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2011.02.13
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カテゴリ:書評・読書メモ
「ブデンブローク家の人々 ある家族の没落」 トーマスマン全集(1)新潮社

新潮社

1972年刊

訳 森川俊夫

 
  先日読んだ、筒井康隆「漂流 本から本へ」での紹介文がとっても魅力的だったので、

 「ブデンブローク家の人々」・・ついに読みましたウィンク


 1768年7月7日に創立された『ヨーハン・ブデンブローク商会』・・

 その主人は、代々オランダ王国の領事となる。

 物語は、1835年10月、ブデンブローク家の一族と近親者が一堂に会して行われた

 盛大で優雅な新居披露宴からスタートします。



 ブデンブローク家、四代にわたる物語ですが、

 副題に「ある家族の没落」とあるとおり、結末を容易に想像しながら読み進みます。

 意外だったのは、没落の理由は、「売り家と唐様で書く三代目」ではなかったこと。

 出来の悪い兄弟が次々に借金をこしらえる一方、当主は、本業とともに名誉職も

 懸命にこなそうと努力します。

 ヨーハン・ブデンブローク領事の呟き・・
 
≪誠実に働けば正しく報いられるものだ。商売はこともなく続いている・・

 いや、ことがなさ過ぎるのだ、それもわたしの仕事ぶりが慎重すぎるからに過ぎない。

 おとうさんが亡くなられてから、発展していない。本質的にはね。

 今は確かに商人にとってはよくない時代だ・・

 要するに、仕事をしていても大して面白くない。≫




 でも、家の存続に止めを刺したのは、連続した不幸とそれに伴う遺産相続でした。

 切り刻まれた遺産分割の結果、100年続いた栄光の家は、跡かたもなく消え去ってしまいました。


 

 女中頭の矜持・・イーダ・ユングマン

≪貴族主義的な原則を尊重する人間だったから、一流の階級と二流の階級、

 中産階級とやや低い中産階級とを峻別し、忠実な召使として一流の階級に

 仕えていることを誇りと思≫っていた。



 ヨーハン・ブデンブローク領事の長女・・アントーニエ・ブデンブローク

≪わたしの受けた教育がいいのを責めないでいただきたいわ!

 実家では指一本動かす必要もなかったんだわ。・・
 
 父はお金持ちです。わたしがいつか雇人に不自由するなんて、

 思いもよらなかったんでしょうね。≫



 トーマス・ブデンブローク

≪頭のてっぺんから爪先まで、心構えというものを生み出すあの几帳面さ、

 完璧さを意識していたという、行動人の努力にほかならなかったのである。≫










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最終更新日  2011.02.13 22:45:55
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