花より男子2 第7話花より男子2 第7話朝5時起床、6時まで玄関・床清掃、7時まで朝食の用意、学校からは寄り道せずに帰って、帰宅後は風呂掃除、夕食の用意、司の部屋の掃除、11時就寝と言うタイムスケジュールをタマはつくしに言います。 使用人にするつもりはねえと司が言うので、タマは坊っちゃん専用の使用人にしてはと提案する。 「俺様専用?」 『お帰りなさいませ、ご主人様~』と御出迎えするつくし、膝枕をして耳掃除してくれるつくし、膝の上に座ってあ~んと食べさせてくれるつくしなどを妄想する司であった。 「それは困ります!!何でもやりますけど、道明寺…じゃない坊っちゃん専用っていうのは…」 タマがどうするのか訊ねてくるのでにやけた顔を見せないように背中向けてタマに任せると言う司。 学校ではつくしが道明寺家に居候していることから、三人娘達の態度がつっきーとあだ名を呼んで友達のように接してくるように変わっていた。 類からも、司の家にいるのかと訊ねられ、住む所がなくてお姉さんの好意に甘えているだけじゃなくて使用人として働いていると答えるつくし。 「でも、司のこと呼び出したんだよね?バレンタイン」 「あ、それは…もう遅いって話をしたんだ。そんな簡単にはいそうですかって元には戻れないよ」 「悩んでるんだ?牧野を悩ませてる原因の一つに俺もいる、よね? 俺にもまだ可能性はあるってことなのかな?」 道明寺家に帰宅してきたつくしはぎこちない敬語を使いながら部屋の掃除をします。 司に命令だとして普通に話すように言われる。 「うん」 「なぁ、牧野。お前、この前言ったよな。それって俺ともう一度きちんと向き合うってことだよな!?」 つくしを後ろから抱きしめる司。 「牧野、俺はお前に命をかける」 覗き見してるタマ そこへあきらがやって来る。 「あ、牧野、本当にお手伝いさんやってたんだ。司、今ドアの所にタマさんいたけど。あ、軽はずみな行動取るなよ、二人とも」 あきらの用事は総二郎に全然連絡がとれないというもので、つくしもおかみさんから携帯に電話がかかってきたので団子屋に向かうと優紀とバレンタインの翌日から連絡が取れないと言う。 優紀のことが気になって運んでいるスープを零すつくし。 部屋で優紀に電話しても繋がらない。 そこへ司がやって来て、何かあったのなら相談にのれることあったらのってやると言う。 大したことではないが、優紀と連絡がとれないとつくしが答えると、捜しに行くと言ってつくしの手を引っ張っていく司。 それを滋が見ていたのだった。 司は総二郎の家に電話をしてみると しばらく帰ってないと言われる。 そこで屋台のホットドッグを見つけ買ってくる司。 「食えよ。腹減ったら戦は終わるってな」 「戦は終わるって、なら食べないままの方がいいじゃん」 「何でだよ!?いいから食えよ!!NYじゃ2人では食えなかったしよ。俺もあん時はあん時で必死だったけどよ、今こうしてお前といると何がホントに一番大事かよく解る」 ホットドッグは不味かったが、笑顔になるのだった。 翌日、あきらから去年のバレンタインデーに総二郎が初恋の幼馴染の女の子に久々に再会したが、バレンタイン以降ばったり姿を消したという事件が起こる。 でも、その子には高1の時に既にふられていたそうで、更さんではないかと気づいたつくしは総二郎がバイクの後ろには絶対女の人は乗せないと言う話をする。 「今でも好きなんじゃないかな、西門さん」 「あいつら兎に角三角形なのは間違いねえな」 「三角形!?三角関係でしょ」 お茶のサークルでは更はすでにやめて、引っ越した後だった。 引越し場所にやって来た総二郎。 更は陶芸をしていた。 更のお父さんは陶芸が趣味で昔、ここに更の家族と総二郎の家族でよく遊びに来たそうです 総二郎は陶芸教室に忘れていた茶碗を渡す。 それはここで買ったもので、総二郎もまだそれを使っていると言う。 更が終わるのを待つ総二郎。 一方、あきらのつてで優紀が東京タワーの近くのビルをうろついているのを見つけたという連絡が入ったのでそこに向かう司とつくし。 2人は優紀を見つけますが、その場で倒れてしまうのだった。 倒れた優紀を家に連れ帰り、持っていた手帳を見ると東京タワーが見えるビルを探しているようであったので、目覚めた優紀に事情を聞くことにする。 バレンタインデーに総二郎にチョコを渡しに行った時に家にあげてもらえたが、それは更のことを訊ねるためだった。 総二郎が訪ねてきた翌日に更がサークルを止めたと聞いてショックを受ける総二郎。 それを見た優紀もショックを受けるのだった。 去年のバレンタインデーに朝の6時に更が総二郎を呼び出したそうです。 「あのさ、バレンタインの日に告白すんのに朝の6時に来いって言う奴いるかな?しかも東京タワーの見える、ま、とにかくビルの屋上なんだよ」 「え、何ですか!?それ。超意味不明ですよ」 「行ったら馬鹿見るよね」 「見ます、絶対見ます!!行ったら駄目ですよ」 それで総二郎は約束に行かなかったらしい。 「あたしが、西門さんと更さんのこと邪魔したんですね」 「そうじゃないよ、最初から更は俺にそんな気持ち抱いてないから。引導渡したかったんだろ。あいつが惚れてんのは兄貴なんだよ。俺の兄貴」 司の話によると、総二郎の兄は型破りな男で、3年前に家のしきたりに我慢できず、家を飛び出し、その時に更が泣き出したので総二郎の初恋は終わりを告げた。 「でも実際ずーっと想ってたわけだ」 「いや、忘れようと思っても、実際会って顔見ると、想いは滾るっつうか、そうなると止めららんねえのが男の純情ってもんよ」 優紀はバレンタインの次の日に更が忘れていった茶碗を総二郎に渡しにいったのだった。 去年のバレンタインデーの朝6時に更が何を伝えようとしていたのか優紀は何かが解るかもとそのビルを探していたのだった。 「もしかしたらあたしの人生の中で今が一番大事な時かもしれない。だからお願い、黙って見てて。すぐ終わるから」 山の幸を土産にツーリングにいってきたという総二郎を誘っていく司。 優紀からつくしは見つかったので明日の朝6時に総二郎が来てくれるかなと言われる。 「道明寺から話してもらお。でさ、何があったの?そこには」 「大事なものがあった。西門さんと更さんにとって物凄く大事なものが」 司は総二郎から話を聞く。 気がついたらバイクで飛び出していたと総二郎は去年のことを謝ろうと思ったそうです。 「でもね、こっち来たのはジローがどうのって話じゃないんだ。しょうちゃんは?相変わらず飛び出してったきり?」 「連絡もないよ、どこで何してんのか解んない。更はさ、ほんっと兄貴のことが好きだったもんな。兄貴がいなくなったときも一人でピーピーピーピー泣いてさ」 「そりゃ泣くでしょ、いきなりでびっくりだったし」 「今でも兄貴のこと想ってる?」 「何それ?あたしにとって、しょうちゃんはお兄ちゃんだから。ただそれだけだよ」 「じゃあさ…俺は?俺は更にとって何だったのかな」 その時、更を呼ぶ男性の姿が。 「優妃ちゃんてさ、すごくいい子だね。ジローのことホントに大好きみたい。あ~んなに純粋にジローのこと想ってくれる子、そうそういないと思うし。大事にしてあげた方がいいよ」 「更、ちょっとひとっ走りいかねえか?後ろ乗っけてやるよ」 「あたしね、結婚することにしたんだ。さっきの彼、パパの友達の息子さん。彼ね、凄いんだよ。陶芸の世界で物凄く注目されていてね、結婚前提でお付き合いをして下さいって言われてね、こんなにあたしのこと想ってくれるのって他にいないんじゃないかなって、今ホントにそう思ってる」 「まるでピエロだわ。結局俺は常に蚊帳の外にいたってことを再確認しにいったっつうわけよ。でも全然落ち込んでねえから。そもそも何も始まってねえから終わってもいねえつうか、最初から終わってたっつう話な訳よ」 「総二郎よ、おまえが朝の6時に行かなかったビル、どこだったか覚えてるか?牧野のダチはそれ毎晩毎晩一生懸命探しててよ、見つけたらしいんだわ。明日の朝6時に来てくれって。今度はあの子がよ」 ひとりビルの前で待つ優紀。 総二郎は沢山の女の子と遊んでいますが、途中で席を立って走り出す。 優紀は来てくれた総二郎を引っ張ってビルの屋上へと向かう。 「出過ぎた真似だと解ってます。でも、どうしても西門さんに見てほしくて。あっちの方向です。手前のビルに朝日が反射して、6時から3分間だけ文字が消えるんです」 看板に朝日が反射して浮かんだ文字はすき ジローだった。 「ジローって呼ばれてたんですね」 それを見て驚き、泣き出す総二郎。 「バッカじゃねえの。あいつ、こんなもんのために朝っぱらから俺呼び出して…。冗談じゃねえっつんだよ…冗談じゃ…っ…ぅ…」 「俺、更はずっと兄貴に惚れてると思ってたからさ。ホントに大事な人だと、あと一歩が踏み出せないっていうかさ。格好悪いよね」 「そんなことないです」 「ありがとう、優紀ちゃん。今回のことで、俺の中の何かが変わった気がするわ。優紀ちゃんのお陰だね。今度きちんとお礼させて、ね?」 「今朝、優紀の所へは?」 「行ったよ。行っていいもん見せてもらった。牧野、頑張れよ。人の目とか周りのこととか気にする必要ないんだよ。自分の気持ちときちんと向き合って、それで自分の気持ちに正直に生きないとやっぱり駄目なんだよ。今という時は二度と戻らないんだから。一期一会だぞ」 考え込むつくしは携帯を手にするも、類や滋のことを思い出し、電話がかけられない。 その時、優紀に電話がかかります。 「あたし、好きなものは好き。これはもうどうしようもないもんなんだなぁって思った。無理だよ、好きなのにその気持ちを押し込めるとか。次はつくしの番だよ。最近、つくしのはじけた笑顔見てない気がするからさ。いつもはじけて、元気一杯じゃないとつくしらしくないよ」 「そうだよね」 「頑張れ」 帰宅したつくしは躊躇いながら司の部屋をノックして中に入る。 「あのさ、ちょっと話があるんだ。明日、花沢類に会ってくる。花沢類とは付き合えないって言ってくる。やっぱり、今一番大事にしたいって思うのは……あなたじゃないって、きちんと話してくる。話はそれだけ、じゃ」 つくしは部屋に戻り、類に電話する。 『嬉しいよ、連絡くれて。どした?』 「明日ね、時間あるかな?」 『今の俺はさ、牧野に呼び出されたら、いつだって、どこにだって行くよ』 「ちょっと話があるんだ」 『いい話?悪い話?何時に何処に行けばいい?』 「じゃあ、夕方四時に中央図書館の前で」 そこへ滋がやって来る。 「どした?溜息ついて」 「え!?滋さん」 「ここで住み込みしながら使用人してるんだって?」 「あ、そうなの」 「何だよ何だよ、まさかつくしがここにいるとは思わなかったよ」 「ごめん、連絡しないで」 「いいのいいの。親友のつくしが司の傍で監視してくれたら、変な女も寄ってこないだろうし。来週、正式に道明寺財閥と合併の話になるみたいでね、司のお母さんもこっちに来るみたいだよ。合併の話の席で披露宴の日取りとかも決まると思うんだ。そしたらつくし、お祝いしてくれるよね?」 「……」 「あたし、今日は司の部屋に泊まっていこうかなって思って。じゃ」 滋は司の部屋に入る。 「よっ!!何だよ、そんな顔して~」 「滋、もうお前、俺の気持ち解ってるよな?」 「俺の気持ち?今日はあたしとずっと一緒にいたいとか、そゆこと?」 「あのよ」 「今日はここに泊まらせてもらうから。婚約者なんだから、あたし達。誰も文句は言えないと思うけど」 動揺を隠せないつくしは立ち上がるのだった。 第6話完 ジャンル別一覧
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