2721939 ランダム
 HOME | DIARY | PROFILE 【フォローする】 【ログイン】

エデンの南

エデンの南

【毎日開催】
15記事にいいね!で1ポイント
10秒滞在
いいね! --/--
おめでとうございます!
ミッションを達成しました。
※「ポイントを獲得する」ボタンを押すと広告が表示されます。
x
May 20, 2008
XML
カテゴリ:読書
  

旺文社文庫[特製版]江川卓訳で再読しました。
文庫本サイズだけど、ハードカバーとゆーやつでして・・・。
昔読んだ時は、とにかくばーさん殺しのシーンが鮮烈でして、あまりのリアルさに圧倒され、ドキドキしながら読みました。
今回再読してみて、そのシーンの前後がかなり長い事がわかりまして。そして、その前後がまた、おもしろいんですね。
1人1人のキャラといい、真理描写といい、サスペンス的要素もあったり、いやはや、とんでもなく凄い小説です。
それと、ドストエフスキーのいろんな小説と共通する所が、あちこちに出てくるんです。
『白痴』や『死の家の記録』での死刑直前の体験が活かされた話とか、『悪霊』のスタヴローギンの告白のような、幼女陵辱の話とか。
酔いどれマルメラードフも実に良いですね。マルメラードフのセリフより引用です。

 「よろしいですか、あなた」彼は、荘重ともとれる調子で口を切った。「貧は罪ならず、こいつは真理ですよ。いや、もっと真理なのは、飲んだくれは善行ならず、ですかな。しかし、貧乏もですよ、貧乏も度を越すと、こいつはもう罪なんですな。ただ貧しいというだけなら、人間本来の高潔な感情も持ちつづけていられる。ところが、貧乏もどん底になったら、そうはいきませんや。貧のどん底に落ちた人間は、棒で追われるのじゃない、箒でもって人間社会から掃きだされる。つまり、屈辱を思いきり骨身にこたえさせろという寸法ですな。いや、それが道理かもしれませんて。なぜって、貧乏のどん底に落ちた人間は、まず自分で自分をはずかしめにかかりますからな。つまり、酒ですよ!

ラスコーリニコフが小料理屋で、偶然隣に座った学生と若い将校の話を聞くのですが、この将校のセリフが大変重要です。
何の訳にも立たない婆さん1人を殺して、何百、何千という人達を救えるとしたら、果たして、その行為は正しいのか、「ひとつのちっぽけな犯罪は数千の善行によってつぐなえないものだろうか?」という問いかけは、実に考えさせられるものです。
そして、以下の文は、犯罪心理学として、実におもしろいです。こーゆー所もドストエフスキーの凄さ!

 最初、といっても、ずっと以前のことだが、彼はひとつの疑問に悩まされた。なぜ犯罪というものは、ほとんど例外なく、ああも簡単に嗅ぎつけられ、露顕してしまうのだろうか? 彼はしだいにさまざまな興味ある結論に達したが、彼の意見によると、その最大の原因は、犯罪をかくすことが物理的に不可能であるというより、むしろ犯罪者自身のなかにあるのだった。犯罪者自身が、それもほとんどすべての犯罪者が、犯行の瞬間に、意思と判断力の一種の喪失状態に陥り、そればかりか、判断力と慎重さがもっとも必要になるまさしくその瞬間に、めったにないこどものような軽率さにとりつかれる。

次回へつづきます。

*旅行日記まだまだ終わってませんが、読書日記もたまってしょーがないのではさんでみました~~と言っても、これも書き終わっていないのでありまして・・・(^^;) ってな私に応援の1クリックを~~~。


素敵~~蝶柄の大島紬!

正絹 広衿 蝶柄と蝶のシルエット柄の大島紬、少々難【仕立て上がりリサイクル着物】《送料無料!》


CERUTTI イタリア製ツートンサンダル

う~~ん、葉っぱがない方が良くないっすか?

アージュスティックパーフェクト「澄:すみ」

ひゃあ、どーしよ。かわいいよ~~

アージュスティックパーフェクトディア「スワロベア」


spia キーケース [key case]

レインブーツぜったーい便利ですっっ!

長靴ブームのアメリカからセレブ愛用の注目ブランドchooka(チューカ)を入荷!HUNTER(ハンター)AIGLE (エーグル)chooka rain bootsチューカ レインブーツ【楽天国際配送対象商品】【10P080509】

人気blogランキングへ





お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう

Last updated  May 20, 2008 06:56:37 PM
コメント(2) | コメントを書く


PR

Keyword Search

▼キーワード検索

Profile

SEAL OF CAIN

SEAL OF CAIN

Calendar

Category

Freepage List

読書のページ


小栗虫太郎


夢野久作


江戸川乱歩


ジョイス


ダンテ


バルザック


ルイ=フェルディナン・セリーヌ


ギリシャ神話


養老孟司、竹内久美子


夏目漱石


ジュネ


中井英夫 (塔晶夫)


バタイユ


☆小・中・高校生へのお薦め本☆


ポー


今年読んだ本


ブロンテ姉妹


ミシュレ


澁澤龍彦


ウィリアム・ブレイク


ブコウスキー


ミルトン


ヘルマン・ヘッセ


コリン・ウィルソン


ドストエフスキー 関連本も


ヘンリー・ミラー


トーマス・マン


川端康成


ミラン・クンデラ


その他


フランツ・カフカ


オスカー・ワイルド


寺山修司


プーシキン


スティーヴン・キング


ロジェ・マルタン・デュ・ガール


三島由紀夫


加賀乙彦


田中一村伝


美輪明宏


モーパッサン


マルキ・ド・サド


生田耕作


マンディアルグ


阿川佐和子


アポリネール


ヘミングウェイ


ルイ・アラゴン


ラシーヌ


佐賀のがばいばあちゃん


カポーティ


藤田嗣治関連


阿部定事件


マーガレット・ミッチェル


コンスタン


トルストイ


吸血鬼関連


三国志


きもの


梁石日


井原西鶴


東電OL殺人事件関連


安倍公房


アンドレ・ブルトン


淀川長治


<映画の見方> がわかる本


グリンプス


フリッカー、あるいは映画の魔


河合隼雄


野球関係


立花隆


ポール・ギャリコ


中島義道


坂口安吾


業田良家


源氏物語


今日も映画日和、本と映画と70年を語ろう


トーキングヘッズ叢書


マルセル・プルースト


清水正


ガストン・ルルー


バルベー・ドールヴィイ


谷崎潤一郎


アルベール・カミュ


四王天延孝


泉鏡花


写本・グノーシス神話・ゾロアスター教


ジョージ・オーウェル


アイン・ランド


映画のページ


タランティーノ/キル・ビル関連


江戸川乱歩映画祭


恐怖・ホラー・サイコ系


吉本直聞


ベルトルッチ「ドリーマーズ」と1968年考


パゾリーニ


カール・ドライヤー


カサヴェテス


ウィリアム・ワイラー


ジャン=ピエール・ジュネ


ロジャー・コーマン


塚本晋也


ジャン・コクトー


ジャン・ルノワール


その他


キューブリック


ゴダール


クローネンバーグ


ケン・ラッセル


黒澤明


ヒッチコック


ロジェ・ヴァディム


エリア・カザン


フェリーニ


溝口健二


ヴィットリオ・デ・シーカ


ヴィスコンティ


男はつらいよ


ウディ・アレン


ヤン・シュヴァンクマイエル


ATG


大島渚


特別企画★日本映画監督協会70年の70本+1


トリュフォー


黒木和雄


吉田喜重


佐々木昭一郎


タルコフスキー


北野武


ジム・ジャームッシュ


勅使河原宏


悪名シリーズ


ベルイマン


市川崑


エド・ウッド関連


ロッセリーニ


マーティン・スコセッシ


フランク・キャプラ


ジャック・タチ


リドリー・スコット


特撮


アンリ=ジョルジュ・クルーゾー


新藤兼人


フリッツ・ラング


ロメール


ドラゴンボール


エヴァンゲリオン


ブルース・リー


Rozen Maiden ローゼンメイデン


マクロス


1997年スペイン旅行記


日本に対する嫌悪とスペインへの思い


マラガ到着


退屈な寮生活


セビリヤの旅


快適だったホームステイ


モロッコの旅


初めての一人旅 ~コルドバへ~


忘れられないグラナダ


忘れられないグラナダ (つづき)


グラナダに別れを告げ、バルセロナへ。


プラハ→ウィーン→ブダペスト旅行日記


旅前


旅中


旅後/関連話


棒いろいろ



映画


グルメ


ラーメン日記


ベルギー・オランダ旅行日記


Archives

April , 2024
March , 2024
February , 2024
January , 2024
December , 2023
November , 2023
October , 2023
September , 2023
August , 2023
July , 2023

Favorite Blog

中国政府が「mRNAワ… New! Condor3333さん

母に会いに・・・ アラネアさん

「古典推し」を観ま… まろ0301さん

トップページのピッ… 楽天ブログスタッフさん

ユダヤが解ると真実… ごろにゃん2706さん

Comments

SEAL OF CAIN@ Re[1]:あけましておめでとうございます。(02/04) アラネアさんへ あけましておめでとうござ…
アラネア@ Re:あけましておめでとうございます。(02/04) えっと~、あけましておめでとうございま…
aki@ Re:#私を構成する42枚(06/28) この様な書込大変失礼致します。日本も当…
SEAL OF CAIN@ Re[1]:スマホケース(05/06) アラネアさんへ ビックリですよね! 好き…
アラネア@ Re:スマホケース(05/06) スマホケース、こんなにたくさんあるなん…

Rakuten Card


© Rakuten Group, Inc.