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2009.08.01
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カテゴリ:国際経済
 ロシア経済は厳しい段階を迎えている。石油価格などが不安定になったことで、ロシアは莫大な外貨収入を失った。ルーブルの下落で資産価値が下がると、海外資本の逃避が起きた。国内資金の限られるロシアは海外投資が頼みなのに、資金が引き上げられて、株式市場も暴落している。これが一時的な現象なのか、ロシアの長期低迷につながるかは専門家も読めない。ロシア内部に不安定用度が多すぎるからになる。
 NATOとの対立激化で、ロシア軍事部門の強化も避けられない。独自の核戦力と大国ロシアの復活を願うプーチン首相の政策は民族主義的傾向を強めている。その典型が、モスクワのチェルキゾフスキー市場の閉鎖になる。モスクワ随一の卸市場であり、日用品を扱う10万人もの卸売り市場を閉鎖するという強硬手段は、中国などの関係国をあわてさせている。商品の多くは中国などからの格安輸入品であり、行商人によってモスクワに運ばれてくる。当然ながら、密輸品も横行している。さらに不法入国者が多数まぎれている。一攫千金の夢を果たすべく、アジア各地から商人が国境を越えてくる。商人の大部分は外国人であり、これを無法地帯をロシア当局が判断したことになる。
 取扱高が数千億円に膨れ上がったチェルキゾフスキー市場の実態は、闇に埋もれている。ソ連崩壊後の国有地に無断で建設された闇市場が拡大して、広大な卸売市場が形成されたからになる。管理するモスクワ市は実態を把握しておらず、市の関係者が賄賂をもらって密貿易の横行を黙認していたという。プーチン首相は市場の実態解明を強く求めていたが、膨大な利益を生み出す闇取引に手を出す官憲はなかった。そこで、不公正取引を立つためにロシア政府は市場閉鎖に踏み切ったのである。閉鎖当時、中国などから持ち込まれた商品が2000億円分も山積みされていたという。
 不況でロシア国民の不満は高まっている。目をそらせる生贄としては、これほどふさわしい物件はない。不法入国した外国人商人が密輸した格安商品を売りさばき、ロシアの零細工場を圧迫している。麻薬取引なども横行しているから、取締りの対象としては最適な存在だろう。不法滞在者は逮捕されたが、すべて外国人なので、ロシア国民はむしろ喝采するだろう。10万人もの商人が職場を失い、路頭に迷うと訴えても、ロシア当局の決意は動かず、徹底した取締りを始めるつもりらしい。露店の集合したチェルキゾフスキー市場をプーチン首相は本当に消滅させるつもりなのだろうか。





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Last updated  2009.08.01 12:15:34
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