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プラトン「テアゲス 知恵について」 訳は、北嶋美雪。 プラトン全集7巻「テアゲス カルミデス ラケス リュシス」より。 ソクラテス、60歳頃のお話。 ある日、元・アテナイの有力者だったデモドコスが、 息子のテアゲスを連れて、ソクラテスのところに相談にくる。 テアゲスは、20歳くらいの若者。 当時のひとかどの人物が修めるべき、 「読み書き」「琴の演奏」「相撲その他の競技」を終えたものの、 さらに、自分のことを知者にしてくれるソフィストのところへ行きたい、 だから、父親のデモドコスが、ソフィストへの多大な授業料を支払うべきだ、と思っている。 ソクラテスは、テアゲスに、ソフィストのところでどんな知恵を学びたいか、問う。 「国家社会のうちにある人間を支配するすべを知る」こと、とテアゲスは答える。 「ゴルギアス」なら、ここから、 その知恵の中身の議論、正義と不正についての議論が始まるのですが、 ここでは、それをよりよく学ぶのは、どこが良いか、という話になります。 選択肢としては、 一つは、当初の希望通り、多大な授業料を支払ってソフィストのところで学ぶ、 もう一つは、ただで、ソクラテスから学ぶ。 テアゲスも、ソクラテスなら不足なし・・どころか、大満足です。 ソクラテスの弟子たちが、優秀なことを知っているから。 ただし、ソクラテスの弟子になる条件は、 ソクラテスのダイモーンの言葉が、テアゲスを弟子にすることを拒まなかったら、 という条件付き。 物語は、「じゃあ試してみよう」というところで、終わります。 小品・・といってしまえばそれまでですが、 ちょっと肩透かし。 子供は、親の大きなすねをかじること、 親は、子供への教育に金に糸目はつけないこと、 いずこも同じ・・ でも、豊かなものに最高の教育が徹底されていた この時代、より激しいですね。 解説に、偽作・・プラトンの作品でない可能性もあること、 に触れられていますが、そういう雰囲気もしてきます。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
最終更新日
2007.05.06 13:54:09
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