カリー探偵団13/197~206
では、また五島軒シリーズから。 表には【創業以来百三十年余、歴代料理長伝承のこだわりカレーは霜降牛肉、 野菜たっぷり通の味】とあり、裏には【このカレーは、歴代の料理長が数量限定のため、ごく限られたお客様にのみ ふるまい、”幻のカレー”とも言われた特別カレーを現代風に再現したものです。 ステーキ用の鞍下肉とバラ肉の間にごく僅かしかない柔らかなスジ入り霜降り牛肉と、 厳選した野菜を使用した弊社の隠れたカレーの逸品です。】と、大変期待を持たせる紹介文が書かれている。ま、フツーのカレーだったらここまでぶち上げられると逆にコワくもなるけど、そこはさすがの名店。期待を裏切らない美味しさでありました。・・・ただ、牛肉を前面に打ち出しているのでしぜん肉が満載のカレーかと思いきや、前回の「究極のまろやかカレー」ばりに野菜が多いのがちょっと意外。「野菜たっぷり」とは確かに書いてあるけどね。でも、ルーにはしっかり肉の旨みが溶け込んでいる。もしこれで、大きめ野菜がゴロゴロ入っていなかったら、前回の「明治のカレー」みたいに肉々しさがちょっち鼻についたかも。だから、肉と野菜のバランスのいいカレーだと言えるかもしれない。486えん。お次はこちら↓。 【牛肉とシャンピニオンを贅沢に使い、厳選したスパイスと本格スープで じっくり煮こんだ欧風カレーです。】五島軒は函館にあるお店なので、海を越える分送料が高い。だから、すべての種類をまとめて買っておけばよかったんだけど、沢山の種類があるので、ちょっと平凡そうなものはいくつか買わずにおいた。が、ふとしたことで2箱までならネコポス便で送料が安く済むことを知ったので、五島軒にハズレなしと確信したわたくしは後から2箱追加して買った。そのうちのひとつがコレ。シャンピニオンてなんだ?と思ったら、マッシュルームのことなんだってね。確かに、大きいマッシュルームがごろごろ入っていた。でもこのカレーの特色は、マッシュルームというよりはそのスパイシーさにある。「えっ、これ中辛だよな!?」と思わず箱を見返してしまったほど、スパイシーさが際立っていた。もちろん、美味しいんだけどね。432えん。それにしても、世間ではよく似た平凡な美味しさのレトルトカレーが多いというのに、ひとつの店でこれだけ色んな美味しさのカレーを出すのは実にすごいことだと思う。スーパーに並ぶものよりは平均してお値段は高めだけど、美味しくて満足感もあるし、コスパは素晴らしい・・・と、これは前回も書いたな。まあ、好みは人それぞれだけど、レトルトでこれだけの味のラインナップを誇る五島軒さんのカレーはわたくしが自信を持っておススメできます。次はこちら↓。 これは、かなり楽しみにしていたカレーだった。売りだしているのは五島軒だけど、【函商生の「熱意」を、五島軒が「形」にした 函館の歴史を支える二者の産学連携商品。】というもの。「函商生」とは「北海道函館商業高等学校」の生徒さんを指し、【函商(はこしょう)は、今年創立130年を迎える北海道内で一番古い歴史を もつ公立高校です。 流通ビジネス科3年生が課題研究の授業「HAKOSHOP」(はこしょっぷ)で、 商品開発や地域イベントでの販売実習、観光に関する学習などを行っています。 本商品の開発を行う過程で、これまでの知識中心の学習をもとに、本物の仕事を 体験できたことで、実学につなげることができました。 全国の函生同窓生をはじめ、多くのお客さまにお楽しみいただきますことを お祈りしております。】 (パッケージ裏面の紹介文より)なんだそうな。へ~、じゃあ、はこしょっぷにも注文できるのか?と思って函商のホームページを見てみたら、五島軒とのコラボ商品は原則五島軒へ注文するものらしい。ただ、他にもどらやきとかカレーデニッシュとか各種開発商品があるらしく、FAXで直接函商に注文することもできるみたいだけど。でこれね、カレー弁当として持っていったんです。弁当にすると漫然と食べちゃうから、五島軒のカレーは基本家でじっくり味わいながら食べたいところではあったんだけど、手持ちの中でこれが一番ナンに合いそうだったので。しかし、これがアカンかった。この時持っていったナンはコープで買った冷凍モノで、解凍してそのまま食べることもできたんだけど、やっぱり温めた方がウマかろうと職場でチンしてみたところ、予想以上に美味しいナンでね。別にこのカレーに不満があった訳じゃないんだけど、まあ要するにナンの美味しさに負けちゃったんですわ。「11」で、柏で本場のカレー&ナンが食べられるお店を2つ紹介しましたが、本場のカレーはもっちりほかほかのマジ美味いナンに負けてなかった。普段、コメでカレーを食べるわたくしが「やっぱカレーに合うのはナンだな」と思ったぐらいだから。それだけ、あちらのカレーは「濃い」ってことなんでしょうけどね。それに対して、函商のは「日本人が日本人向けに作ったカレー」なんだと思う。たぶん、このカレーもいつものように家でコメで食べてれば充分美味しいって感想が得られたんじゃないかと思います。函商生さんには悪いことをしました540えん。失敗したのは、こちらも同じ↓。 これも弁当に持っていったもので、ナンには負けてなかったけどつい漫然と食べてしまってあんまり記憶に残ってない。ただこれ、結構スパイシーでね。食べてるうち暑くなってきて、休憩が終わってもしばらくうちわであおぎながら仕事してたので、暑い時期に弁当にするのはイマイチだなと思った次第。さて、次の五島軒シリーズに行く前にこちらを紹介↓。 新宿中村屋からも結構色んなシリーズが出てる。同じ関東圏ゆえ、あちこちのスーパーに1つは必ず置いてあるといっても過言ではないぐらいのおなじみさんですが、過去いくつか食べた中で正直それほど美味しいと思った記憶はない。が、「特選」とデカく書いてあるし、お値段も598えんと立派な高額商品なので、まあこれは期待できるんじゃないかとカゴに入れ。【牛肉を天火で香ばしくグリルし美味しさを閉じこめました。じっくり炒めた 淡路産玉ねぎの甘みと、果実やデミグラスソースのコク深い味わいに オリジナルブレンドのスパイスが豊かに香る「特選ビーフカリー」です。】 (箱表の紹介文より)写真を見るに、具も結構入ってそうだしな・・・で、期待にない胸をふくらませて朝カレーしてみたのですが・・・・・最初は、まずまず美味しいと思った。具は思ったほど入ってなかったけど、ルーが玉ねぎたっぷりで「玉ねぎカレー」を前面に出してるカレーでさえ、これだけの玉ねぎ感はないと思った。が、食べてるうち段々苦しくなってきた。何が苦しいって、味に深みがないんですよ。だから、食べれば食べるほど美味しくなくなってくるの。比較しちゃ悪いとは思うけど、五島軒のルーはどれもしっかりと旨みが出ていて「じっくり味わう」という言葉がぴったりくる食べ方になる。いやあ、ホント、美味しいカレーを作るのって大変なんだな~としみじみ思った次第でございますよ。それで、口直しに翌日食べたのがこちら↓。 これは柏のスーパーでも見かけることがある。だからとっくにこれで五島軒デビューは果たしていたと思いこんでたんだけど、過去の記事を見るとどうもまだだったみたいだから、取り寄せてみた。割と何度もスーパーで見かけた記憶があるから、たぶんノーマルなカレーなんだろうと思っていたら、ホントにその通りだった。【北海道産の豚肉と国産の野菜(玉葱、じゃがいも、人参)を本格的ソースで じっくり煮込んだ手作り風カレーです。】 (箱表の紹介文より)ということでポークカレーなんですが、ノーマルとは言っても前日の「特選」よりはずっとずっと旨みがしっかりしている。ほっと一息つける美味しさでございました。五島軒シリーズは以上で、今度は御当地モノ。 道産肉シリーズは過去にウシ・ブタ・トリの3つを紹介しましたが、今度はウシのブラックカレー。【北海道産の牛肉、玉ねぎ、じゃがいもを使用した黒いビーフカレーです。 北海道の大地をイメージした黒いカレーを見て、食べてお楽しみください。】 (箱裏の紹介文より)道産鶏のが予想以上に美味しかったので、このシリーズは比較的好印象なんだけど、まず大きい具材がいくつかごろっと入っていた。ビーフカレーなのでそれはすべて肉のかたまりだろうと思ったものの、そういう浅はかな先入観は見事に裏切られ、大きな具材のほとんどはおじゃがだった。おいしくなかった訳じゃないんだけど、具材として入っていたお肉はほんのちょっぴりでちょいと肩すかしっつーか・・・もっと肩すかしだったのがこれ↓。 日本橋の洋食屋「たいめいけん」のシリーズも過去に2つ載せてますが、こちらはそのデラックス版らしい。しかも、金のウシにはデカデカと「肉」と書かれているので、ここから想像するのは肉自慢のプレミアムカレー。前に食べた2つは特に美味しかったという記憶もないけど、これだけ高級感を打ち出しているならさぞ自信もあるのだろうとコープで買ってみたひと品。【カレー粉をベースにジンジャー、カルダモン、唐辛子等を独自にブレンドして スパイシーに仕上げました。】(箱裏の紹介文より)というデラックスカレーは、中辛と箱に書いてあるもののかなりスパイシー。・・・それだけのカレー。肉を前面に打ち出している割には、中ぐらいの肉が2つばかり入っているだけ。そして、食べるごとに気になってくるのが、味の奥行きのなさ。そうですね、味噌汁に例えれば、お湯に味噌を溶いて具材を入れただけみたいな味。いくらだし入りの味噌でも、ホントの味噌だけじゃおいしい味噌汁って作れないでしょ。ちゃんとダシを取らなきゃ。そーゆーカンジ。グルメな舌を持ち合わせていないわたくしは、200種類のカレーを紹介してきた中でもはっきりと「美味しくない」とこきおろした記憶はあまりない。が、旨みのなさでは先に紹介した新宿中村屋の「特選」カレーといい勝負。値段が高いだけに、裏切られた感も倍増する。・・・まさかこれって、五島軒シリーズをいくつも食べたことによってちょっとグルメな舌になってしまったんじゃなかろうなもしそうだとしたら、もうこれ以上の探索はできなくなるなという考えが頭をよぎったのですが、しかし五島軒以外でも美味しいと思えたカレーはある。だから、今回はちと「ハズレ」が続いただけだろうと自分に言い聞かせ・・・で、その美味しいと思えたカレーがこちら↓。 これもコープで売りだしていたもの。神戸三田屋さんのは常温の箱入りビーフカレーが結構あちこちのお店に置いてあるし、このカレーもだいぶ以前に食べたことあるような気がするんだけど、過去の記事では紹介していないようなので、今回買ってみました。これは冷凍で売ってるもので、湯せんしようと冷凍庫から取り出したら、ずっしりしている。それもそのはず、通常のレトルトカレーって190g~210gあたりなんだけど、これは250gと書いてあるのだ。朝カレーだし、ちょっと一度では食べきれんかもな・・・と思って、あらかじめ少し取り分けておいた。さて、肝心のお味ですが、ごろごろといくつもあった具材は立派なお肉。しかもこの肉、かなり美味い。てことで、「美味しいカレー」というよりは「お肉が美味しいカレー」。ボリューミーではあるけれど、お肉の美味しさにつられてよけておいた分まで一気に完食しました。最後はこちら↓。 たぶんこれはまだ食べたことないと思うけど、食べたことあっても別にどうでもよかった。このところのマイブームは、冷凍パイシートを使って作る簡単パイ料理でね。フツーに買うとパイシートって結構高いんだけど、わたくしの御用達の東武ストアでは頻繁に冷凍食品半額セールをやってるので安く手に入れられるのだ。それで、いろんなものをパイに入れては弁当に持っていったりしてるんだけど、ふと「カレーパイ」を作ってみたくなった。でも、フツーのレトルトカレーだと汁っ気が多いので向かないだろうな・・・ちょうどゴーゴーカレーを食べたあとだったので、あれくらいねっとりしてればイケるかもしれん・・・と買いに行ったところこれを見つけて、ドライキーマなら大丈夫かもな、と思ってこっちにしてみた。パイにルーを載せてみたらやっぱり水分が少ない分扱いやすかったので期待が持てたけど、ちょっと生地のつなぎ目の押さえが足りなかったようで、焼いてるうちに「切腹もなか」よろしく中身が少し流れ出てしまったでもまあ、残留したルーだけでも結構美味しくできました。今度はぎっちり押さえて「切腹カレーパイ」にならないようにしよう・・・にほんブログ村