第3話 身体検査に御用心桜蘭高校ホスト部第3話 身体検査に御用心 この私立桜蘭学院は一に家柄、二にお金、財ある者は暇を持つ。 かくして桜蘭ホスト部とは暇をもてあます美少年達が同じく暇な女生徒達をもてなし、うるおわすスーパー金持ち学校独自の華麗なる遊戯なのである。 満開の桜の下で、環、鏡夜、双子はウェイターの格好で、ハルヒ、ハニー先輩、モリ先輩は着物でお客様を出迎えています。 花見の宴らしいです。 環はお客様にどのカップでお茶を飲むのか尋ねています。 カップは英国アンティークだと分かるお客様はやっぱりお金持ちですね。 お客様は環にどのカップがお好みか聞いています。 「もちろん、こちらの姫をテイクアウトで」 お客様は嬉しそうです。 「行ったことない?コヴェント・ガーデン?」 お客様はアンティークはポートベローしかと答えていますが、こっちはさっぱり分かりません。 「結構、面白いよ。この辺のヴィクトリアン物は大抵そこで…」 馨がカップを零してしまい、指に火傷を負ってしまいます。 「馨!!」 光が馨の指を舐めて、火傷した指を冷やします。 「全く…よそ見してるからだ。お前は僕だけを見てればいいんだよ」 「光…」 お客様は素敵過ぎると視線を外してしまいますが、もう1人のお客様が貴重なシーンだからしっかり見なくちゃと言っています。 そこに鏡夜がやって来て、お客様にホスト毎の日々移りゆく美を収めた写真集を販売し出します。 セット価格もあるそうです。 こうやって部は稼いでいたのだと分かる部員(双子)でした。 いつ撮られたのかも分からないようです。 お茶の作法を披露しているハニー先輩。 しかし、こぼし過ぎです。 しかし、誰も注意できません。 「光邦…減りすぎだ」 モリ先輩だけが注意しました。 ハニー先輩が泣きそうになるので、お客様はこれくらいの量が飲みたかったのとほんの少ししか入っていない抹茶を飲みました。 ハニー先輩に笑顔が戻ります。 桜の下で、ため息をついているハルヒ。 「ハルヒ、どうだ?楽しんでるか?」 環に気づくハルヒ。 「花見の宴も悪くないだろ?もっとも俺達の場合、愛でるより愛でられる方に忙しいわけだが…」 ハルヒはいろんな意味で満開と環に言ってます。 「よくぞ、言った。そう今日の俺は誰よりも美しく咲き誇っている。お前も惚れちゃうかにゃ?」 ハルヒは環を世の中のシビアさとかと無縁に生きてるんだろうなと感じています。 双子がハルヒに今学期の選択教科を決めたか尋ねています。 同じクラスなので同じ科目を取ろうと誘われています。 環に仲の良さを見せつけるかの如く。 環は落ち込み、体育座りしています。 「なぁ、母さんや…」 「…………何かな、父さんや」 環はハルヒと部活の時だけ一緒にいる自分より、同じクラスの光と馨の方がハルヒと過ごす時間が長くて、より仲良くなれるチャンスが多いのではないかと推測しています。 今頃気づいたのかと鏡夜に言われ、ショックを受ける環。 双子は在校中の9時間をハルヒと過ごしていて、環は部活の時の1~2時間しか接触していないので、環がハルヒの人生に関われるのはたったの3%だと鏡夜が説明します。 環はハルヒに如何わしい双子と付き合わないように言います。 環はハルヒが女だと隠しているのが悪いと、本来の女子生徒に戻り、女友達に囲まれての健全な学生生活を送ってもらうことが父の願いだと訴えています。 すぐ戻れと言っている環に双子がもうすぐバレると言います。 理由は明後日に身体検査があるからです。 「それはバレますね、流石に女だって…」 桜の下で立っているハルヒ(女子制服ver)。 「ハルヒ~!!」 環の声で振り返るハルヒ。 「待ったかにゃ?どうした?浮かない顔をして…」 「だって…だって何だか皆が私を見てるんですもの。ハルヒ、困っちゃう」 ハルヒを抱きしめる環。 「ハルヒが可愛いから見てるんだよ。大丈夫、お前は俺が必ず守るから」 「先輩がそう言ってくれるなら、ハルヒ、それでいい」 環の妄想でした。 「ハルヒ、環先輩にもうラブラブ~」 「ははっ、こいつ~」 環の乙女モード全開です。 僻むなとこれが全て計算通りらしいです。 嫉妬しなくても始めから結果が見えていたという環。 「そうとも、そもそもこのアニメは学園ラブコメディ。そして俺とハルヒは明らかにラブコメ要員」 僕らは何か尋ねる双子(+他メンバー)。 脇役のホモホモ要員だと言う環は自分とホモホモメンバーの間に線を引き、この線から入ってこないように言います。 ここで衝撃の言葉を環は聞くことになるのです。 ハルヒが女だとバレるということはホスト部にはいられないということを。 そして、ハルヒが中学の普通に女の格好をしていた時は月に1度は告白をされていたという事実を。 これで環はハルヒに近づけなくなっちゃうと言われます。 双子は同じクラスだから別にいいと勝ち誇ったように言います。 遅れて入ってきたハルヒに環は女だという秘密が身体検査でバレないように守ると言います。 双子もハルヒが他の男に言い寄られるのも癪に障ると、ハルヒの性別隠蔽大作戦のフォーメーションの確認が早速行われます。 ハルヒは女だとバレるとホスト部にいられなくなるので借金を返せなくなるが、別の方法で返せばいいやと楽天家です。 本人にやる気がないので危機感を覚える隊員達。 環がホスト部がそんなに嫌いかと尋ねると、ハルヒはどっちかと言うと嫌いだと言ってしまいます。 ダメージを喰らい、隅っこで体育座りをする環。 流石に女だとバレたら仕方がないというハルヒ。 まずはハルヒのやる気のなさを何とかしないといけないようです。 モリ先輩が大トロとボソッと言うと、ハルヒは反応します。 環は元気を取り戻し、前回のダンスパーティで大トロを食べ損ねたことを嫌みったらしく言い、双子も食べたことがないなんてお寒いお育ちですことと言ってます。 この部にいれば美味しいものを食べる機会が沢山あるのにとハニー先輩も言っています。 ハルヒもいくら貧乏だからって大トロが食べられるくらいで性別誤魔化し続けるなんて、そんなに食い意地がはってるわけないと言おうとしますが、やはり大トロの誘惑には勝てず本当に食べられるのか尋ねています。 翌朝 身体検査の日です。 作戦のフォーメーションAが何なのか気になるハルヒ。 桜蘭の身体検査はどんな事をするのか気になるハルヒに身体検査貧富の差はないんじゃないかという双子。 安心して保健室に入るハルヒですが、各生徒に付き添いの人までいるので全然普通の身体検査ではないと感じているハルヒ。 ハニー先輩とモリ先輩が白衣姿でいるのですが、周りからバレバレ。 鏡夜は2里は何かあったときのための対処要員だと教えられるハルヒ。 変装の意味はいかにも作戦らしく盛り上がるからというだけのもの。 医者が生徒達を褒めて褒めて褒めまくる過剰な接待に驚くハルヒは鏡夜に学校と言っても商売という理事長の配慮だと教えてもらいます。 この学園の生徒ならば、お抱えのドクターがいるので身体検査は形式的なイベントだとも教えてもらいます。 ふらふら歩く白衣を着た医者と鏡夜はぶつかってしまいます。 鏡夜は何かに気づいた様子。 双子が胸囲の測定中。 女子生徒が見守る中、カッターシャツを脱ぐ双子。 カーテンが用意されてはいますが、そんなのは必要ないと女生徒の前で上半身裸になります。 悲鳴というか歓声をあげる女生徒達に驚くハルヒ。 身体検査というイベントは評判が凄くいいらしいです。 「許せないな。医者とはいえお前の体に触れるなんて」 「何を言ってるのさ。いつも家でお医者さんごっこと言いながら散々僕の体弄んでるくせに」 ホスト部出張営業が身体検査でも行われています。 女子生徒が双子に気を取られている間にハルヒはハニー先輩とモリ先輩に連れて行かれます。 そしてカーテンに向かって押されました。 「お待ちしておりました、お姫様」 中にいたのは環でした。 驚いた顔も可愛いと環は言っています。 ついにハルヒが胸囲を測るときがやってきました。 来るべく時が来たと環が何かするようです。 女生徒が見守る中、環がハルヒの格好をして胸囲測定を受けようとしますが、バレバレです。 双子に絶対にバレないと言われたので、この作戦を実行したようです。 本当にやったと、双子も笑っています。 双子のホモホモ要員呼ばわりされたささやかな復讐だったようです。 「ごめん、バレちゃった。てへっ」 ハルヒに謝る環ですが、物凄い視線で睨まれます。 その恐怖に怯える環。 ため息をついているハルヒに特別男子保健室を設置し、そこに口止めをしたドクターを待機してあると鏡夜に言われます。 何でも今日の身体検査の医者は全員、鏡夜の家の医者だったらしいです。 最初から言わなかったのはホモホモ要員呼ばわりされたささやかなお返しだったそうです。 環はハルヒが怒ったとどんどん風化していきます。 特別男子保健室に着いたハルヒ。 医者に言われたとおり、服を脱ぐためにカーテンの中へ。 女子生徒が医者の1人が肩をつかんでおかしな事をしようとしたと叫んでいます。 怖かったと泣いておられます。 変質者かしらと言ってる方もいます。 鏡夜とさっきぶつかった医者ですが、白衣を着ていたが鏡夜の病院の医者ではないらしいのです。 そしてその医者がハルヒの身体検査が行われている特別男子保健室の方に向かったと女子生徒が言うので、ハルヒの身に危険が…と感じるホスト部メンバー。 ハルヒが服を脱いでいると、知らない白衣を着たおじさんがカーテンの中に入ってきたではありませんか。 そこに環が助けにやって来ました。 キックで飛ばされる白衣の医者。 ホスト部メンバー全員がカーテン内に揃っています。 環はハルヒに自分のカッターを羽織らせています。 白衣の医者は怯えています。 この医者は突然身の上話を始めます。 隣町で小さな内科診療所を営んでいるそうですが、妻と一緒に出て行った娘に一目会いたかったので学校まで来たそうです。 出て行った理由は借金の保証人にまたなったかららしいです。 経営が下手な上、人の頼みを断れないために借金まみれの生活に愛想をつかれたというお医者さん。 やっとの思いで学校に着くと、身体検査の医者の間違われ、その挙句、娘の事を尋ねようとしたらいきなり悲鳴をあげられ、追われる身となっていたらしいです。 その話を聞いて、涙を流している唯一の環。 鏡夜はそのお医者さんにお探しの学校は公立の黄林高校ではないかと尋ねます。 その医者は桜蘭学院と黄林高校を間違っていたようです。 ハニー先輩がよくこの医者が学校を間違えていることを気づいたのかを鏡夜に尋ねると、小さな診療所の娘が桜蘭に入れるわけがないからだそうです。 環は医者に黄林高校までの地図を用意してあげるように鏡夜に言います。 地図を貰い、本当の娘の高校へ向かう医者。 ハルヒはホスト部メンバーに出て行くように言います。 環はまだ怒っているのか、ホスト部を辞める気なのかハルヒに心配になって尋ねます。 ハルヒは男子生徒として身体検査の続きを受けなければいけないでしょと言います。 食べ物に釣られたわけではなくて、借金返済のためだと付け足します。 「ハルヒ、可愛い~!!実は大トロ食べたいだけのくせに、そんな自分を偽っているところが何かいいぞ!!」 環はハルヒに抱きつきます。 変なとこ触んないでとハルヒは環に言います。 双子はそんな環にレッドカードと言い、この人こそが本当の変質者だと言います。 ハルヒはいいからさっさと出てけと叫んでいます。 第3話完 |