デルフィニア戦記 幻の絶版本 王女グリンダ 1&2
話に出したからには、現物を見ていただけると一目瞭然? 1巻が'92年だからイラストもずいぶん違いますが、私がこの本の存在を知ったのはとある『逸話』を聞いたからなのです…。 茅田砂胡/著 沖麻実也/挿絵『デルフィニアの姫将軍』 王女グリンダ 第1巻 (1992年 全2巻) 『グランディスの白騎士』 王女グリンダ 第2巻 (1992年 続刊予定だったが 全2巻) 新書版 大陸書房 大陸ノベルズ/出版社・シリーズ BLに嵌ると同時にBL作家さんによるファンタジー小説に嵌まり込んだ初期は片っ端から『大陸書房』(大陸ノベルズや大陸書房ネオファンタジー文庫)の作品を買ったものですが、当然その時既にこの出版社は倒産していて、既刊本は中古でのみ購入する事が出来たんですね。で、唯一沖さんの初期作品で手に入らなかったのがこの2冊で、『この2冊を購入したいが為に古本屋で働いています』とおっしゃる沖さんのファンの方がいてらして、『う…上手がいる…』と物凄く感心した当時の私は『私も手に入れてみせる!!』と、その後何年もの時間を掛けてようやく古本屋で2冊とも手に入れたのですが、状態が気に入らない…。何時の日か美本に出会えたら買いなおしてやる…と小さな野望を捨て切れていなかったりして。 正直デル戦とは結果的に別作品になってしまいましたが、噂を呼んで人気が高くなり過ぎたのか中央公論新社から2冊を1冊に纏め、出版当時の状態で文章も書き直し無く『王女グリンダ』というタイトルで2000年に再販されてしまうくらいファンの間では有名な幻の作品となっていたのですが、再販の方には挿絵がない……。辛うじてカラーが1Pだけ内絵に差し込まれているだけだったと思います。のでそちらは購入していませんが、なかなか立派な装丁でした。表紙の挿絵を書き下ろしで描いて頂けていたら絶対買ったのに…。(苦笑) デル戦の5巻辺りからの内容でスタートしていますが、設定も微妙に違うし登場人物が少ないし、何よりウォルがほとんど出てこない…。(泣) この2冊の時点ではリィとシェラの話が中心になっていて、ずっと後半に出てくるダルトンが幅を利かせまくっていて変な感じです。『小気味のいい脇役』という認識だったから不思議~。兎にも角にも出版社を変えざるを得なくなった時に、『デル戦』として時間軸をウォルとの出会いの時点まで戻して再出発したのは『吉』と出ているなぁと言うのが感想です。何せ物語の世界が物凄く広がって、魅力ある沢山のキャラがドンドン顔を利かせるようになって物語を引っ張って行きましたからね。その上に'98年で完結してから随分経った2006年に『外伝』が発売されちゃう位ですから。おまけで『C★NOVELS 創刊25周年アンソロジー』が2007年末に発刊された時には『外伝の続き』が掲載されちゃうしで、ここ数年は身悶えまくりましたね。余りに幸せで。(笑) そこらへんはおいおい紹介するつもりなのですが、外伝に新登場したブライスの存在が何とも言えませんね~。どのように無事に逞しく育って行くのかもっと知りたいなぁ。(笑) いずれまた何らかの形で復活してくれるかもと云う期待を持ちつつ今は『クラッシュ・ブレイズ』シリーズで飢えをしのぐ日々の昨今です。(苦笑) いつか『スカーレット・ウィザード』・『暁の天使たち』シリーズを経由して『クラッシュ・ブレイズ』シリーズの紹介まで辿り付けるかな…? 先はまだまだ長いなぁ…。(苦笑)