カテゴリ:書評・読書メモ
99・9%は仮説 竹内薫「99・9%は仮説 思いこみで判断しないための考え方」 仮説思考・・・の言葉にひっかかって、手に取りました。 とっても平易な文章で語られる、科学哲学史入門・・的な本でした。 論理的思考には、大きく2つ、 ・帰納法 と ・演繹法 があります。 帰納法は、実験や観察等でデータを集めることで、理論を発見させるボトムアップ式の 考え方なのに対し、 演繹法は、普遍的な理論から個別の事例を説明するトップダウン式の考え方であること。 でも、科学の歴史を見ると、帰納法によって理論が発展することはない。その理由は、 ピエール・ディエム曰く、 「データが仮説をくつがえすわけではない。 データが理論を変えることはない」から。 仮説を倒すことができるのは仮説だけである。 「仮説はひとつの枠組みですから、その枠組みからはずれたデータはデータとして機能しない・・ データが新しい理論を作るというベーコン主義では、枠組みそのものは壊せない・・」 どんな実験や観測のデータも、実験者や観測者の頭の中にある仮説の中でしか解釈されず、 したがって、演繹法によってしか、古い仮説は倒せない。 でも、多くの人は、そもそも仮説を仮説と認識しておらず、疑うこともない。 これを踏まえての教訓・・ 「古い仮説を倒すことができるのは、その古い仮説の存在に気づいていて、 そのうえで新しい仮説を考えることができる人だけなのです」 さらに、そのことをわきまえた人しか演繹法は使うべきではない。 そうでないと、誤った仮説を立て、それに適合するデータだけを集めて合点してしまう ということに陥ることをいさめているのだと思いますが、この線引き、とても難しいです。 <目次> プロローグ 飛行機はなぜ飛ぶのか?実はよくわかっていない 第1章 世界は仮説でできている 第2章 自分の頭のなかの仮説に気づく 第3章 仮説は一八〇度くつがえる 第4章 仮説と真理は切ない関係 第5章 「大仮説」はありえる世界 第6章 仮説をはずして考える 第7章 相対的にものごとをみる エピローグ すべては仮説にはじまり、仮説におわる 竹内薫(著)、中西俊彦(朗読)『99.9%は仮説 思いこみで判断しないための考え方』 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
最終更新日
2008.06.08 13:21:25
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