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2010.06.08
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カテゴリ:国際経済
 ハンガリーの新政権がデフォルトを口にしたことで、全世界の株価が動揺している。小国の愚痴が世界の株式を動かす理由は、ユーロの弱体化を投資家が狙っているからになる。ハンガリーは加盟条件を満たしていないために、ユーロ同盟に加われない。それどころか、IMFから資金援助を受けた立場にある。ところが、ハンガリーの新政権は、大胆な経済改革を狙っている。前政権のように素直にEUのお説教を聞いていると、経済が弱体化することを悟っているからになる。
 新政権の公約は、大幅減税とユーロ建てローンの廃止にある。経済が苦境に立たされているのは、財政の削減と増税とユーロ加盟の重圧にあると考えているらしい。国際的批判を黙殺して、大幅減税を断行すれば、国家収入は激減する。赤字国債がGNP比3%の限度を超えてしまう。経済苦境を乗り切るには、大幅減税によって景気を拡大し、GNPそのものを増やすしかない。GNPが2%程度しか増えないのでは、すべての希望が消える。歳出削減は不況に輪をかける。減税して、歳出削減をしないと、あっという間にギリシャの二の舞になる。
 減税を公約しながら、EUに批判されたくらいで破棄すると、次の選挙で負ける。IMFの言うままになって、赤字削減だけに政策を集中すれば、不況に輪をかけてしまう。旧政権のやり方を批判した以上、別の政策を断行するしかない、それで、ユーロ加盟条件をクリアできなくても、国民は文句を言わないだろう。公約を破棄して、何もせずにいれば、確実に政権が転覆する。新政権の本音は見えている。ハンガリー動乱のように、EUの包囲網を破らねばならない。
 EUは全欧州を組織化することを目標にしてきた。西欧の先進国だけでなく、東欧諸国や旧ソ連構成国まで吸収するとなると、危険度は高くなる。EUが先進6カ国だけで構成されていたならば、通貨同盟は理想的な経済政策になっていた。南欧や東欧にまで手を広げると、EU基準に合わない国が出てくるのは仕方がない。危険を覚悟の上で、欧州を拡大することに熱意を注いできた。だが、国家が存在する以上、経済政策の規制には限界がある。政権が倒れると約束は御破算になる。
 ハンガリーの政権が減税の公約を破棄して、EUの方針に従うのか、それとも独自の路線を突き進むかは見えていない。国際世論に怒られて何もできなかった前政権の二の舞にならないためには、改革を突き進めるしかない。その先に舞っているのがユーロ加盟断念であっても、選挙で負けてしまえば何もならない。チャンスは今しかなく、ハンガリー政府は噴火口に飛び込もうとしている。何が起きるかは女神だけが知っている。





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Last updated  2010.06.09 18:56:53
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