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2010.02.09
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カテゴリ:国際経済
 独立と自由は、民族の運命を分ける要素になる。ウクライナは、帝政ロシア時代から、ロシアによる支配と屈辱の歴史を繰り返してきた。それゆえに、ロシアに対する敵愾心が強い。しかし、ソ連という枠の中で、共通する歴史をたどってきたロシアとウクライナを分離することは、大きな痛みが伴う。工業部門と農業部門に占めるウクライナの役割は、ソ連の中で大きかった。ウクライナを失うことは、ロシア圏の縮小につながってしまう。
 オレンジ革命が起きた時、西側はウクライナの独立を支持して、物心両面の支援を行った。NATO加盟などが話題になった。米国の影響力拡大が国境地帯に迫る危険を感じたロシア政府は、ウクライナの分離独立運動に対して、強い姿勢で対応するようになる。石油や天然ガスの資源を国際価格に切り替えるという威嚇を行う。ウクライナの石油産業は、ロシア産の安い石油を輸入して、ガソリンや重油を輸出している。原油価格が西欧と同じ水準になると競争力を失う。
 経済の自由化は、対外経済解放を意味する。ところが、ウクライナに西欧との競争に勝てる工業製品は少ない。自由貿易はウクライナに甘いものではなく、ソ連時代を引きずるウクライナの産業は自由化で衰退させられた。それなりに近代化を達成しておかないと、多くの富は外国資本の支配下に組み込まれる。独立と自由化を達成すれば、西欧並みの暮らしが待っていると信じていた人たちは、次第に絶望に追い込まれていく。
 ウクライナ大統領選挙で、親ロシア派のヤヌコビッチ候補が優勢になったのも無理はない。理想や希望が即座に実現すると語ることは危険であり、国民の失望を招く。アメリカの干渉も問題を複雑化させた。ロシアと切り離して、ウクライナを西欧側に引き寄せるというアイデアは誤りではないが、時期尚早だった。東欧諸国に比較しても、近代化が遅れているウクライナを西欧に引き寄せることは危険を招く。ギリシャやポルトガルでさえもユーロの足を引っ張るのに、ウクライナまで内部に抱え込んでは、EU経済が破滅に向かって進む。バルト三国などの厳しい状況を見れば、ウクライナの近代化を進めることが第一になる。西欧諸国が危険な時限爆弾を抱え込むことは、世界不況を深刻化させる危険が出てくる。





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Last updated  2010.02.12 17:41:38
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