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三角猫の巣窟

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2018.09.12
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DQN(ドキュン)というのは非常識な言動をする人を指すスラングだけれど、バーベキューをするDQNはBBQN(バーベキュン)あるいはBQN(バキュン)と呼ばれる。バーベーキューというのは火+肉+酒+音楽というディオニュソス的な集団的狂乱を引き起こす行事である。ディオニュソスの祭りでは悲劇の競作が行われたそうだけれど、バーベキューでも酒を飲んで川で泳いだ人が溺死したり、酒を飲んで喧嘩して傷害致死したりする事件が毎年の恒例行事になっている。
そもそもなぜ焼肉屋でなくわざわざ河原まで出かけて行ってバーベキューで肉を焼きたがるのか、監視員がいて安全なプールや海水浴場でなく危険な川で泳ぎたがるのか考えることにした。

●なぜDQNはバーベキューが好きなのか

・仲間を確認したい

人間が安定的な社会関係を維持できるとされる人数の認知的な上限であるダンバー数は100-250人と言われているけれど、バーべーキューも数十人の小集団で行われている。バーベーキューは結婚式の披露宴みたいなもので、仲間が一堂に会する場所や機会が日常生活にはあまりないし、焼き肉屋を貸し切りにしたりすると金がかかるので、仲間を確認する儀式として場所代がかからない河川敷でバーベキューを行って、誰がどのグループに属していて誰とつながりがあるのかという人間関係を確認して仲間の絆を深めるわけである。恋人ができた人はバーベキューに連れて行って仲間に紹介して、恋人と別れた人はバーベキュー参加者の中から恋人を見つけようとして、仲間内での人間関係を強固にしていく。どんちゃん騒ぎをするにしても、自治体主体で不特定多数が集まる祭りと、親しい仲間だけが集まるバーベキューでは目的が違うわけで、バーベキューの場合は仲間に重点が置かれている。
そもそも動物は食べ物を分けてお互いを飢えさせないことで相手を仲間として認識するので、犬や猫やカラスのような社会性がある動物は餌をあげると人に懐く。バーベキューはレストランみたいに一人分ずつ食事を作るのでなくて、大きなコンロで大量の食材を焼いて皆で少しづつ分けるという食べ方なので、仲間を作るのに適した原始的な食事の仕方である。そして普段行かない場所に行って誰かと何かを食べた体験はエピソード記憶として長期記憶に残りやすい。バーベキューは非日常的な河原に出かけてものを食べて仲間を記憶するのにちょうどいい条件がそろっている。

・仲間外れになりたくないので誘いを断れない

ソロキャンプをするには一人で機材を全部用意しないといけないので金がかかる。しかし貧乏でも、車を出す人、テントを持ってくる人、コンロを持ってくる人、肉を買う人、酒を買う人、設営や片付けをする人に役割を分担すれば、一人ではできないこともみんなでできるようになる。このようにDQNは貧しさをカバーし合っているので、一人で行動せずに仲間という集団で行動する。バーベキュー主催者が仕事を回してくれる土建屋の親方とか人間関係に影響力があるマイルドヤンキーのリーダーとかだと、誘いを断って機嫌を損ねるとそのグループ全体から仲間外れにされて人間関係や仕事をなくして孤独な貧乏人になってしまうので誘いを断れないのである。

・影響力を確認したい

イベント系サークルが頻繁にパーティーをするように、イベントの主催者は自分が一声かけたら大勢の人が集まったという影響力を確認して満足したいので、定期的にイベントを開催したがる。泊りがけのキャンプの誘いとかなら準備が面倒だったり他に用事があったりして誘いを断る人も出てくるけれど、半日バーベキューをする程度なら相手に断られにくいし、友達も気軽に連れて来やすくて仲間が増えて主催者の影響力が大きくなるので、バーベキューは人を集めるのにちょうどよい。

・治外法権の場所でヒャッハーしたい

都会というのとは常に他人の目があって、何をするにも息苦しい。自宅の前の道路でバーベキューをすると隣の家のババアが文句をいうので、他人の目を気にせずに思う存分楽しみたいという欲求を満たすために管理者が常駐していない川まで出かけて行ってバーベキューを行うわけである。
DQNの川流れとして知られる玄倉川水難事故で中洲でキャンプしていた人たちが再三の避難勧告に従わずに危険な中州に残ったのは、テントの設営をして自分たちのテリトリーを持ったことで自分がその土地の領主として主導権を持った気分になって他人からの命令を受け付けなくなったのだろう。社会心理学では集団になると極端な言動をするようになることをリスキーシフトというけれど、大雨で増水した川の中州でキャンプするのは危険だから避難したほうがよというのは個人なら誰でも理解できるだろうけれど、集団になると「早く失せろ、殴るぞ」という聞く耳を持たないDQNリーダーに同調するようになって無自覚にリスキーな行動をしてしまう。キャンプをして仲間の絆を深めたことでかえって集団としての判断を誤らせることになった。
DQNは河原に領土を獲得してキャンプを設営すると、もはやいち市民ではなく一国の武将になる。そこで酒が入ると武将モードが発動して、身分が下の者の態度が気に入らないと難癖をつけて刃傷沙汰になる。

・原始に帰って野性が目覚める

どの文明も川のそばの平野で生まれたのは、川が氾濫することで土地が肥沃になるし、川が敵の侵略を防いだり交易の拠点になったりするからである。文明の利器に囲まれて育った現代人がわざわざ不便な川のそばに集まるのは、川の側が生存に有利だという本能によるものである。登山の素人は山で遭難すると山頂の登山道を目指さずに危険な川沿いを下って沢で身動きが取れなくなって死んでしまうように、川は人を引き寄せる性質がある。酒を飲んだDQNが川で泳ぐのも本能によるもので、日よけがなくて暑い川辺でアルコールを飲んで水分不足になると、冷たくて気持ちいい川に引き寄せられるのである。
そして火を使って食べ物を調理するのは人間だけができる贅沢である。バーベキューの味付けなんてシンプルなもので、料理としてたいしてうまいわけでもない。しかし火を使って調理して皆で食料を分け合うことにバーベキューの意義があるので、ピクニックみたいに電子レンジとかの文明の利器を使ったおいしい弁当を持ち込んで上品に食べてはいけないのである。こうして川の側で火を扱って肉にかぶりついて野性が目覚めることで、DQNは自分が強くなった気分になるからバーベキューが好きなのである。
ちなみに焚き木や炭で調理するときは「熾火(おきび)」という炭が赤くなった状態にすると火力が安定するのだけれど、DQNは火をガンガン燃え上がらせるのが好きなのでやたらと燃料を投下して焼きむらができたり焦げたりする。河川敷で調理するにしても芋煮会でDQNが暴れて死者が出ることはほとんどないので、DQNはバーベキューならではの肉と火が好きなのだといえる。

・刺青を見せびらかしたい

刺青を入れたのに見せる場所がないのではつまらないので、DQNはやたらと刺青を見せびらかしたがる。プールや海水浴場では刺青を隠すように監視員に注意されてうざいけれど、河川敷だと服装規定がないので、野外で上半身裸になって刺青を見せびらかして周囲の注目を集めることができてDQNの自己顕示欲を満たせる。DQNの集合写真はたいてい刺青を見せて格好つけている。
ちなみに刺青については​刺青・タトゥーについて考える​という記事で私の考えを書いています。


●DQNがバーベキューで死ぬ原因

普通の人はバーベキューで死ぬことはほとんどないけれど、DQNはなぜかバーベキューをすると死んでしまう。ということは死ぬ原因はバーベキューではなくて、DQNの行動に原因があるということになる。バーベキューをやるときに近くに川があること、火を扱うこと、酒を飲むことが死ぬきっかけになっているようである。

・溺死

そもそもDQNは仲間になめられたくなくて無駄に危険なことをやりたがるもので、川があると泳ぎたがる。グループの中のまともな人が危ないからやめとけと注意しても、DQNは臆病だと思われたくないがゆえに「大丈夫だって」「何ビビってんの」とかえってむきになって、自分に注目が集まることを喜んでしまう。そのうえ酒を飲むと理性がなくなって他人の注意を聞かなくなる。周りの人が抑え込んで無理やり止めようとすると喧嘩になってバーベキューの雰囲気が悪くなるので、それほど仲の良くないグループならDQNが泳ぐのを止めようとせず、そのままDQNが川に放流されることになる。
自然には安全な場所というのはないもので、流れが穏やかな川でも溺死する危険がある。突然冷水と接することが原因で副交感神経が刺激されて心停止を起こすことを液浸症候群というけれど、川は底のほうが冷たくなっていることがあるので足がつく程度の深さだとしても水温が冷たいと心停止で溺れる可能性がある。あるいは川に入った最初のうちは元気でも水が冷たくて筋肉が冷えて泳ぎにくくなって低体温症になって溺れるパターンや、酒を飲んだうえに着衣で川に飛び込んで思うように泳げずに溺れるパターンや、橋とかの高い所から川に飛び込んで川底の石で頭を打ったり頸椎を損傷したり足を捻挫したりして溺れるパターンや、立とうとしても苔や泥で足が滑ってパニックになって溺れるパターンもある。さらには仲間のDQNも酔っていたり肉を焼くのに集中したり会話がはずんだりして周りに対して気を使っていなかったりするので、溺れた人がいてもすぐに気づかなくて救助が遅れる。海水浴場だとライフセーバーがいたり周りが泳ぐ準備ができていたりボートや浮き輪とかの救助に役立つ道具が近くにあるけれど、泳ぐための場所でない河川敷でその場のノリで川で泳ぐと周りも救助のための手段がないし、レスキュー隊を呼んでも現場に到着するまで時間がかかるし溺れている人の捜索や救助は大変なので、救助が遅れて心肺蘇生をしても手遅れで死亡率が高くなる。風物死と呼ばれるくらいバーベキューでの溺死が多いけれど、DQNに学習能力がないからこそ毎年死者がでる。

・焼死

液体着火剤は火をつける前の炭に塗って使うけれど、DQNは説明書を読まないので火をつけた後の炭に直接液体着火剤を投入して着火剤が飛び散って周囲の人が着火剤まみれになって炎上してしまう。ふざけて花火を相手に向けて化学繊維の服が燃え上がるパターンや、カセットボンベが爆発するパターンもある。

・喧嘩で倒れて頭を打って死亡

DQNはしばしばバーベキューで酔っぱらって他のグループに因縁をつけたり、女性をナンパしようとしてトラブルになったりして喧嘩をするけれど、バーベキューをやるような河原はたいてい大きめの石がごろごろ転がっているので、喧嘩で倒れた時に大きな石に頭を打ってしまうと打ちどころが悪ければ死亡する。酔っていると足元がふらつくうえに受け身も取らないので死亡率があがる。

夏休みに死にたくない人は、​夏休みに死なない方法​の記事を読むとよいですよ。

●DQNにバーベキューをやめさせる方法はあるのか

コロナの蔓延防止のために政府が不要不急の外出自粛を要請したり地方自治体が河川敷を通行禁止にしたりしても、DQNは真面目に他人の言いなりになるのが格好悪いと思っているので効果がない。ではどうすればDQNに不要不急のバーベキューをやめさせることができるのか考えてみる。

・罰金をとる

違法駐車や飲酒運転や歩きたばこのような好ましくない行動をやめさせたいなら罰金を取るのが効果的で、最初は反発があっても社会的な慣習になれば従うようになる。バーベキュー禁止地域への不法侵入やゴミの不法投棄に対して罰金をとって、罰金を払うよりも有料バーベキュー場や焼き肉屋を予約するほうが安いのならDQNはそっちを使うかもしれない。

・保険で不利になる告知をする

川で泳いで死ぬにしても、生命保険に入っている場合に立ち入り禁止の場所や遊泳禁止の場所で泳いだりして死亡した時には普通死亡保険金は払われるものの災害保険金の分が払われなくなるので、受取人は損をする。DQNは立ち入り禁止の河川敷を人がいなくて好き勝手できる場所と認識しているけれど、事故が起きたら自己責任で大損する場所なのだと認識を改めれば危険なところには近づかなくなるかもしれない。

・ライブ中継する

川にはあちこちに水位を確認するための監視カメラがあるけれど、これを違法バーベキュースポットにも設置して24時間ライブ配信すれば、いくら恥知らずのDQNでもネットで全国に恥をさらすのは嫌がって避けるかもしれない。

・DQNのテンションを下げる

環境に無害なくさい臭いを付けた水を開発して河川敷に散布したり、水死者の供養塔を建ててお経を流したり、霊障があって運気が下がるパワーダウンスポットだと宣伝したりすれば、DQNのテンションが下がってバーベキューや水遊びをする気分でなくなって帰るかもしれない。

●なぜDQNでない人はバーベキューが嫌いなのか

マツコ・デラックスがバーベキューを批判したのが話題になったけれど、バーベキューが嫌いな人も少なくない。

・仲間より自分が大事

最近はソロキャンプが人気になっているけれど、自然が好きな人はまず個人として自然と向き合いたがる。他人の目を気にして他人と価値観を共有しなくても、自分が楽しければそれでいいのである。
マイルドヤンキーは友達ネットワークから排除されると貧困になるから友達を重視するということが橘玲の『幸福の「資本」論』に書いてあるけれど、マイルドヤンキーでない人はわざわざバカとつるむくらいなら一人のほうがましだと考える。

・野性より理性が大事

理性がある人は自然とお友達になって自然を従えることはできないと知っているので、野性の呼び声を無視して理性で物事を判断する。家族連れなら危険な川でバーベキューをするくらいなら金を払って安全で衛生的なキャンプ場を使うし、もし川辺でバーベキューをするにしても天候に注意して、川の上流で雨が降ったら自分がいる場所で雨が降ってなくても鉄砲水を警戒して川から離れて、わざわざ危険な場所で酔って判断力をなくして無防備になるようなことはしない。

・自宅が一番快適なので外出したくない

わざわざ不便な場所に出かけて行って、偉い肉奉行のご機嫌取りをして、食中毒の危険がある肉を食べて、人間関係のいざこざに巻き込まれるなんて罰ゲームである。若者が職場のバーベキューに参加したがらないのは、一番下の立場で準備と後片付けでこき使われて、酒が入った上司や先輩にいびられるとわかっていて、休日をつぶしてまで参加するメリットがなんもないので、家にいてエアコンがきいた部屋でごろごろしてゲームするほうがましなのである。

●DQNはバーベキューのようなフィクションが好き
・仲間系フィクションはDQNだらけ

バトル漫画はたいてい主人公の仲間グループと敵グループの二項対立で、いい奴は仲間、悪い奴は敵、悪い奴はぶっとばして一件落着である。政治的駆け引きや話し合いの余地がなく、どんな理念を持っていようが強いほうが勝ちという野蛮なやり方である。主人公が自分たちに正義があると思っているという点でアウトロー漫画とは違うけれど、考え方や行動はDQNで、ボス戦で仲間が大集合して協力して敵を屠るバーベーキュー的展開になる。中でも典型的なのがやたらと仲間を強調する『ONE PIECE』である。表裏のないバカな船長が仲間と外出して権力や支配に反逆して大暴れしてセクシー美女と飯を食ってどんちゃん騒ぎをして仲間意識を深めるという展開で、これはいうなればバーベキュー漫画で、バーベキュー好きなマイルドヤンキーにうけた。

・文学はバーベーキューの対極のぼっち系

文学は一人の主人公の思想や行動に焦点を当てる。価値観が同じ仲間がわらわら出てきてみんなで騒ぐというバーベーキュー的展開は文学作品ではほとんどない。むしろ主人公が社会的に疎外されることで主人公の価値観が浮き彫りになる。
しかしぼっち読者相手に本を売っても口コミが広がらないので、マーケティング的には旨味がない。出版業界が若者の読書離れをくいとめたいなら、DQNをターゲットにして仲間を大事にして俺らツエーウェーイするバーベキュー文学を売ればよいと思う。本なんか焚火にしてしまえ、ヒャッハー!的なバーベキュー文学があれば、たぶんマイルドヤンキーにうけてビートジェネレーション的な流行になって、バーベキューで本が燃やされるたびに増刷されて出版社は儲かるんじゃないかと思う。


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最終更新日  2021.09.28 20:15:25
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