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Oct 28, 2007
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現在、市民オケで「第九」を練習中だが、ベートーヴェンの交響曲の原典に当たるこの曲、改めて聴いてみるとなかなか面白い曲だと思う。ベートーヴェンがこの第1番を作曲したのは29歳の時、ブラームスほど遅くはないにしても、実はあまり早いほうでもない。この時期の作品としてはピアノソナタ「悲愴」や弦楽四重奏曲第1~第6番などがあり、すでにベートーヴェンの世界がしっかりと見えてくる中で満を持して出てきたものだと思われる。

もちろん、この分野の先駆者であるハイドンやモーツァルトからの影響はあるし、それも感じる。確かにそれら寄りの軽さもまだある(第4番の軽さはまた違って、ベートーヴェンそのものという感じがする)。しかし、刻みまくる内声部にsf(スフォルツァンド)の頻発など、やはり楽譜を見るとどう見てもベートーヴェンだなと思う。

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第1楽章:
短い序奏から始まるのだが、ここがすでに面白い。ドミソ(主調であるハ長調の主和音)をとことん避けているのだ。つまりいきなり「?」という雰囲気に満ちている。つまり答えを言わないでヒントを出したりしながらはぐらかされている感じなのだ。しかし、いきなりスピードがアップして第1主題。今度は「ド」に行きたい「シ」が主題にたくさん埋め込まれている。このコントラストが面白い。第2主題は爽やかに軽い音楽。しかしその中にも弦楽器がキザミながら旋律を弾くという場所もあり、sfもあり、これがいかにもベートーヴェンの世界である。

展開部は転調が面白い。あまりそこへは行かないだろうという展開。しかし、この展開部は珍しく短く、比較的すぐに第1主題が戻ってくる。「英雄」を知っているとかなり肩すかしを食らうほど短い。むしろ、再現部に来てからの方が丁寧な再現をしている感じだ。スピード感にあふれた爽やかな音楽である。

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第2楽章:
3拍子の軽くのどかなヘ長調(「田園」と同じ調)の音楽。付点16分音符と32分音符を組み合わせたリズムがかなり連発して出てくるので、のどかだと言いつつ推進力はずっと感じられる。展開部は短調の雰囲気を見せて、なぜか変ニ長調という遠い調を経て、その後ハ短調などにも行ってうろうろしながら、気づけばヘ長調の世界に戻っている。いつの間仁やら戻っているというのはモーツァルトでよく使われているが、このあたりは意識的に使われているのだろうか。

またまたすぐに再現部に戻るが、3連符による旋律が出てみたり、少し変化を加えてみたりと行った工夫がある。最後の方にある低弦のピチカートが軽い旋律を支えて洒落ていると思う。最後は一瞬のびっくりを経て静かに終わる。

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第3楽章:
スコアには「メヌエット」とわざわざ書いてあるのだが、テンポがやたらと速く、sfも連発されていてこれほどスケルツォしている音楽にこんなタイトルをつけるのかという感じ。ハ長調で始まるが気がつけば変ニ長調という隣の調(一番遠い関係)に来ていて、また戻っていくという面白い転調。この部分でのティンパニやトランペットの扱いが面白い。

中間部は軽やかな木管楽器の旋律とそこへさわやかに吹き抜ける風のささやきのようなヴァイオリン。とかいいつつ、このヴァイオリンはやたらと難しい。しかもそれをさりげなくやれというのだからけっこう厳しいなと思う(しかし、ベートーヴェンはアマチュアが弾くことをわざわざ想定して書いてはいないのだからしょうがない)。その後は主部に戻って終了。短いがいろいろと工夫のある面白い楽章である。

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第4楽章:
この楽章も序奏付きだが、たったの5小節しかない。しかし、ここにはスゴイ内容が。「ソラシ」で始まり、次は「ソラシド」と順次1つずつ音が加えられ最後にはソから1オクターブ駆け上がって主題がスタートするのだ。しかもその間、すべてリズムが違う。こういう発想がどうして出てくるのかと思うとすごいなと思う。

主題がスタートすると、内声部はキザミまくり。やはりベートーヴェンでは2ndVnがエンジンなのだ。駆けるような旋律がどんどん展開されていく(コントラバスまでフル稼働)。後の多くの序曲の骨組みなどもここにあるなと聴きながら感じる。

最初の駆け上がり音型を合図に今度は展開部。木管楽器が伸びやかな部分、弦楽器が駆け上がり音型として同時に鳴らすという部分もあって面白い。終結部手前でトランペットやティンパニが登場して盛り上げたらフェルマータ。そこから駆け上がり音型が弱音で登場し、成長したり、ときにいきなり弱くなったりと、自由自在に遊んでいるような感じ。最後は「運命」の終わりの原型のような和音の打ち込みで終わる。短いがとても楽しい音楽。しかし、やはりそれは紛れもなくベートーヴェンの世界だと思う。

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この曲を本番で演奏したことがあるのは一度だけ。他大学でエキストラとして出演した演奏会だった。その時にお世話になったのが一昨日お会いした先輩である。私が大学オケのエキストラを初めて体験した演奏会でもある。いろいろと知らないことが多かったのだがいろいろと教えていただき、さらにそこのオケの方々と友達になれたのもよかった。あまりに仲良くなりすぎた(?)ので、演奏会と打ち上げの合間の時間帯に、ティンパニ運びを一緒にやって、楽器を押さえるために軽トラックの荷台に載せられたのも懐かしい思い出である。

この演奏会では、コントラバスの駒が外れるというアクシデントもあった。弾き終わった後に「バチン!」という大音響がして一同ビックリしたのだが、コントラバスの人が拾いに行ったのを見て初めて何が起こったのかに気づいた。こういうこともあるのだなとビックリ。一つの楽章だけを抜けて次の楽章では涼しい顔で戻ってきたその奏者を見てさらにビックリ。「こんな短時間で直せるんか?!」と思ってしまった。

そういういろいろな意味で思い出深い演奏会なのだ。その後いろいろな大学の友達に呼ばれてエキストラに行ったのだが、最初がそこでよかったなと今でも思う。私はやっぱり人との出会いに恵まれていると思う。その演奏会の後の先輩のハジケっぷりを見て、実はそれが一番ビックリしたことなのだが、一昨日聴いてみたら「そんなん知らんでぇ」とトボケていたが、顔は笑っていた。

「第九」の練習で、指揮者が「第4楽章だけやることも多いけれど、その前の楽章も全部聴いて欲しいなあ」と言っていたが、その前の交響曲も全部聴いてみたらいいんじゃないかななどとも思った。改めて聴き直すと、第1番がその後のもとになっているのだなと感じる。ときどき思い出したように聴く曲である。





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Last updated  Oct 28, 2007 10:34:18 PM
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