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カテゴリ:教務(国語)
毎年のことだが、小論文を指導し始める頃から論説文の得点力が更にグレードアップする。
まず小論文と作文の違いを理解することにより、受験論説文と随筆の解法の違いに着目できるようになる。 また、近代の反省やポストモダンの模索、そしてパラダイム転換が盛んに叫ばれた80年代以降の世界情勢などを説明していくにつれ、自然科学分野の論説文や哲学・宗教と科学を対比した論説文の読解がスムーズにいくようだ。とりわけ、科学というものを他の分野との関係で相対化してみることにより、社会的な常識や一般論を疑う視点も存在するということに気づき始める。 その後、実際に段落構成を指導し書き始めるのだが、代名詞や連体詞を自ら使用することによって、逆に論説文の指示語が容易に判断できる感覚を持ち始めることもあるようだ。さらに、指示語を使用する部分あるいは文には、結構キーワードが入りやすいという新たな発見をする場合もある。 その上で、モラトリアムやマージナルマンなど中学生にとって興味深いと思われるテーマで書かせると、現在の自分自身の立場や受験生としての自分を見つめ直すきっかけとなったり、将来について考える契機となったりもする。時に、小論文を書くことにより、精神的に少し大人に成長することさえもあり、それがまた論説文読解に一役買うという面白さも見逃せない。 また、いずれのテーマの小論文を書くにしても、決して中学生なりに自己判断した倫理感から文章を書くのではなく、あくまでも客観的に論理を積み重ねていく訓練を重ねていくことによって、逆に自分の意見に固執するのではなく、世の中の様々な意見を尊重する視点も養われるように思うのは、私の気のせいだろうか。 いずれにせよ、小論文と現代文読解は密接な関係にあり、また生徒自身の成長にも欠かせない学習内容であると最近感じている。 (上記の文章は小論文では真似しないでね) お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
Last updated
2007/12/18 12:44:32 AM
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