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Sep 8, 2006
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この曲は、ここ何年かで関わった曲のうち、一番楽しかった思い出を持つもののひとつだ。この曲を聴くたびに心はそのときに戻ってしまう。

まず簡単に曲について。この曲は1886年、作曲者51歳の円熟期に作曲されたものだ。彼は当時「最高のオルガン奏者である」とリストか絶賛された名手だった。そんな彼がロンドンでの演奏会の成功をきっかけに交響曲の作曲依頼を受けて作曲したのがこの曲だ。

この曲の最大の特徴は何と言っても、オルガンを交響曲に組み入れて、さらにはオーケストラと対比させるような位置に持ってきたことだ。オルガンの音の特性を知り尽くした彼だからこそできたことであるような気がする。

この曲は2部構成とされているのだが(確かに主題やモチーフの共通性からするとそう言えそうだが)、実質的には4楽章構成のようになっている。ここではその前提で簡単に各楽章について触れておこう。

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第1楽章:
何もないところから生まれてくるような短い序奏に続いて第1主題登場。拍の頭を抜いた16分音符によるさざなみのような伴奏がなかなか難しい(トランペットにまで吹かせている)。また漂うような第2主題が印象的。ふわふわした感じはやっぱりフランスだから?主に2つの主題を織り交ぜながら、途中でなかなか面白い転調を繰り返していく。消えるように終わっていくと、そのまま第2楽章へ。

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第2楽章:
オルガンのラ♭による単音から始まって、音が増えて空間が広がったようなところから主題がスタートする。この広がった瞬間がたまらない。素朴でゆったりとした旋律だが、それを包むオルガンの音がどこまでも優しい。旋律の最高点にいった瞬間に突然ppの指示があり、一瞬放り出されたような感覚も何とも言えない。

この旋律は何度か繰り返されるのだが、2回目は弦楽器が伴奏に回ってさらに空間が広がったようになり、またオルガン+伴奏によってもっと優しく包まれていくかのようだ。3回目は2つのVnパートが細かい動きで絡み合う。実は演奏する側にとっては合いにくいしときどきやっかいな進行が出てくるのだが、そんなことはどうでもいいと思えるほどここは大好き。

続いて少し暗い部分が出てくるのだが、また少しずつ最初の世界に戻っていく。今度は旋律を弾くパートが増えており、3連符のピチカートが華を添える感じ。この4回目だけはそれまでにあったppの指示がなく、どんどん世界が広がっていき軟着陸。最後は天に昇るように終わる。落ち込んで救われたい気分のときには、この楽章を聴いている(もっと傷が深いとマーラーの9番なのだが)。

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第3楽章:
以前、カレーか何かのCMで使われていた。一流シェフが他の人たちに威厳を持って指示を出している様子がバックにあったので何だか損な感じだなあと思っていた。この楽章の旋律、何も考えていないと1拍目から出ているようにきこえるが実は違うことはスコアを見て初めて知った。中間部ではピアノまで登場する(実はピアノは2人必要なのに一瞬しか出てこないのでオケ泣かせ)。葉っぱがひらひらするような音型がなかなか面白い。それから最初の主題に戻って短いフーガが登場し、それが静まっていくと第4楽章へ続く。この静まっていく部分の弦合奏がとてもいい。

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第4楽章:
いきなりオルガンのハ長調による大音響でスタート。本物のパイプオルガンで聴くと感動ものである。大阪のザ・シンフォニーホールができたときのラジオの宣伝でかかっていた曲は確かこれだったと思う。その後何度も出てくる旋律はいろいろな曲で使われている(幻想交響曲だと短調でかなりグロテスクだが)が、この曲ではいろいろな表情見せており、しかも華やかさがすべてにある。その後かっこいいフーガが続いていく。曲は時間を追うごとにどんどんテンションをあげていき、金管楽器がffで吹くところなどは圧巻である。最後にすべてを総括するような場所は、何とオルガンの旋律が単純な「ドシラソファミレド」、こんな単純な形でも感動させてしまう作曲家はやはりすごいことをいつも感じる。最後のトランペットとティンパニーがとてもかっこいい。オルガンの音による最後の残響も。ライブで聴くと、本当にホールの空気が揺れていることがよくわかる。

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この曲の思い出といえば、もう6年ほど経つが、なぜか九州の学生オケに参加させてもらったことだ。九州全体から大学オケのプレーヤーを集めてコンサートをしたいというたった一人の案からスタートしたこの話、もちろん私は知らなかったのだが、ある日突然弦トレーナーの話が来たのだ。アマチュアなのに不思議だと思ったのだが、金銭的な都合と「熱い気持ちで見てもらえる人」ということで発案者の友人である大学オケの後輩から話が来たのだ。

けっこうな人数が集まっているし、また音大生もいると聞いてゲッと思ったが、発案者と直接話して熱意に打たれてOKした。一度も会ったことのない人の前でいきなり指揮なんて、プロではないので困ったが、引き受けた以上どうしようもない。というわけで、スコアを可能な限り勉強していった。行き帰りの夜行寝台の中や、本番前の合宿で飛行機に乗っているときなどは必死だった。最初は緊張したがしだいにうち解けて、最後は本当に楽しく過ごせた。ちなみに、フリーページでどうしてもみたかったものとは、最後の合宿でつかった小学校で、休憩時間に電車が見えたのでいつか逆から見てみたいと思っていたのだ。

本番は宮崎県立芸術劇場。とてもすばらしいオルガンがあるというホール。この曲を演奏するには最高のホールだった。本番は大成功だったと思う。練習にお付き合いしたのは合計で5日程度だったが、どんどんうまくなっていくのが見ていてわかったし、いい演奏をしようという気持ちが前面に出ていたのが素晴らしかった。自分が学生時代にやったことと同じなので、ずっと自分に重ねて彼らを見ていたように思う。本番中、座席は本当のセンターに陣取り、すべての音を聴きたいと思って集中した。たとえ、それが外れた音であっても結果としてそうなったのなら仕方ないしいいじゃないかと思っていた。

打ち上げで学生と一緒にはしゃぎすぎて見事な二日酔い。あそこまでひどかったのはあれ以来ない。それだけいい気分だったのだ。当時のメンバーの中で今でもときどきメールのやりとりをしている人が何人かいるし、この6年間で5人ほどには大阪や福岡で実際に会った。いつまで続くかはわからないが、こういう縁がずっとつづいているというのは私にとって最高の財産の一つである。こんな機会はさすがにもうないとは思うが、今まで出会った人も、そしてこれから出会う人も大切にしていきたいと思う。





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Last updated  Sep 8, 2006 11:30:43 AM
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