053467 ランダム
 HOME | DIARY | PROFILE 【フォローする】 【ログイン】

Planetarium

小説2

父が塾の夏期講習の申し込みをして5日後、真也は塾へ向かった。
授業開始時間は午後2時からなのだが、真也は初日ということもあり塾の講師から30分前に来るように電話で告げられていた。
その塾はアパート2室を借りた小さなものだった。外見上ドアに「学人塾」と表札が打ち付けられている事以外は全て普通のアパートと同じだった。
そしてそのアパートは全6室ほどあり、その部屋は全て塾とはなんの関係もなさそうな住人が住んでいた。
その光景を見て真也はあ然としていた。自分の想像と塾の外見があまりにも違ったからだ。
真也の想像では塾は一戸建てのけっこう目立つ場所に建てられているものだったのだが、この塾はアパートの6室のうちの2室というかなり目立たない場所にあった。
「ま、まぁ外見じゃ判断できないよな・・・?」
そう思いなおすと真也は塾のドアに手をかけた。そして、
「こんにちはー・・・」
とりあえず入って挨拶してみた。すると近くの部屋から塾の講師らしい人が出てきた。
「あ、こんにちはー。新しい塾生かい?」
その人は男で、メガネをかけた割と細身の人だった。
「あ、はいそうです。谷崎真也です。」
「谷崎君だね。右の部屋で待っていて。」
そう言うとその人は元いた部屋へ戻り、書類の整理のような事を始めた。
そして真也は言われたとおり右の部屋へ入った。
そこは小さな部屋だった。机と椅子が2つあり前方に、今の真也の向きからすると左側に黒板がある。とりあえず真也は2つのうち1つの椅子に座り、あの講師らしい人が来るのを待った。
少しするとその人がやってきて、真也の目の前の椅子に座った。
そして手に持っていたファイルからガサゴソとプリントを何枚か取り、
「え~、授業開始は今日からです。そしてこれがこの夏休み中の授業日程表です。」
そう言ってその講師らしい人は真也に日程表を渡した。毎週月曜、水曜、金曜日の、午後2時から午後5時までの授業だった。
「そしてこれが授業内容です。今日の授業は国語、数学、英語です。」
そして今度は授業内容表が渡された。全て1日に3教科だった。
「ちなみに真也君は部活とかには入ってる?」
「いえ、入ってません。」
真也の学校は部活には絶対に入らなければならないわけではなく、真也としても部活へのやる気もやりたい部活もないため、部活には入っていない。
「へぇ。珍しいな。なら授業に遅れたりすることもないね。」
そんな事を言っている間に授業開始時間の10分前になってしまった。
「あ、そろそろ授業開始だね。じゃあこの奥の左側の部屋で待ってて。」
「あ、あの・・・」
「? なんだい?」
「生徒の人数って何人いるんですか?」
「あぁ、君のクラスの人数は真也君をいれて4人だよ。今までもいた生徒が2人、新しく入るのが君を入れて2人。」
「そうですか。ありがとうございました。」
そしてその講師らしい人はまた元いた部屋へ、真也は奥の部屋へ向かった。そして真也がその教室に入った時、そこには既に先客がいた。
『あ、こんにちは・・・。』
真也と先客の生徒の挨拶がユニゾンした。
その先客は女子だった。そしてその女子を真也は見覚えがあった。
「あれ?鷹野・・・だっけ?」
そしてその鷹野と呼ばれた女子からも真也は見覚えがあった。
「あ、谷島君?」
「いやいや、谷崎。谷崎真也。」
「あ、ごめんごめん。そうそう谷崎君だったね。」
この2人は学校のクラスメートだ。
この女子の名前は鷹野 麻香(たかの あさか)。真也はクラスメートの名前を覚えているほうではないが、この女子は聞き慣れない名前で、出席番号が近かったこともありすぐに覚えられた。まぁ特に面識はなかったが。
「へぇ。鷹野もこの塾に通ってるんだ。」
「ううん。今日から通うの。真也君は今日から?」
「あぁ。父さんに無理やり入れられた。」
そんなことを話しながら真也は席に座った。そして筆記用具を持っていたカバンから取り出す。
「ふ~ん。私はお母さんに入れさせられた。受験に向けて、はやめに準備しておこうって。」
「へぇ。俺は・・・・」
言おうとしてやめた。流石に小6から成績が悪くて中学でも悪くて入れさせられたとは言えない。というより言いたくない。
-・・・ていうより何で今まで話した事もなかったのに今はこんなに話せるんだ?
そんな事を話しているとまた2人生徒が入ってきた。女子と男子だった。この2人は全く知らない2人だった。
そしてさっきの講師らしい人が何やらぶ厚いテキストを4冊抱えて持ってきた。
「はい。それでは授業を始めます。」
やはりこの人は講師だった。
すると真也の隣に座っていた男子が立ち上がった。
「きりーつ!れーい!(起立!令!)」
そして真也の知らない今まで塾にいた女子は焦らずすぐに立ち上がり令。
真也と鷹野は少々焦って立ち上がり令をした。

-----第2話 完-----

自分で書いててよくわからなくなってきました;
まぁ成り行きいきますw

第3話へ


© Rakuten Group, Inc.