テーマ:最近観た映画。(38850)
カテゴリ:映画・ドラマ
映画「ホテル・ルワンダ」を見ました。 これは凄い映画だと思います。 2004年に作られた映画なのですが・・、その10年前の 1994年。 ルワンダの部族間闘争に端を発する大量虐殺事件は、100日間で100万人の虐殺者を出すまでに発展する。このルワンダで、ホテルの支配人として、1200人の命を救い、「アフリカのシンドラー」といわれる人物のドキュメンタリー。 途中、泣けてしかたがなかったです。 以下、ネタバレ気味です。 ツチ族とフツ族・・という2つの部族間の闘争の結果の悲劇なのですが、 やはり単なる近親憎悪の問題ではなく、 ことは西欧の植民地支配に起因します。 長くルワンダを支配していた宗主国であるベルギーの統治方針により、 人口の15%のツチ族が、残り85%のフツ族を支配するという政策が続いていた。 (そもそもツチ族とフツ族という分類も、恣意的。ツチ族の方が、背がすらっとして鼻が高いから・・・・という白人の美意識で選別されたもの。 でも、政府が住民基本台帳?のようなもので規定した瞬間、単なる容貌がハードは分類であるかのごとく一人歩きしはじめる・・) その結果、フツ族の不満・怒り・怨恨が鬱積しており、 フツ族の民兵が、非公式に・・しかし、公然と組織され、いつ爆発してもよい状況になっていた。 それが、2つの部族間の和平交渉の延長が締結された夜に、 フツ族の大統領が暗殺され、民兵を中心とするフツ族からツチ族への虐殺が開始する。 (・・この暗殺、フツ族側の急進派によるものと思われるが、真実は?) 大量虐殺の最中、ベルギー系の4つ星ホテルの現地支配人として、 ツチ族の難民を、ホテル内に匿い通し、1200余名の命を救う。 虐殺以前から政情不安となっていたルワンダには、 国連平和維持軍として、フランス軍・イギリス軍・アメリカ軍等各国の部隊が駐在していたが、 虐殺が開始した途端、欧米各国が下した決断は、 虐殺を止めることではなく、 全部隊の撤退・・であった。 わずか300名の国連平和維持軍のみ残して、 欧米と国連はルワンダを見捨てたのだった。 この過程の中で、 主人公のドン・チードル扮する「ホテル・ミル・コリン」の支配人ポール、 ニック・ノルティ扮するカナダ軍の大佐で、国連平和維持軍の司令官、 ジャン・レノ扮する「ホテル・ミル・コリン」のベルギー本社でポールの上司、 の行言動に、いろいろと考えさせられました。 あのような状況下で、自分は何をするだろうか? 何ができるだろうか?、 何をすべきだろうか、と。 欧米諸国に見捨てられたことがわかったホテル内で、 ポールがこう語る。 「我々は難民ではない。 これから、外国の友人にお別れの最後の電話をしましょう。 そして、みなさんは、その会話の中で、友人と手をしっかり握り合ってください。 友人の手が離れることは、みなさんが死ぬことなることを伝えましょう。 助けないことが、恥であることを理解させましょう。」 この言葉を聴きながら、涙が止まりませんでした。 ラストに流れる曲「Million Voices」・・ ルワンダ、ルワンダを知ってほしい、という叫びは胸に残りました。 ジェノサイドの丘〈上〉―ルワンダ虐殺の隠された真実 ジェノサイドの丘〈下〉―ルワンダ虐殺の隠された真実 漂泊のルワンダ ルワンダからの証言 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
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