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漢字・漢語・漢詩 「漢字・漢語・漢詩―雑談・対談・歓談」加藤周一&一海知義 2005年刊。 加藤周一さんと一海知義さんの対談。 加藤さんにとって、一海さんは、漢語・漢詩の先生の位置づけ。 わからないことがあると葉書きで質問して回答を得るという一海通信教育の生徒である、 と自称されています。 冒頭、加藤さんが、「一海知義の漢詩道場」をべた褒め・・ この漢詩道場は・・宋代の詩人・陸游の詩・・なんと1万首あるとのとこですが、 その中の500首を河上肇が選んだ「陸放翁鑑賞」を下敷きに、 毎月1首ずつ取り上げる勉強会・・予定だと、46年間、 一海先生が106歳の頃に終わる・・という雄大なもの。 一日に一度漢文の古典に接する努力を続けることの効用。 それは、「日本語の水準を落とさないために必要」である。 「日本語のある緊張したリズムを維持するため」に必要である。 明治の前半の鴎外、荷風、河上肇らの漢文力は深い。 井伏鱒二、中野重治は、漢語をほとんど使わなかったが、それは知らないのではなく、 半解な理解を自覚していたため、危ないから使わなかった。 三島由紀夫は、ほとんど読めなかったのに、聞きかじりの漢文をやたらに使った。 漢文を読めない人は感心するが、書けなくてもある程度読んだ人には読むに耐えない、と。 日本には、唐詩のみが流布しているが、 その後の宋代の詩はほとんど取り上げられていない。 一海先生の「陸游詩選」か、「漢詩一日一首」あたりから 手にとってみようか、と思っています。 <目次> 第1部 漢字・漢語・漢詩―雑談・対談・歓談 (一日に漢詩一つ読むのだが… 時制がない中国語の面白さ 漢字は数学的記号に似ている 三〇〇〇年前の詩が注釈なしに読める ほか) 第2部 漢字文化圏の未来 (国際語と地域語 大きくなった漢字のメリット 芸術性をもつ文字 関係性を表わす文字 ほか) お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
最終更新日
2008.11.30 21:17:27
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