主に和歌山県で捕獲されるゴンドウクジラの肉を食べる機会が多い人は、毛髪中の水銀濃度が高い傾向がある事が、同県太地町の住民50人を対象にした北海道医療大、第一薬科大(福岡市)他の共同研究グループによる調査で16日までに分かった。水銀は食物連鎖によって濃縮されるため、クジラやイルカに蓄積されやすい。調査では、神経症状など健康影響の可能性が指摘される毛髪中の濃度50ppmを超える人が3人確認された。グループの遠藤哲也北海道医療大准教授は「高濃度の人はゴンドウクジラ肉の摂食を控えることも検討すべきだ」と指摘。グループは昨年12月から今年7月にかけ、住民の毛髪を集めて水銀濃度を測定するとともに、ゴンドウクジラを食べる頻度についてアンケート。男性30人の平均は21.6ppm、女性20人は11.9ppmで、いずれも日本人同性の平均の約10倍だった。(10/16 カナロコより)
キンメダイ、マグロなどの大型魚に蓄積された水銀の毒は中枢神経(脳)・内分泌器・腎臓などの器官に障害をもたらし、口腔・歯茎・歯にも損傷を与えるという。水銀およびその化合物は、特に胎児や幼児に対して有毒である。妊娠した女性が水銀に被曝した場合、発生障害を持った子供が生まれる可能性が高いという。過去に工場排水に起因した有機水銀中毒の水俣病がある。
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