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2009年12月26日
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つつがなく大祭を終えて、アルディアスは任地に戻った。
毎年二週間の夏休みといえば聞こえがいいが、その実は中央の大神殿で、大祭にあわせて断食潔斎の日々であった。

長い移動日をこえて遠方の任地に戻り、寮の自室でほっと息をつく。
休む間もなく、明日からは軍人として作戦に参加しなければならなかった。

空気を入れ替えるために窓を開けると、夏の夜風がここちよい。アルディアスは狭いベランダに立って欠けゆく月を見上げた。
そこには彼ひとりしかいないはずなのに、誰かがすぐそばにいるような、暖かな感触が続いている。

彼は胸に手を当てた。そこにかすかに触れる暖かさ。その先は……。

心当たりを思い浮かべて、アルディアスは銀髪の頭を振った。早とちりはいけない。
世の中にツインというものがいるのは知っていたが、それが自分にもいるかもしれないなどと、考えたことはなかった。

ツインソウル。
それは双子の魂とも、対の魂とも言われるもの。

その発生は、ひとつの魂を二つに割ったものだとも、対として生まれたものだともいい、互いにまったく同じ形質を持っていたり、逆に対照的な形質を持っていたりする。
すべての光と闇を共有しながら経験を積み、同じように共振する。その象徴が、ハートで繋がる特殊な金色のエネルギーコードだ。

大神官として、ツインの結婚式に立ち会ったことが彼には何度もある。彼らには確かに輝くコードがあった。
しかし、ツインコードを持たない二人の結婚式でも、それは変わらずに美しく幸福だった。

ツインでなくとも幸せな夫婦は星の数ほどおり、逆にツインであっても互いのエゴのために波動がずれ、離れていった者達も多いときく。

互いに同じ人間。
求めるばかりならば苦しくなり、相手を思いやりつつ歩こうとすれば、その道は暖かく照らされる。
ツインが見つかれば越したことはない。けれど、そうであるかどうかよりも、結局はそれぞれひとりの人間として、何を想い何を積み上げて生きるか、が大事なのだろう。

遠い星を眺めるアルディアスの銀髪を、夜風がかるくなぶってゆく。
一人が当たり前、という感覚が彼にはある。
それが幼少時に家族を喪ったことからきているのか、それともそれ以前からなのかはすでにわからないが、なぜか自分は一人でいるものだと、ずっと思ってきた。

実際に彼がしている生活が、誰かと一緒にいやすい性質のものではない、ということもある。
たとえば誰か好きな人ができたとして、自分のこの二重生活につきあってくれとは、とても言えない。
どちらか一方ならばまだともかく、軍人であるときも神職であるときも、相手を置いてどこかへ行ってしまうのだから……。

アルディアスはため息をついた。
だからといって、孤独を感じないわけではない。
帰属するところのない不安定感、宙ぶらりんな感覚はいつでも彼を追い立てる。

おそらくは、心底では希求しているのだ。
出会うことを。

……愛することを。




しかしすぐに作戦が忙しくなり、そんな微細な感覚を追っている余裕はなくなっていった。
母国では冬のさなか、彼は戦場の只中にいた。
命令系統の混乱により、彼とその五人ほどの部下が敵艦に取り残されてしまったのだ。

血塗れた剣を振るって道を開きながら、全員の名を呼んでアルディアスは叫んだ。

「ニールス、オーリイ……皆、ついてきているか?」
「なんとか、フェロウ大佐」
「よし、それではそれぞれ二人一組で動き、機関室を目指す。ニールスは私と」
「はいっ」

細身の青年がアルディアスの斜め後に並ぶ。剣の腕も悪くはないが、他の四人に比べると若干落ちる。よく気がつき、どちらかといえば頭を使うほうが得意な青年だった。

押し寄せる敵兵を薙ぎ払いながら、彼らは機関室を目指した。
場所はわかっていたが、六人では一度にテレポートするには多い。だから地道に足をつかって距離を稼ぐしかなかった。

そして同時に、味方に取り残された死兵であると気取られてはならない。それに気づかれれば、あっという間に数を頼んで皆殺しにされてしまう。
作戦行動の一環として動いているように見せかけ、背後に味方の奇襲があると思わせて、つねにそちらに兵を割かせておかねばならなかった。

アルディアスは先頭をきって走った。愛用の長剣を右に左に薙ぎ払う。刃に魔法を乗せて衝撃波を発生させると、シルバーグレイのプロテクタに返り血が飛んだ。

「銀色の魔物、化け物め……」

敵兵のひとりが血を噴いて仰け反りながら、半分生気の消えた目で睨む。
なんだとっ、と飛び出そうとしたニールスを押さえ、アルディアスは一歩踏み出した。

「そう、私は化け物さ。恨むなら私に憑くがいい、逃げはしない」

命の切れる者の目をまっすぐ見やり、それから他の敵に向かって大きく踏み出し斬撃を放つ。
むきだしになっている長い銀髪が、それこそ悪魔の鎌のように鋭くひるがえる。刃でひとり、乗っていた雷撃で二人。瞬時に倒されて、敵の動きが明らかに鈍った。

「道を開けろ。降伏する者には手出しをしない」

凍てついた青い目が、及び腰になっている敵兵を見渡す。人数の上でははるかに優勢なはずの敵艦人員だったが、このときすでに銀色の魔物率いる部隊に圧倒されかけていた。

「できるかっ」

敵前列の青年兵が銃を構える。だが艦の壁に通っているライフラインを傷つけることを恐れ、乱射するわけにもいかない。
するとその銃を牽制として、脇から別の誰かがアルディアスの頭を狙って小刀を投げた。同時に青年兵も狙い定めて発砲する。

ギィン、という音が聞こえたかのようだった。
飛来した刃物と銃弾が、張りめぐらされていたバリアに阻まれ空しく床に落ちる。
間髪入れずアルディアスは身体を低くして走りこみ、青年兵を一刀の元に斬り捨てた。続いたニールスが、小刀を放った男の脇腹に斬撃を放つ。

二人が倒れると、敵兵の輪は明らかにひいた。潮がひくように、こちらが一歩踏み出すごとに後へ下がってゆく。
そうしてじわじわと無言の後退が行われ、ついに機関室の扉へと至った。

(機関室の中は三人のようだ。ニールス、制圧できるか)
(了解)

アルディアスがその長身を砦として前に立っている間に、ニールスは手首の携帯機器をロックに押しつけた。さすがにすぐには解除できず、他の仲間が持っていた重火器で強引に焼ききる。
そうしながら腰から小さな瓶を取ると、蓋をあけて片手に持った。左手で慎重に機関室の扉を細く開け、その瓶を投げてまたすぐ閉める。

(あと三秒です、アルディアスさま)
(よし、十秒後に突入)

アルディアスは敵を睨みながら心話で答えた。もはや斬りかかってくる者はいない。十秒が経ち、彼ら六人は素早く機関室へと身を躍らせた。
中にいた三人は、ニールスの投げ込んだ即効性の睡眠薬でぐったりと倒れている。
アルディアスが、空気中に残っている睡眠薬を機関室の外に排出する。機関員にはまだ意識のある者もいたが、部下達の剣であっという間に黙らされた。

「この艦の乗員に告ぐ。私はフェロウ大佐、この艦を制圧した。武器を捨てて投降せよ。投降した者には危害を加えない。繰り返す、武器を捨てて投降せよ」

アルディアスの落ち着いた声が艦内に流れる。
その間に部下達はそれぞれが動き、艦のすべての端末回線を機関室優先の非常モードに切り替え、本国との通信を開始していた。

本国ではもちろん歓迎だった。

命令系統の不備による影響はなにもアルディアスの隊だけではなく、いくつもの場所で混乱が起こっていたのだ。
それにより失われた人命も少なくはなく、そのままならば司令部の責任をとって誰かが辞職しなければならないところだったのである。

それが敵艦の制圧というめでたいニュースの到来によって、一気に空気の流れが変わった。


しかもアルディアスたちは、敵艦隊の中枢に制圧が知られる前に全速で突出し、情報の混乱を利用してさんざんに敵陣に穴を開けていた。
また同じ素早さで戦線を離脱すべく退却戦を展開し、追いつかれる前に味方の陣営に逃げ込んでしまった。
彼らの戦果は戦局そのものを覆すには至らなかったが、ニュースになるには十分だった。


帰還した彼らを待っていたのは、たくさんの拍手喝采。
そして中央への呼び戻しと昇進の辞令だった。




















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【銀の月のものがたり】 道案内

【第二部 陽の雫】 目次




そういえば昨日の【双極】で。
神殿から軍部なんて、なんでそんな極端かな~、大変な人だよな~(←他人事)と、書いたときは思ってたんですよね。
ところが・・・

どっかの記事にも書きましたけど、遠足前のヒーリング三昧のとき。
もうどうしても、どうーーーーーーしても剣を振り回したくなり、対戦相手募集なんてしてしまったのです。
誰かを傷つけたいわけではなくて、剣の試合をしたくてたまらず。

理由はよくわからないのですが、おそらくバランスを取ろうとしたんでしょう。
いてもたってもいられない、という感じで…。

そのときに、ああこの人は本当に私なんだな、と思ったのでした。

その対戦の様子は、クリロズのトールに関してはカヤさんが
「激闘!トールさんvs雪鷹inクリロズ-1 」 (3話まで)
http://plaza.rakuten.co.jp/moesupi/diary/200912160001/

で、ブルーヤロウのアルディアスに関してはたかさんが
「水晶薔薇庭園館綺譚 24 11月6日の手合わせ1」(3話まで)
http://elfin285.blog68.fc2.com/blog-entry-188.html

で書いてくださってますのでぜひどうぞ♪

楽天のほうも、携帯で見たときちゃんとリンクに飛べるようになってて嬉しい!
とりあえず自分のブログ内日記だけで他所に飛べるか知らないのですが^^;
でも確かちょっと前まではエラーになってて、せっかく目次作っても使えなかったような気が。。
なんて不便なんだー、と思ってた記憶がありますので、まずはよかった♪


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お返事なかなかできなくてごめんなさいですが…
書く原動力はご感想なのです~手書きハート


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最終更新日  2009年12月26日 14時25分52秒
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