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システムエンジニアの晴耕雨読

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2007.01.23
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カテゴリ:カテゴリ未分類
マーヴィン・ミンスキー「心の社会」
安西祐一郎訳

 
 「心とは何か」
 「知能とは何か」
 「記憶とは何か」
 ・・・・と問うに当たって、

「科学では、最もつまらなく思えるものを研究することによって、
 最も多くのことが得られる。」

として、具体的な事象である、「積み木遊びをする子供」の思考過程を取り上げること
からはじめる。

 本書の要約としては、訳者の安西さんのあとがきの一節にズバリあります。

「『心の社会』とは、心が、個々には心を持たない『エージェント』からなる『社会』
 である、という考え方のことである。
 いいかえると、心のはたらきが、多くのエージェント同士がお互いを活性化したり、
 抑制したり、検閲したりするような『インタラクション』によって生まれてくる、
 という考え方のことである。」

 ミンスキーさん曰く、
「心のエージェントたちは、一つひとつをとってみれば、心とか思考をまったく必要と
 しないような簡単なことしかできない。
 それなのに、こうしたエージェントたちがある特別な方法でいろいろな社会を構成すると、
 本当の知能にまで到達することができるのである。」

 このことを、270に及ぶ節をコラージュのように紡いで説明する。

 
 「部分と全体」の議論の中で、部分を積み上げても全体にはならない、
 「全体は部分の和を超える」として、「全体論的」「ゲシュタルト」という言い方で
説明を終わらせようとするスタンスに対して、
 そういった「まがいものの説明用語を使い続けるなら、答えは遠のくだけである。
 ・・・名前をつけるだけで意味がわかったように思ってしまうのなら、名づけるのは
むしろ害になるのである。」と手厳しい。

 人工知能のための基礎理論の確立を模索する中で、
 科学的なアプローチ方法について学ぶことを知ることができる。


 考えることを考えることの難しさ・・として、
 「自分で意識のはらたきを調べる思考実験をしようとすると、
  記憶のメカニズム自体混乱をきたしてしまう。
  というのは、その実験自体が実験によって調べようとしている記憶そのものを変えてしまうからである。」

 ピアジェの発達心理学(幼児が知能を獲得する過程)やパパートの原理(心の成長において、単に新しいことを身につけるステップだけでなく、すでに知っていることを使うための新しい管理方法を身につけるステップの2段階があること)、投資原理(ある技能を早く学習するほど、その技能を使うための方法をたくさんみにつけられる)など、学習過程についての理論が、次から次へと出てきます。


 最後の結論は、急いで読んだこともたぶんにあるのですが、
 バカボンのパパが「これでいいのだ!」と言っているように思えました^_^;

 問いの立て方とそのアプローチ方法、さらにそのためのネタにこそに、
 この本の価値があるのだと思います。



楽天さん、写真がないよ!





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最終更新日  2007.01.23 23:49:54
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