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松岡正剛「日本流―なぜカナリヤは歌を忘れたか」 朝日新聞社 2000年刊 「西条八十、ジャコメッティ、梅園、川上音二郎、イサム・ノグチ、内村鑑三、湯川秀樹、北斎、GLAY、中川幸夫、荷風、鏡花、世阿弥、九鬼周造、漱石、林英哲、雨情、桑田佳祐、高木貞治、定家、ルドフスキー、和辻哲郎、狩野亨吉、そのほか総勢560人の日本。 」(「BOOK」データベースより) を通して感じるフラジャイル・・壊れやすく傷つきやすい「多様で一途」な日本の姿・・ ≪私は最近の日本が「歌を忘れたカナリヤ」になっているような気がするのです。≫ ≪しかし、歌を忘れたカナリヤをあきらめて、これを雄々しき鷹とか鷲にしようというのは もっとおかしな話です。 むしろ、カナリヤならばカナリヤであること自身を知ったうえで、かつカナリヤとしての 多様な歌を唄い出すべきであるような気がするのです。≫ 日本を考えるにあたって、最低でも4つの国に分けたほうがいい。 アイヌ(蝦夷)、 東国、 西国、 琉球(南西諸島) ・・空間だけでなく、縄文と弥生の時間の差があり、追いやられた人が山人とみられた。 ≪仕組という言葉は、なかなかいいものです。 大約すればシステムという意味ですが、システムというよりずっと柔らかい。 システムは体系ですが、仕組は体系ではありません。≫ ・・日本の仕組は、全体と部分を切り分けない。 全体と部分はどこかでつながっている。 「見立て」・・ ≪いまや「見立て」は人間の類推思考の本質とつながりがあるというふうに 考えられつつもあるのです。 コンピュータの連想検索に「見立ての手法」を使えないかという議論も盛り上がって います。≫ 狩野亨吉(かのう こうきち) 1865年9月17日(慶応元年7月28日) - 1942年( 昭和17年)12月22日) 日本の教育者。 ≪狩野亨吉を知る人が少ないとしたら、日本の教育界に先はありません。≫ 九鬼周造・・晩年の句 憎からず思へる妻に別れぶみつきつけられてさすが惑へり 弁護士が勝手な文句かきつらね印を捺せよとわれに迫りぬ 今日までの妻よそびとになりしかな縁たち切るふみに印おす 触れながらまことのこころ掬みもせで別れゆくよりさびしきはなし ふるさとも妻も子もなしわが骨は犬のくはへて行くにまかせん なぜ、日本は、壊れやすく傷つきやすい「多様で一途」な国になったのか? その答えは、「日本がずっと不安定な国」だったから。 ・・でも、不安定でない国ってどこかにあったのだろうか? <目次> 序章 日本が思う―歌を忘れたカナリヤ 第1章 日本を語る―多様で一途な国のこと 第2章 日本も動く―職人とネットワーカー 第3章 日本で装う―仕組と趣向がはずむ 第4章 日本へ移す―江戸の見立て尽くし 第5章 日本に祭る―おもかげの国・うつろいの国 第6章 日本と遊ぶ―逢ひ見ての後の心にくらぶれば 第7章 日本は歌う―間と型から流れてくる
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最終更新日
2010.12.31 11:22:58
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