カテゴリ:life hack
本とか書籍とかマンガの「自炊」について相談を受けたので、ここらへんちょっと整理したいと思う。
基本的に本読みの人は紙で持っておきたい。だけど家の収納には限りがあって、これ以上持っておけないってところに来て、自炊を考えたり電子書籍にしたりって選択を迫られることになる。何を残して何を自炊するのか。 非/破壊スキャン→スクラップ→処分という流れ。 問題点は「収納」と「読み方」なんだと思う。 単純に量の問題だけで考えればぜんぶ電子書籍化でいいわけだけど、思い入れとかあるし。 あと、資料として読み返す場合など「ページのこのへん」とか「この厚みの部分」とかの文字以外の情報が大事だったりする。アイデア出しなどの場合、じつはそれって重要な部分だよね。 で、僕の場合は、家の容積の関係で、できるだけ処分する方向に改めた。古書マニアじゃないからできることだけど。 大事な本や好きな本は紙で持っておくけど、まだ買えるものや電子化されてるものは手放した。 売るとか図書館に寄付するとかひとにあげるとか。 文庫化されてるならそっちに買い換えた。 これからも読みたいものは出てくるし、ほかにもゲームとか模型とか映画とかあるし、一生かかっても読み切れない蔵書は、抱えてられない。 で、悩みどころは資料価値のことなんだけど。 僕は、本の中身よりも背表紙がズラッと並んだ状態を眺めるのが好きだ。それはひとりブレインストーミングにとって有効な儀式なので。 家に置いておける量なら、その中の欲しいフレーズなんかは記憶できる。逆に言うと、背表紙見て記憶から即座に呼び出せない程度では役に立たないわけだ。 問題は雑誌。雑誌は貯まるし嵩張るし資料性は高いしで、もっとも厄介な相手。 僕はやはり基本的には雑誌は処分なんだけど、欲しい部分はスキャン(またはiPhoneで撮る)して、Evernoteやtumblrに投げちゃう。PCにローカル保存もする。 それだけじゃ不安なんで、テキストを「写経」するようにする。 一度書き起こしすることで、いちおう自分で納得するわけです。記憶のチャンネルを増やすというか。だから、妻に内容を話したりもする。 このお話は「身体に入れた」と実感しておくわけです。 あとで実際に使えるかどうかはわからないけどね。 この「写経」が、「本のこのへん」とか「この厚みの部分」みたいなメタ情報の代わりになる。と思う。なればいいな。っていう。 本一冊まるまる自炊はしたことないけど、時間と手間とのバランスが取れるならやったほうがいいとは思う。 だけど、マルで自炊したい本はきっと持っておくと思うんだ。 なんとなく自炊したいっぽい本って、突き詰めて考えると、たぶん部分だけが大事だったりするんだ。 だから部分スキャンと「写経」でスクラップするか、そのまま持っておくか、どっちかになるはずなんだ。 そう思ったら、処分に関する悩みは減ったのね。 で、読まれ方問題なんだけど。 資料性についてはまあ、上に書いたようなことで。 量で困るのは、雑誌もそうだけど、マンガよね。 冊数出てるマンガをぜんぶ持っておけないじゃん、てのが昨今の売れ行き不振だったりするじゃん。 あるゲームデザイナーの方に聞いたんだけど、その人は『美味しんぼ』をぜんぶ自炊してタブレットに入れたんだって。 入浴中だろうが移動中だろうがどこででも全巻読めるようになったわけよ。 そしたら電子書籍なりの読み方ってのを見つけたらしいんだわ。 テーマを決めて全巻読み返す。あるキャラクターの視点中心にしたり、食材に絞って読んでみたり。 めちゃめちゃ再発見があるんだって。 これは電子書籍にしたことで、百を超える巻数ぜんぶを一気に読める状態だからできる、新しい読み方だよね。 だからたぶん、量の多いマンガは電子書籍のほうが圧倒的に便利で有利なんだけど、紙の本じゃないとできないことがあって。 それは「友達に貸す事」なのね。 友達に本を貸すってコミュニケーションじゃん。しかもかなり大事なヤツ。 貸し借りで二回会えるし、そのときに感想を話すのは楽しい。 自分では選ばなかったようなジャンルの、面白い本、音楽、ゲームに触れるチャンスじゃないですか。世界が広がるヤツじゃないですか。 だから、あーこれあいつに貸したい読ませたいって思うものは、紙の本で持っとくのがいいよね。なんとなく、今のところは。 絶版本は電子でどんどん復刻されるといいのに。Jコミみたいに。不良在庫にならず、地味にダラダラ稼いでくれるわけでしょ。それは著者にとっても版元にとってもすげーいいじゃん。絶版→電子化ってシステム化しちゃえばいいのに。 まとめると。 ●大切な本は持っておく。 ●友達に貸したいものは持っておく。 ●処分する場合は「まるごと自炊」「スキャン&写経スクラップ」のどちらか。 ●文庫化されてるものはそっちに買い換える。 ●背表紙見ただけで記憶を呼び出せないなら自分にとって重要ではなかったと考える。 ●絶版本は電子で復刻キボンヌ。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
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