07年を転換点に、日本の食生活のコストは増大する見通しだ。何故かと言うと、トウモロコシや大豆を始めとする穀物の国際価格が、不作でもないのに急騰しているとの事だ。発端は小麦である。9月、小麦の世界輸出量2位の豪州が深刻な干ばつに見舞われ、収穫が減るとの観測が広まった。この為、米シカゴ商品取引所の小麦相場は、10年ぶりの高値をつけた。トウモロコシ相場は、倍を超える水準に迄急騰している。04年以来の原油価格の高騰で、エタノールなどのガソリン代替燃料が注目を集めた結果である。価格上昇の波は、大豆にも及びだし、零細業者の多い豆腐業界なども深刻だ。菜種油も値上げになり、国内の食用油メーカーは、1月までに家庭用菜種油などの値上げに踏み切った。菜種急騰の背景にあるのは、主要生産国である豪州の干ばつに加え、ディーゼル車の普及している欧州連合(EU)加盟国内では、菜種や大豆を原料とする軽油代替のバイオディーゼルの生産が増えているのだ。トウモロコシと同様に、エネルギー原料と食料用途とで、穀物を奪い合う構図が益々鮮明になって来ている。
食料自給率40%の日本。食とエネルギーが連動を強める中で、安い穀物を前提にした今の輸入に頼る食生活の見直しを迫られる日は、そう遠い日ではない。何らかの対策が必要なのである。
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Last updated
2007.02.12 21:37:56
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