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October 30, 2004
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カテゴリ:読書
昨日の続きです。
日本探偵小説全集6 小栗虫太郎集を一通り読んで思ったのは、虫太郎作品の特徴として、屍体が絶対に全くフツーの状態ではない、とゆー事です。
とんでもなく変わっています。奇妙キテレツ。
『後光殺人事件』なんてのもありますし、『黒死館殺人事件』での最初の被害者、ダンネベルグの死体は、光ってるんです。屍光です。
その後の被害者も、ことごとく凝りに凝ってまして、1つとして一般的な死体は出てきません。
そして、そのものすごく奇妙な死体の、あるいは不思議や神秘現象の1つ1つに、科学的医学的なすっっごく細かい説明がついてしまうんですよ。もう驚きの連続!
レヴェズのセリフの中に
「元来神霊主義には縁遠い方でしてな。そう云った神秘玄怪な暗号と云うものにも、必ずや教程公式があるに相違ない--と。」
とありますが、まさにコレですね。
まるで熱に浮かされたような神秘主義的なセリフを吐く法水に検事はイライラしっぱなしになるのですが、そのように見えていて、物凄く見事に納得させる説明をつけてしまうんです。
私も神秘現象が科学的に解明されていくのは好きです。・・・なんですが、これがもう、難しいのなんのって、おバカな私の頭ではさっぱりわかんない事だらけでして。(^^;) 何十回読んでも、きっとわかんないだろなあ。
その説明の部分が読んでてかなり辛かったりもするんですが、それだけでなく、1度目の読書では、人物把握もちと曖昧になってきちゃいまして。
紙谷伸子だとか押鐘津多子だとか久我鎮子だとか、もう誰が誰やら。
そんなこんなで、絶対わからないであろう部分はさておき、とにかくもう1度は読まねばなるまい、と、いてもたってもいられない気持ちで再読したのでした。
2度目の読書は人物把握もハッキリしたし、かなり楽でした。

最初読んだ時は、わからないまま読み進んだので特にそう感じたと思うのですが、法水のセリフにリズムがあり、演劇調な感じもしました。特に上にあげた女性3人との会話、中でもとりわけ伸子との会話はかなり芝居がかってると思います。
そんな事を思いながら1度目を読み終え、『オフェリヤ殺し』へと進んだら、ぬわんと法水がハムレット役で俳優をやってるじゃああーりませんか!!
この辺は虫太郎の遊び心でしょうかね。(^^)

話を黒死館…に戻します。
昨日引用が魅力だと書きましたが、とにかく全体的に文学的な作品でして、犯罪の1つ1つに、ことごとくゲーテの『ファウスト』他いろんな本の中にある記述がキーになってます。
ミステリファンのみならず、読書家にはこれはたまらない魅力ですよね。

ただ、この小説で1つだけ納得できない箇所がありまして、それはレヴェズが伸子に結婚の諾否として、ルビーとアレキサンドライトの王冠ピンを渡し、イエスならアレキサンドライトを着けてくれ、との事なんですが、アレキサンドライトの価値と言うのは、宝石の美しさよりも太陽光と電灯の下では色が変わる事にあり、電灯の下ではアレキサンドライトをつけていてもルビーのように赤く映るのは宝石の持ち主なら当然わかるはずだと思うんですよね。

それと思ったのは、名探偵法水が、何かこう読者が惹かれる魅力にとぼしい気もしてしまったんですが。(^^;) どうでしょうか。そんな事ない?
めちゃめちゃ超人的頭脳を持った、文学や神秘的なものにこれまた超人的にマニアックな好みを持つ人、とゆー感じはイイと思うのですが。
「そうなるかねえ」のセリフなど、検事もなかなかすぐれた人であるにもかかわらず、ちと人を見下したような所も垣間見えるかな、と、それ程気になるという訳でもありませんが、少し思いました。まあ、愛すべきキャラにする必要もあまりないのかもしれません。

読書感想、まだ続きます。今度は虫太郎その人について書きたいと思います。
是非みなさん、コメント遠慮せずにどしどし書いてくださいませ。

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Last updated  October 30, 2004 05:00:15 PM
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