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カテゴリ:小説
中年男の島村が芸者の駒子と行きずりの恋をする話。
二人の間の恋愛の機微と、暗喩的な示唆に富む風景描写が主な見所。島村を中心とした三人称による文体。 駒子については芸者になった理由が明らかになるものの、島村の背景や価値観が描かれてないし、葉子の存在感も希薄。恋愛が成就しない駒子のラストシーンは絵になるものの、駒子に共感する以外の解釈の仕様がない。 三人称で時系列順に展開する小説としてできる限りの描写の美的表現をやり遂げたという模範にはなるものの、現代文学に比べると構成も人物像もぱっとしない。必ずしも小説でしか表現できない物語とはいえない。 ★★★★☆ お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
最終更新日
2009.04.13 12:48:07
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