矢継ぎ早のリリー
矢継ぎ早のリリー 著者:D・キッサン短篇集【矢継ぎ早のリリー】魂の遺言執行人たちが、とある死した母の遺言を執行するために娘の願いを叶えに来たという話。その娘は吸血鬼により生かされた代わりに願いは叶っており願うことが無い。ただし7日の命。吸血鬼は娘と共にいるが真意がよく分からないといった状況。皆が皆何を思うのか、何を願うのか。【鞠めづるヒトビト】唯一のギャグで蹴鞠の話。貴族と庶民の差とか、それに伴う陰謀だとかの話になるんだけども、最終的には蹴鞠バカの競演となるという愉快な話。【或ル婦人】風聞のよろしくない未亡人と、そこに金を借りに行く男の話。見聞きすることと本人の思いの違い。物悲しきものよ。【シスター・シスター】村の土地神と通じる真言者の話。村から逃げた理由。戻る意味。話自体はいいのだが、村の衆の醜さが気になってしまうのは私がヒネてるからだろう。全編通してなかなかの面白さ。