4491016 ランダム
 ホーム | 日記 | プロフィール 【フォローする】 【ログイン】

システムエンジニアの晴耕雨読

システムエンジニアの晴耕雨読

【毎日開催】
15記事にいいね!で1ポイント
10秒滞在
いいね! --/--
おめでとうございます!
ミッションを達成しました。
※「ポイントを獲得する」ボタンを押すと広告が表示されます。
x
2007.05.03
XML
カテゴリ:カテゴリ未分類
プラトン「テアイテトス あるいは知恵について」

 訳は、田中美知太郎。


テアイテトス

 ・・幾何学をテオドロスに学び、哲学をプロタゴラスに学んだ若い衆。
   
   テオドロスはソクラテスの友人なのだが、数学は得意なものの、
   対話は苦手なので、ソクラテスから議論をふっかけられたことに対して、
   弟子のテアイテトスを、相手にさせようとする。

 テアイテトスに対して、

 「知識とは何であるか」とソクラテスが問う。

 

 「魂の産婆役」・・・

 ソクラテス自身の母親は、赤ちゃんを取り上げる女性のための産婆役だったと語り、

 自分は、知恵を取り上げる魂の産婆役だという。

 
 そして、産婆役の宿命として、
 
 自分自身は、知恵を産めないのだ、という。 


 このソクラテスに促されて、

 最初は、遠慮がちであったテアイテトスが、

 間違っているかも、と思いつつ、自分の意見を言い始めたことに対して、

 「それ! それ!

  それだよ、そういうにふうに、テアイテトス、

  気軽に言わなければいけないんだよ。」

 とソクラテスは褒める。
 

 いまどきなら、ティーチングじゃなくて、コーチングの名手だったのかも。


 「知識とは何であるか」の答えとして、

 知識とは、感覚である

 知識とは、真実の思いなしに言論を加えたもの

 知識とは、正しい思いなしに差別性の知識を加えたもの

 ・・・

 というように、徐々に深化していきますが、

 決定的な答えは出ません。 

 ソクラテスの追加の問いによって、
 
 いったん答えを思われたものは、するりと逃げてしまいます。


 途中、「一者の他者に対する優越」という概念が出来きます。

 「一者」・・・無限の存在・・神・・・のようなものかもしれませんが、
 
 一節だけなので、ここではまだよくわかりませんでした。


 「ゴルギアス」におけるカルリクレスの哲学への痛烈な非難同様、

 かつてタレスが、夜空を見上げて観察に熱中するあまり、溝に落ちたのを

 そばに居たトラキア出身の女性が

 「あなたさまは熱心に天のことを知ろうとなしますが、

 ご自分の面前のことや足元のことにはお気づきにならないのですね」
 
 と冷やかした話を引き、

 求智者の生活は、時代は変わっても同じである、と説きます。


 安易な答えを得ることが大切なのではなく、

 よく考えることが、最後に語られます。
 
 「君は君の知らないものを知っていると思ったりしないだけの思慮深さを持つことによって、

  一緒にいる人たちを悩ますような重荷となることが一段と少なくなって、

  人々は一層よく折り合っていけることになるだろう。」


 この物語は、
 メレトスに訴えられたため役所へ出頭する・・・
 という「エウチュプロン」につながるシーンで終わります。





お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう

最終更新日  2007.05.03 23:11:45
コメント(1) | コメントを書く


PR

カレンダー

カテゴリ

日記/記事の投稿

コメント新着

 モンゴル鎌倉サムライ@ Re:佐藤優「自壊する帝国」(08/09) ルパン三世のマモーの正体。それはプロテ…
 toyopika@ Re:足立巻一「虹滅記」(06/18) 足立敬亭先生が逝去したことを知って悲し…
 背番号のないエース0829@ もし高校野球の女子マネージャー 『アルフィー「君が通り過ぎたあとに-Don…

お気に入りブログ

教壇に立った鴎外先生 New! lavien10さん

半導体とは何か?【… New! alex99さん

才に溺れるな New! よびりん2004さん

読書会について考える 三角猫さん

ストラヴィンスキー… くまんパパさん

2. 投資はメンタル… みきまるファンドさん

定額減税 出生・死亡、… 山田真哉さん

明石公園へ 一緒がいいねさん

キーワードサーチ

▼キーワード検索

フリーページ

サイド自由欄

設定されていません。

© Rakuten Group, Inc.