簓無案サイト

外資事業脅して乗っ取り? “露流”

海外総合ニュース - 12月17日(日)8時0分
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20061217-00000003-san-int

サハリン2脅して乗っ取り? “露流” 外資事業介入の危険性

12月17日8時0分配信 産経新聞

 【モスクワ=内藤泰朗】日本の商社など外資が進めてきたロシア極東の石油・天然ガス開発事業「サハリン2」へのロシア国営天然ガス独占企業体ガスプロムの参画交渉は16日、交渉の継続を決めて終了した。しかし、交渉では「脅して乗っ取りを図る」ロシア流の交渉術が浮き彫りになった。この方式は今後、ロシアが“戦略産業”とする資源分野にとどまらず、日本企業なども参画するあらゆる分野に適用されるおそれもある。

 報道によると、サハリン2を主導するシェルとガスプロムは16日、モスクワで首脳会談を行ったが、ガスプロムの参画条件などで折り合いがつかず、交渉を継続することで合意した。

 当初、25~30%程度の権益獲得を狙っていると伝えられていたガスプロム側は、同社の最高幹部が同交渉の直前に「近くサハリン2の権益約50%を獲得することになる」と述べるなど、同事業を完全にロシア主導とする意向を示していた。

 ロシア側は、外資が10年以上の歳月をかけた総投資額200億ドル(約2兆3600億円)の巨大事業を8割方まで完成させた段階で突如、環境破壊問題を突きつけ「ロシアの資源は、ロシアのために使われるべきだ」などと圧力を強めてきた。

 そこには完成間近に「国家総動員」態勢で事業主に脅しをかけ、半ば強制的に権益を移譲させて、事実上、事業を乗っ取る意図が透けてみえる。

 プーチン政権は、反政権的な同国民間石油元大手ユコスを脱税と国家資産横領の罪で破綻(はたん)に追い込んだ検察のほかに、「環境破壊」を新たな“脅迫”のカードとして利用しているようだ。

 政権側は今回のケース以外にも、ロシアで大規模に事業展開する英BPや米エクソン・モービルなど外資の石油・天然ガス開発事業、金鉱山開発、パイプライン事業などに干渉している。

 関係者は「このまま、政治が経済に介入する速度が高まれば、いずれすべての分野に政権の干渉が及んでくる可能性がある」と懸念を募らせている。

最終更新:12月17日8時0分


© Rakuten Group, Inc.