたので、自分で作った話をして聞かせたことが、執筆をするきっかけだったそうです。 確かに「夢水清志郎シリーズ」は小学生が夢中になる面白さですが、大人が読んでも面白いというところがすごいと思います。しかも、ちゃんと本格ミステリーなのです。 さて今回読んだ「僕と先輩のマジカル・ライフ」は大学生が主人公でした。 霊感が強い幼なじみの春奈と一緒に希望の大学に入学した井上快人は、極度の資金難から、家賃一万円の寮に住むことになるのですが、そこには奇妙な先輩達が住んでいました。 中でも、なぜか誰もが敬遠しているというとびきり変な人である長曽我部先輩と出会って、春奈と共に「あやかし研究会」というものに入れられ、寮に出る幽霊や、夏休みのアルバイトに駆り出された先での地縛霊が出るスポットの謎、プールに出たカッパ、などの事件を解決するため奔走するのでした。 おかしな人が沢山出てくるけれど、主人公もかなりおかしい。 小学校の夏休みの生活のすごし方をお手本にしているし(9時就寝)、落ち着かないときには写経をするんですから。 オカルトマニアのはずなのに、あることで論理的人間に変身するという先輩は、なかなか鋭い推理を見せます。でも、かなり人に迷惑をかける困り者。そこらへんは夢水清志郎に通じるものがあります。 ちょっと前の貧乏学生が懐かしくなるような設定の青春ミステリーで、軽く楽しく読むことができました。 考えてみると、「あやかし研究会」も先輩もまだまだ謎だらけです。春奈の霊能力も今一つ発揮されていないこともあり、続編ですっきりさせてほしいと希望します。 それと、カッパのカータンって何でしょうか?知らないと恥ずかしいのでしょうか?気になります。 僕と先輩のマジカル・ライフ : はやみねかおる 主人公と春奈が小学生のときの物語、短編「天狗と宿題、幼なじみ」がスニーカー文庫から出ているアンソロジー「殺意の時間割」に収録されています。 殺意の時間割 楽天では売り切れのようです。 ‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥ 角川書店から出ているアンソロジー「青に捧げる悪夢」にも「天狗と宿題、幼なじみ」が収録されていることを発見しました。 青に捧げる悪夢 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
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