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プラトン「書簡集」・・・第一書簡~第三書簡(ディオニュシオス二世に) 訳は、長坂公一。 プラトン全集14巻「エピノミス(法律後篇) 書簡集」より。 プラトン全集には、プラトンの13の手紙があります。 といっても、13通の手紙が全てプラトンの作と認められているわけではなく、 4つのレベルに分けられる、とのこと。 1.最も信頼できるもの 第三書簡、第七書簡、第八書簡 2.つぎに信頼できるもの 第ニ書簡、第四書簡、第六書簡、第十書簡、第十一書簡、第十三書簡 3.なかば疑わしいもの 第五書簡、第九書簡 4.偽作と思われるもの 第一書簡、第十二書簡 偽作が交じっているというものの、対話編と異なり、 プラトンの肉声が伝わってくるようです。また、大半が、哲人政治を現実世界に適用すべく シラクサ、シュラクサイの僭主へのアドバイザーとして三度乗り出したものの、 結果を出せなかったことが、切々と伝わってきます。 まずは、シュラクサイの僭主、ディオニュシオス二世に対して宛てた手紙、 第一書簡~第三書簡。 第一書簡(ディオニュシオス二世に) プラトンの三回に渡るシラクサへの訪問が失敗に終わり、 ディオニュシオス二世に対する決別の手紙・・でも、偽作なんだとか。 第ニ書簡(ディオニュシオス二世に) 「・・もし貴君が、哲学というものをぜんぜんみくびってしまっているのなら、さよならすればよい。 またもし、わたしの手もとにあるものよりは、もっとましなものを、 他のひとから聞き学ぶなり、自分で発見するなりしたというのなら、 そういうものを大切にすることです。」 「(後悔しないための)最大の予防策は、書き留めずに学び取っておくことです。 なぜなら、書き留めずに学び取っておくことです。 なぜなら、書かれたものは世人の手に渡る運命を免れません。 それゆえわたしは、これまでけっしてそれらの問題については書物を著さなかったし、 プラトンの著作なるものも何ひとつ存在しないわけだし、また将来も存在しないでしょう。 そして今日プラトンの作と呼ばれているものは、理想化され若返らされたソクラテス のものに、ほかなりません。」 第三書簡(ディオニュシオス二世に) 脚注にある言葉、 「プラトンが政治と哲学の合体の必要を説くと、 ディオニュシオスはこれを、夢まぼろしと一笑に付していた。 ところがその夢が、いまや(前357年)ディオンの手で現実化された」 ディオンは、プラトンの弟子。 プラトンは、ディオニュシオス二世に、幾何学を薦めていたといいます。 「エピノミス」での数学・天文学の薦めは、 本気だったんですね~ PS 太宰治の「走れメロス」は、ディオニュシオス二世の御世のようですね。 ソクラテスとプラトンの他の作品にご興味あれば・・・「プラトン全集」 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
最終更新日
2007.05.23 22:32:25
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