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トールも製作に関わったオラクルカードです♪

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2009年02月21日
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どうやら魔法学校に就職したらしいトール(私の中の人)のお話です。
担任はもっていなくて、講師として教科のときだけ行ってるもよう。副業がいろいろありそうな気もします(^^;
ちなみに授業内容は、私にもよくわかってません(爆)
たぶんリアル私が、彼の一番できの悪い生徒かと思われ・・・orz

そしてリアルでは引越しが決まりまして、しばらくコメントやメールのレスが遅れたりするかと思いますがお許しください><


********************


初級魔法の授業。
その日の最後の時限、教室の大きな窓から夕陽がさしこみ、トールの銀髪を朱に染めている。
彼は教壇から降り、前の空いている机に半分腰かけるようにして、まだ幼い顔の生徒達を見ている。

「エネルギーは無限にあり、つねに循環している。なぜなら、この世界はエネルギーでできているから・・・・・・。君達も僕も、本質はすべて同じものだ。
 魔法というのは、その仕組みを知り、一度きれいに分解して組み立てなおすこと。その組成を知らなければ、ほぐすことも組みなおすこともできない。そうだろう?」

彼の手のひらの上で、ほんのりと光る小さな白い球体が複雑な面を持つ立方体になり、伸びて動物の形になり、また縮んで球体に戻る。
生徒達はそれを食い入るように見つめながら、ほとんど無意識のようにうなずいた。

「先生、エネルギーが無限にあるなら、どうして世界は物であふれないんですか?」
薄茶色の巻き髪の女の子が手をあげた。トールは微笑む。

「いい質問だね。・・・・・・エネルギーは無限に生まれ、そして無限に消えていく。それもまた循環なんだよ。
 生まれたと同じだけのエネルギーが、同時に消えるんだ。そして、消えたと同じだけのエネルギーが、また生まれる」

「よくわかりません」
女子生徒が口をとがらせた。
トールの手の上の白い球体が、ふっと霧散して生徒たちの間をほんのりと漂った。

「うん、まだ難しいね。けれど、覚えておいてほしい。
 魔法を使おうと思うとき、僕達は無限に生まれるエネルギーを使うことができる。
 器を越えることはできないが、理論上、それには限界がない。
 限界がないエネルギーを、僕達は自分のもののように使うことができる・・・・・・
 けれど、それを自分の所有物だとは、思わないで欲しいんだ。僕達自身もまた、僕達が呼び出すエネルギーの一部なのだからね」

「魔法を使うときにはね、それが大きな魔法であるときほど、自分が何を失えるかを考えるんだよ。
 自分にとって何が一番大事で、何を手放すことができるか。使うために、護るために、何を支払うことができるか。
 覚悟をつねに持っているんだ。手に入れたものは失われ、失われたものは手に入る」

「先生はなにかを失ったことがあるんですか?」
緑っぽい髪の男の子が言う。男の子は、目前の「先生」がいつか作ったという、大きな魔法の産物を思い浮かべていた。

「・・・・・・もちろん、あるよ」
一瞬遅れた眼鏡ごしの微笑の奥に、哀しみの影を見つけることができた生徒はいるだろうか。

「けれど、それを後悔してはいない。僕自身が選んだことだから」

「だからね、君達にも自分で選んでほしいんだ。
 誰かに強制されたり遠慮したりするんじゃなく、自分で選んでほしい。
 与えれば受け取り、受け取れば与えることになる。そうしてすべてのものは変化していく。・・・・・・それは間断なく続く宇宙の法則で、自然の現象なんだ。僕達そのものがエネルギーの波のひとつにすぎない以上、そこから無縁でいることはできない」

「なにかを選ぶ、ということは、自分がどうなりたいかを決めることだよ。
 与え、受け取り、手放し、手に入れる。そうして過ぎ行く変化の波の中で、自分の姿がどうありたいかを決めること。
 僕達は、何を手放し何を受け取るか選ぶことで、自分の望む自分になってゆく」

「誰でもですか?」
男の子が重ねて聞いた。トールは彼の目を見てうなずく。

「そう、誰でも。
 だから、魔法を使うときには――生きるときには、すべての選択の向こう側に、自分の未来の姿があることを忘れてはいけないよ。
 選んだものと選ばなかった、あるいは手放したもの。君達の『今』の重なりが、君達自身を形作っているのだから」

トールの言葉尻にやわらかな鐘の音が重なり、彼は机から立ち上がった。

「さあ、これで今日はおしまい。気をつけてお帰り」



*******

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最終更新日  2009年06月28日 14時46分24秒
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