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2007.10.10
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カテゴリ:モータースポーツ

 金をめぐる争いになると、なかなか妥協というのはできないものらしい。プロドライブがFIAからF1参入を認められて以来、マシンの供給先はマクラーレンが有力と見られていた。ロン・デニスもデビッド・リチャーズと交渉中であることを公にしていたくらいである。ところが、10月になってもプロドライブのF1計画は白紙のままである。どのようにして参戦するかさえも闇の中にある。マクラーレンとの金額交渉が難航しているのかと思われていたが、ここにきて契約そのものが決裂寸前にあることが明らかになってきた。
 プロドライブのF1チーム設立計画は、独特の方法論になっている。工場や開発部門を設立せずに、ワークスマシンを購入する(リース)方式を導入する計画を立てていた。マクラーレンのマシンを購入できれば、初年度から高い戦闘力を有することができる。問題はマクラーレン側の要求する金額が100億円以上と噂されている点にある。これでは、よほど運営を効率化しないと採算が合わない。そこでプロドライブは他ワークスともマクラーレンと平行して交渉を進めていたらしい。(プロドライブ側は可能性のあるワークスは3社としている)。1ポンドでも安くするために金銭の駆け引きにとらわれていたことが明暗を分けてしまった。そこにスパイ事件が起きた余波が重なり、合意に達していた計画そのものが打ち切られてしまったという。
 プロドライブにしてみると、マクラーレンと提携することは最強の武器を手に入れることと同じである。それでも、マシンは相当高価だし、チームの主導権をマクラーレン側に握られる危険がある。リチャーズとしてはビジネスとして成功させる腹づもりだから、マクラーレン側は単なるマシン提供者に限定させたい。チーム運営や主導権を握られることを恐れていたはずである。ところが、マクラーレン側は利益を2倍にする戦略を考えていたから、話がまとまらない(スポンサーなどはすべてマクラーレンを通じて交渉していた)。マクラーレンを2つ設立すれば、利益は2倍になるという計算である。そこにリチャーズの活躍する余地はほとんどない。さらに、スパイ事件やアロンソ騒動でマクラーレン自体が揺れ始めている。自分のビジネスに赤信号が灯ったのである。
 プロドライブを一番悩ましているのは、「新コンコルド協定」にある。多くのチームはマクラーレンが4台登場したのではたまらない。そこでカスタマカーを使うチームにコンストラクターズ・ポイントを与えない条項を盛り込むことにした。こうなると、プロドライブが上位に進出しても、FOMの報奨金(総額500億円)を受け取れなくなる。(SuperAguriやトロロッソもこの条項を盛り込むことに強く反対している)。それゆえに、新コンコルド協定の締結は不可能な情勢になっている。あまりに対立が激しいので、来年度は現行の協定を延長させたいというのがFIAの意向であり、そうなるとカスタマカー自体が禁止になってしまう。そこで控訴裁判所でプロドライブの参入問題を審理することになっている。その判決が出るまで、プロドライブも動くことができない。
 プロドライブの08年度参戦の方法は3つ考えられる。(1)FOMの報奨金(総額500億円)を諦めて、新コンコルド協定に署名して成立させ、マクラーレンに頭を下げて参戦する。(2)工場を建設して開発部門を設立し、F1コンストラクターとして出発する。(来年の3月までにF1マシンを完成させる時間がない)。(3)マクラーレン以外のワークスと交渉して、何とか開幕までにマシンを手に入れる。(余りに時期が遅いので、倉庫に眠っている旧型車を借りて参戦するしかなく、スポンサーが納得しない)。プロドライブのF1参戦には難問が山積みにされていて絶望的ではある。とはいっても、何が起きるかわからないのがF1の世界なので・・・。






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Last updated  2007.10.11 14:38:16
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