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カテゴリ:イギリス製映画
冷たい守銭奴、人生を欠片も楽しまず、だれも楽しませない老人スクリージのもとにクリスマスの亡霊がやってきて――彼の過去・現在・未来を提示することで翻意をせまる。
原作が1843年の発表だけに生活風景が蝋燭を中心としたものであることのが新鮮。人々の服装もどこか野暮ったくみえる。まぁ、いつの時代も野暮ったい人間は野暮ったい。 制作も1977年とけして新しくはないのだが、2重映しにすることで透明度を表現するなど芸の細かさをみせる。原作の挿絵と思われるスケッチと実写を組み合わせたシーンは印象的。意外とそれを中心に攻めて来なかったけど。 老人ともなると人間丸くなるものだが、それでも冷酷扱いされるようなスクリージは本当に性根が捻じ曲がってしまっている。そんな彼を豹変させる強い感情はやはり恐怖しかないのが何だかなぁ。年齢が年齢だけに心臓が止まる危険もある手段だ。 亡霊のみせる幻影によって思いを改めたスクリージは明るく優しい人間に生まれ変わるわけだが、その時に人を幸せにするのは彼が持つ財産であることが決して否定的に扱われていないところに冷静さを感じる。もちろん、それだけではないが金があれば助かる人間はたくさんいるのも確かだ。 周りの状況はまったく変わっていないのにみると少しだけハッピーになれるのは、幸福など主観的な問題にすぎないことを示しているのだろうか。それが客観的な事実になるから人生は面白いのかもしれない。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
最終更新日
2006年11月22日 20時07分54秒
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