|
カテゴリ:それ以外(バトン系も含む)
視聴覚室に呼び出された椎葉歩は、安西愛海らに佐古克己に脅されていたことを訴えるが信じてもらえない。
「ほら、早く飲んでよ」 怒った愛海は針を手に歩に近づくが、見張りに立っていた信川美紗が戸田和佳絵が視聴覚室に向かっていることを告げる。 「本当に嘘じゃ…」 「信じないから」 「チクったら学校来れないようにしてやるからな」 視聴覚室の中に入った戸田は針だらけの犬のぬいぐるみを見つける。 愛海達は歩が克己を奪ったと話を広めていた。 同じ頃、職員室では視聴覚室の針が問題になっていた。 走り去る歩の姿を見た戸田だが口を閉ざし、平岡正子は見覚えのある犬のぬいぐるみに不安を感じる。 「どうかした?」 「いえ、これが視聴覚室に…?」 「これは私が処分しておきます」 「あの、私がやっときます」 「平岡先生、生徒に見つからないようにお願いしますよ」 「はい」 戻ってきた歩はクラス中の冷たい視線を浴びながら席につく。 保健の授業が始まり、歩は教科書を読むように当てられるが、教科書を見るとそこには一面にいたずら書きがあって読むことができず、忘れたと言うしかなかった。 すると、先生は友達から借りなさいと言い、仕方なく隣の佐藤さんが教科書を投げ渡すのだった。 「思春期は異性の関心が高まる…」 「聞こえませ~ん」 「異性と親しくしたい、身体に障りたい、そういう欲求が強くなります」 「一人で欲情しないで下さ~い」 「友達の彼氏取らないで下さ~い」 愛海が泣く真似をして先生が心配している間に生徒間で「次は椎葉」と書かれたメモが回っていく。 そのメモを見てしまう歩の靴箱の靴の中には画鋲が入っており、平岡が犬のぬいぐるみを手に話しかけてきたので隠す。 「これ、椎葉さんのじゃない?」 「私のじゃありません」 「前につけてたのはどうしたの?」 「家にあります」 「ホントなの?」 「はい、じゃ失礼します」 翌日、登校してきた歩が机に手をつくと接着剤が塗られていた。 驚き立ち上がろうとするが、イスにも塗られていてイスとスカートがくっついて離れない。 「スカート脱げば?」 他にもお弁当を机にばら撒かれたり、教科書をゴミ捨て場に捨てられ、ゴミ置き場に閉じ込められたりと愛海達のいじめは容赦なく続く。 そんな中、廊下で1人歩いている歩に克己が話しかけてきた。 歩は克己につめよりデジカメを奪うと床に叩き付けるが、そこに愛海達が駆けつける。 歩が走り去ると、克己は愛海を傷つけると脅されていたと訴え、怒ったみどりらは歩を追いかける。 保健室に駆け込みその場はなんとか逃げ切った歩だが、トイレに入ると上からトイレットペーパーや水が降ってきた。 その後も教室へ行くと黒板に中傷文が書かれていて必死で消す歩の後ろからゴミを投げつけられる。 更にスプレー缶を髪に吹き付けられて全身汚れていく歩を、画集に目を落としたままの薗田優樹以外のクラスメートは笑って見ているだけだ。 「違うの、私…」 「被害者ぶんなよ」 「何でいんの?」 いたたまれず教室を飛び出す歩。 遅れて学校へ来た羽鳥未来は校門で歩とぶつかりその格好に驚き声をかけるが、歩は何も言わず走っていく。 呆然と駅のベンチに座っていた歩はいじめのこと、克己のこと、そして夕子のことを思い出していた。 やがてホームに入ってくる電車を見た歩はふらっと立ち上がり飛び込もうとするが、その手を未来がつかんで引き寄せ、頬を叩く。 「やっぱダメだね、これ」 「もういいよ」 「お父さんの散発で慣れてるから安心して」 髪についたスプレーの色が取れないので歩の髪をカットする未来。 「全部吐き出せば?」 「あたし、死にたくなんかない…。だけど怖くて…死にたくなくて…。もう、生きるのも死ぬのも怖くて…。おかしいよね、私…あんなことして」 「おかしくないよ。それ位辛かったんでしょ?」 「皆に嫌われて、無視されて、すごく辛くて、消えちゃいたいって思った。佐古なんてあんな奴大嫌いなのに酷いことされたの誰も信じてくれなくて…。何で…何で信じてくれないのかな…っ…」 「私は信じるよ、あんたのこと」 公園でいじめの辛さや、誰も自分の言うことを信じてくれない苦しさを涙ながらに話す歩に、未来は信じると優しく告げる。 「ありがとう、何か軽くなった」 「じゃ、これからバイトだから」 「あの喫茶店?」 「ヤバいことやってるって言ったでしょ。ただのキャバクラだよ。じゃ、また明日ね」 「また明日が来ちゃうのかな…」 「未来なんて自分次第だよ。今日より悲しい未来と今日より楽しい未来、あんたはどっちに賭ける?」 「あたし…賭けてみたい、未来は変わるんだって、楽しいことがあるんだって信じたい」 その帰り道、未来は自分のお守りだという左腕につけていたシルバーのブレスレットを歩に贈った。 翌日、意を決して学校へ向かった歩だが、下駄箱にいたみどりらの姿にとっさに身を隠し、逃げ出してしまう。 恐怖のあまり嘔吐する歩だが、未来にもらったブレスレットを見つめて立ち上がった。 再び学校へ向かう歩。 学校に来た歩の姿を見た倫子は、愛海達に報告する。 愛海は突然歩の机とイスを窓から放り投げた。 目の前に落ちてきた机とイスに呆然とする歩を愛海は教室のベランダから見下ろす。 「あんたの席、ないから」 「っつうか、机投げなんてありえねーし」 「スゴイよ、マナ。信じらんない」 「トドメさしたって感じだよね」 「もうマジでうけるんですけど」 ざわつく教室に両脇に机とイスを抱えた歩がやってきた。 驚きながらも睨みつける愛海に、強い眼差しで睨み返す歩。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
Last updated
July 22, 2007 01:02:49 PM
|