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カテゴリ:BLOOD-C
ハチミツとクローバーの第4話を見ました。
『あの日以来、はぐちゃんは森田さんへの想いを必死に蓋をしているように見えた。何かのきっかけで、感情が溢れ出してしまいそうなその危うげな姿が僕にはとても痛々しく思えた》 クリスマスシーズンを迎え、浜田山商店街も活気づいていた。 はぐみはあゆみとともに、商店街のイベントスペースで手伝いをする。 竹本と森田も狩り出され、それぞれトナカイとサンタクロースの扮装をさせられていた。 そこにあゆみの父で、商店街の自治会長を務めている大五郎がやってきて、森田がデザインした特製のスタッフジャンパーにケチをつける。 竹本はつかみ合いになった森田と大五郎の間に割って入ろうとしたのだが、逆に二人から反撃されてしまった竹本は逃げようとして積んであった商品の焼酎を割ってしまう。 花本の研究室に戻った竹本は焼酎の請求書を見て愕然となる。 竹本が割ってしまったのは、滅多に手に入らない幻の焼酎だという。 大五郎は竹本が支払えないなら、自分の酒店でアルバイトをさせるつもりでいた。 するとそこに、真山がやってくる。 真山は空腹を訴えるはぐみ達に自分が奢るから、と言って出前を取るよう指示した。 「真山、大好き!!」 森田は真山に抱きついて頬にキスをする。 竹本とはぐみも、森田のマネをして同じように抱きついた。 だが、あゆみだけは躊躇して抱きつけずにいた。 それを見た森田はあゆみに向かって真山を突き飛ばした。 森田達は抱き合うようにしてソファーに倒れたあゆみと真山に次々と圧し掛かった。 あゆみは一番下で潰されながらも、目の前にいる真山の姿に動揺を隠せなかった。 あゆみは真山から作品を借りたいと言われる。 真山が働いている藤原デザイン事務所が手がけた店舗で、陶芸品が必要なのだという。 食事を終え、後片付けをしていたはぐみはふいに森田から、美術展に作品を出していない理由を問われる。 校内展ではぐみに負けた森田はそのリベンジをするつもりで美術展に作品を出していたのだ。 だが、はぐみはある理由からスランプに陥り、絵が描けなくなっていた。 それを知る花本ははぐみには自らの力でこのスランプを乗り切ってほしいと願っていると理花に語る。 あくる日、竹本は大五郎の店でアルバイトを始める。 幼い頃からクリスマスが苦手で、いつもこの時期は無為に過ごしていた竹本は仕事があることにむしろホッとしているようだった。 あゆみの作品を見た藤原デザインの美和子や野宮<は彼女のセンスを認め、仕事を頼むことにする。 真山は早速、あゆみに連絡を入れ、事務所まで来てほしい頼む。 その夜、部屋にいた竹本と真山が見ていたテレビの天気予報のバックに森田が映っていた。 「そもそもクリスマスってそんなに大騒ぎするようなイベントなんですかね?何ていうか、クリスマスって幸せそうな人だけが盛り上がってる気がするんですよね。自分達さえ幸せだったらそれでいいっていうか…」 「そうか?幸せそうに見える奴ってさ、実はそれなりに頑張ってる奴なんじゃねえの?何かさ、こう、自分から手を伸ばした奴にしか手に入んない気がすんのな」 クリスマスに浮かれている女性に悪態をつく野宮に貰う物もの何でもよく、ただ誰かが自分のことを想ってプレゼント選んでくれるだけでホッとすると言う美和子。 大五郎はあゆみからのダメ出しにもめげずに、毎年、彼女のためにクリスマスプレゼントを用意しているのだという。 大五郎は竹本にクリスマスとカラオケは似ていると告げる。 楽しもうと思ったら参加しないとダメだ、というのだ。 『僕はクリスマスが苦手だった。楽しそうな人々の顔を見るたび胸が痛くて、お前は今幸せか、居場所はあるのか、と問い詰められているような気がしていた。勇気を出して歌ってみたら世界が変わって見えるんだろうか、僕の音痴な歌声でもはぐちゃんは笑ってくれるんだろうか…』 そんな折、竹本は大五郎からもらったアルバイト料ではぐみへのクリスマスプレゼントに白い手袋を買う。 校内展でグランプリをとった歴代の生徒は必ず出品しているコンクールにはぐみの作品が間に合わないことで、また花本は責められていた。 「締め切りに間に合わせて描く絵に意味なんてあるのでしょうか?描きたくても描けない、はぐみは今そういう気持ちと必死に戦ってるんです」 「甘やかすのもいい加減にして下さい!!」 「甘やかしてなんかいませんよ。でも、助けてやることも出来ない。自分の中の壁は自分で壊すしかないんです」 はぐみはカレンダーに書いてある森田のスケジュール(クリスマスの日の16時に日本現代美術館)に目を留める。 竹本はクリスマスプレゼントを手にはぐみを訪ねてやって来たものの、はぐみを黙って見送る竹本。 『僕がクリスマスを嫌いなのは輝くネオンのせいでもなければ、陽気なクリスマスソングのせいでもなかった。好きな子に好きの一言も言えず、用意していたプレゼントを渡せない。そんな不甲斐ない自分と向き合うのが怖くてクリスマスが嫌いと言い続けていた。そう、クリスマスを誰より意識していたのは僕自身だったんだ』 仕事を頼まれたあゆみは真山のデスクの場所を聞き、栄養ドリンクと差し入れを置く。 「あ、誤解しないで下さい。ただの、友達ですから。失礼します」 真山は理花を待ち伏せていた。 「久しぶり」 「…はい」 「就職決まったそうね。真山くんならどこでもやっていけると思ってたけど、決まって私も安心したわ。頑張ってね」 「頑張ります、ここの戻ってくる為に。また、必ず理花さんの所に戻りますから」 はぐみは森田がいるはずの美術展の場所にいくと既に閉館していたが、中に入ると森田がした。 「お前さ、最近、全然描いてないだろ?おい、どうしたんだよ?お前が描かないでどうすんだよ?」 「私が描けない原因は…森田さんです」 「俺?俺、お前の邪魔したか?」 「最初は森田さんのこと、頭の中から追い出そうとしました。何度も追い出そうとして、忘れようとしても全然消えてくれなくて…。目を瞑っても耳を塞いでも、一人でいると必ず森田さんのこと考えてしまうんです。だから一度ちゃんと向き合わなきゃ、いつまで経ってもこのままだと思いました。怖がって逃げていつまで経っても描けないままだと思いました。あたし、森田さんのことが好きです」 「俺さ、近い将来この中の一人になる。年取ってから評価されるとか、死んでから見直されるとかどうでもいい。俺は近いうち絶対、この中の一人になる。本気でそう思えたの前のお陰だ。お前が俺の目の前に表れてくれたお陰であぁやんなきゃなって心から思えた。花本はぐみ、お前もこの中の一人になれる。だからお前も絵頑張れよ。また俺の心が震えるような絵描いてくれよ、な?俺とお前はずーっとライバルだからな」 朝、目覚めた竹本が干してあった靴下を見るとNYに行ってくると書かれたメモと懐中時計が入っていた。 慌てて部屋を飛び出した竹本はバス停に並ぶ森田に駆け寄る。 「はぐちゃんは…はぐちゃんはどうするんですか!?はぐちゃんの気持ちはどうするんですか!?」 「どうするって夫婦じゃねえからな。竹本、また会おうな」 絵を描いているはぐみに竹本は森田がアメリカに行くことを伝えるが何も言わない。 「森田さんのこと好きなんでしょ?」 「アメリカに、行ってほしい…。アメリカで、頑張って来てほしい…。アメリカで、思いっきりやりたいことやってきてほしい」 『森田さんがはぐちゃんに残して行ったものは、僕がどれだけ傍にいてどんなに努力しても与えられるものではなかった。それは決して宝石のようにキラキラと輝いてもいないし、ケーキのように甘くもないけれど、はぐちゃんは確かにそれを受け取って前に進み始めていた。落ち込んでくれた方がずっとよかった。行かないで欲しいと泣かれた方がずっとよかった』 キャンバス/平井堅 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
Last updated
January 30, 2008 10:33:56 AM
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