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2010.01.17
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カテゴリ:モータースポーツ
 国際レースを継続することは難しい。経済的に成功したレースは、F1程度だろう。多くの主催者団体は赤字に悩み、借金を重ねて倒産に追い込まれていく。A1グランプリが4年間継続したことを称えるべきかもしれない。オーストラリアの開幕戦を中止してから、どうやら主催者団体は逃亡しているらしい。世界中から集まる予定だったチームやドライバーは、途方に暮れている。
 ドバイの皇太子が、レースのワールドカップを設立するという構想段階でとどめておくべきだったろう。実際に国際レースが開始されると、大量にあった資金が煙のように消えていく。マシンの価格とドライバーの給与は安いとしても、世界各国に運搬する輸送費やサーキットの設営費などは、F1並みの料金を要求される。チケット代ははるかに安いから、採算を合わせるのは難しい。それでも、最盛期には150カ国でTV中継されていたというから、関係者は得意満面だったろう。
 A1グランプリ最大の失敗は、人気向上を狙って、フェラーリと契約したことに尽きる。マシン開発とエンジンの供給を一任したのである。フェラーリが関与することで、観客動員の増加と視聴率の向上を狙ったことは間違いない。しかし、フェラーリのマシンとエンジンを採用することは、もろ刃の剣になる。格安メーカーのマシンに比較すれば、多額の請求書を突きつけられるからになる。支払い能力があれば、フェラーリとの提携は大成功を意味するけれど、支払いが遅れると地獄が待っている。
 オーストラリアでの開幕前に、深刻なトラブルが発生した。フェラーリへの入金が遅れてしまったらしい。そこで、フェラーリはA1用エンジンの出荷を拒否した。サーキットにエンジンのないA1マシンが並ぶ可能性が増大した。マシンと機材は英国の倉庫に保管されていた。ところが、FIAはA1マシンの安全性に問題があるとして、マシンの使用禁止を打ち出した。関係者が倉庫に出向くと、並んでいたマシンはすでに運び去られていたという。中国とマレーシアのレースが中止されるのも、無理はないだろう。
 フェラーリは最新型のF1マシンをベースに、A1マシンを設計する手はずだった。しかし、機密情報の流出を恐れたフェラーリ側の判断で、ベースになったのは、04年度型F1マシンに格下げされてしまった。6年も前の技術では、クラッシュテストに合格できないのも当然だろう。つまり、フェラーリ設計のマシンとエンジンを使うレースという看板欲しさに主催者団体は道を誤ってしまった。2月末にレースが予定されているけれど、どういう展開になるかは、神のみぞ知る。





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Last updated  2010.01.18 12:10:58
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