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失敗学の法則 畑村洋太郎「決定版・失敗学の法則」 宮田さんのマネジメント論が、 イノベーションのためのマネジメント・・ プラス志向のものであれば、 こちらは、マイナス・・特に、致命的なマイナスをいかに防ぐか、 に焦点をあてたマネジメント。 ・・ということで、しばらく畑村さんの本、読んでみようと思っています。 個人レベルでない、組織レベルの知恵・・ 一時期、いやいまも新しい課題である、ナレッジ・マネジメントのテーマである 過去の豊かな「失敗」経験の知の共有の仕組みに対する考察です。 いままで断片的にしか「失敗学」に触れてきませんでしたが、 「決定版」と名が付いているように、 これまでの作品の集大成にあたるようです。 第一章に「失敗学の基礎知識」として、 失敗学の根本的な考え方を紹介されています。 非常にコンパクトにまとまっているので、少しご紹介。 1.「逆演算」で失敗の《からくり》がわかる 目に見えている《結果》から、まだ見えていない「原因」を辿っていくこと・・ このことを失敗学では、「逆演算」と呼ぶ。 この際、失敗の「原因」を、「原因」-「結果」の2要素のみで考えるのではなく、 失敗の構造を《要因》《からくり》《結果》の3つの要素で構成されていると考えよ、と。 失敗学における「逆演算」を性格に記せば、 「《結果》から《要因》と《からくり》という見えない2つのものを逆に辿って 探っていく」ということになる。 2.「失敗の脈略」分析で失敗を予測せよ 逆演算によって一般化した失敗の《要因》《からくり》《結果》の関係のことを、 失敗学では「失敗の脈略」と呼ぶ。 「失敗の脈略」を使って類推すれば、別の分野でも、 どんな失敗がどういう経緯で起こるかを、予測することができる。 ex.2001年の狂牛病騒動と農水省の行動の関係は、 薬害エイズの厚生省の対応と類似 3.失敗は確率現象である 事故や災害について調査した結果確立した法則・・「ハインリッヒの法則」 1件の重大災害の裏には、 29件のかすり傷程度の軽微な災害があり、 さらにその後ろには、 ヒヤリとしたハッとして冷や汗が流れるような事例が300件潜んでいる ・・・329件の事象を軽視・黙認した結果が、 1件の重大事故である・・・ とすると、あらゆる組織のトップは、 マネジメントの責任は免れることはないのだ、と思います。 また、この逆の理論として、 失敗を隠した結果、判明した場合、 「ツケの大きさはだいたい、予兆や事実を無視したり、 隠したりして「得をしたつもりになっている」金額の300倍くらいになる」 のではないか、と畑村さん。 ・・・つい先日復活した「白い恋人」や、いまだ謹慎中の赤福さんは、 300倍ではきかないダメージを受けている、と思います。 ・・以下、続く?! <目次> 第1章 失敗学の基礎知識 (「逆演算」で失敗の“からくり”がわかる 「失敗の脈絡」分析で失敗を予測せよ ほか) 第2章 失敗の理解に不可欠な知識 (「暗黙知」を生かせ;質的変化を見落とすな ほか) 第3章 失敗から身を守る―組織の中の個人編 (精神的ショックへの対応を考えろ 「被害最小の原理」が身を守る ほか) 第4章 失敗から身を守る―組織運営編 (「責任追及」と「原因究明」を分けろ 当事者の視点からでしか正確に伝わらない ほか) 第5章 失敗から創造へ (日本の再生は失敗の直視から 創造に潜む失敗 失敗に学ぶ組織「畑村塾の実践」 明るい未来への失敗学) お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
最終更新日
2007.11.27 23:22:09
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