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2010.01.14
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カテゴリ:国際経済
 スウェーデンの自動車メーカー「サーブ」は、政府の支援の見込みが消えたことで、清算寸前にある。親会社のGMにできることは、何とか買収先を見つけることにあるけれど、世界の自動車メーカーはサーブに冷たい。世界不況の拡大とサーブの低い生産性を嫌気して、買収に乗り出すメーカーがいない。このままでは、サーブは消滅させられてしまう。GM首脳はサーブが売れるものならば売り払いたいのに、買収に手を上げる人間は資金を持っていないという。
 消滅寸前のサーブに助け船を出したのが、バーニー・エクレストンとジェニイ・キャピタルという話に驚かされる。すでに、財務調査に入っているというが、どう計算してもサーブが黒字になる確率は低い。リスクが高いほど利益が大きいというのが投資の世界だから、サーブが再建できる可能性がゼロなわけではないけれど、黒字化が可能ならば、とっくにメーカーが乗り出しているはずである。
 サーブが自動車生産を続けていくには、多くの難問が山積している。乗用車の生産を再開するには、工場の従業員を集め、生産設備を稼働させる必要がある。部品企業に数万のパーツを発注して、工場に納品してもらわないと、生産ラインで車が完成しない。サーブの信用力が低下しているから、部品納入には現金取引を要求される。ここでも資金力が求められる。
 乗用車が生産できたとしても、サーブの販売網を再構築しないと車を売ることができない。点検や補修サービスも復活させないと、サーブを買う人が出てこない。自動車メーカーが一度破たんすると、それを再建するには、多大な困難をくぐりぬける必要がある。スウェーデン政府さえもさじを投げた中で、どうやって資金を確保するかが課題になってくる。
 買収に名乗りを上げている人間は、複数存在するという。しかし、ほとんどは転売目的のハイエナファンドなので、サーブを再建できる候補者は、事実上エクレストンしかいない。再建途中で資金が途絶えたら一巻の終わりだから、数百億円を湯水のようにつぎ込める資金力が求められる。工場設備などを清算してしまうと、それを復活させることは難しい。そこで、GM本社はエクレストンの資金力を期待しているわけだが、買収がうまくいくかは不透明のままになる。





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Last updated  2010.01.14 19:22:41
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