韓国「公的マスク」あれこれ
新型コロナウイルス感染症の世界的規模の拡大で、深刻になっているひとつがマスク。ここ韓国でも2月初め、新型コロナ患者の発生で一気に買い占め状態になり、品薄となった使い捨てマスクですが、マスクの安定供給を図るため、韓国政府が韓国国内生産のマスクの多くを吸い上げる形で、2月末ごろから事実上の配給制に近い、公的マスクの販売に踏み切りました。当初は薬局や郵便局、農協系のスーパーハナロマートなど公的販売所で、一人2枚とか5枚とか限定にはなっているものの、並べば買える形にしていたのですが、供給量が少なく、並んでも買えない人が続出するなどしてしばらくしてこの方式をやめ、3月9日から生まれた年を基準に指定日にしか買えないマスク5部制となりました。一口に公的マスクといってもさまざま。需要急増で新規参入の会社も製造・・こちらは大量生産した公的マスクを簡単なシール式のビニールに詰めて売られている公的マスク。当初は人手が足りず複数枚入っているパッケージを薬局で小分けして販売したりしていたのですが、それでは不衛生と、軍人さんまで投入してこのような公的マスクパッケージに詰め替え販売したことも。現在でもたまにこのパッケージのものを渡されることがあるのですが、製造元も書いていないし、すぐに手で開けられるパッケージなのでこれにたまに当たるとちょっとハズレ感が。。。マスク5部制とは、平日の5日間にそれぞれマスクを買える日を指定、月曜日は生まれた西暦の下一桁が1と6(1981年生まれなら月曜日)、火曜日は2と7、水曜日は3と8、木曜日は4と9、金曜日は5と0という風にマスクを買える日を割り振って公平に変えるようにしたマスク購入制度です。公的マスクのパッケージに書かれているマスク5部制の一覧。土・日は平日買えなかったすべての人が購入可能です!公的マスクと言っていますが、正式にはパッケージの通り「公的供給マスク」!この制度、実はとある薬剤師さんの発案で、健康保険審査評価院が運営する医薬品安全使用システム(DUR)のネットワークを使って、処方した薬を記録を入力する代わりにマスク購入の記録を入れたら、1週間で買える枚数や重複購入のチェックができるのではということで、導入がきまりました。このシステムが始まるまでは、農協やらさまざまなところに並んで早いもの勝ちで販売していたのですが、それでは公平性に欠けるし、本当に手に入れたい人に回らない、ということで、薬局のシステムを利用して配給制のような形でマスクを販売するに至ったのでした。公的マスク販売前の2月15日の大手スーパー・Homeplus原州店のマスク販売棚。旧正月明けで品薄になって、このころになって少し市場にマスクが出てきたのですが、その後一時期スーパーではあまり見かけることがなくなりました。これが韓国でできるのも、韓国国民にはいわゆる総背番号制に当たる住民登録証が全国民に発給(もともとは南北分断という背景から北のスパイなど怪しい人間を排除するために作られたシステムですが。。。)、在韓外国人には外国人登録証があることから、購入した人の管理もしやすいことが、すぐに導入できた理由です。で、当初は1週間2枚まで、小さなお子さんやお年寄り、体の不自由な方以外は本人が行かないと買えない、という制限があり、おまけに1枚1500ウォン(約130円ほど)とちょいと高め。それでも2月末から公的マスクの制度が始まった当初は、マスク自体が市場からほとんどなくなってしまったため、最初の2、3週間ぐらいは薬局や農協のスーパーに長蛇の列で、並んでも入荷するマスクが少なく、買いそびれることも多々ありました。わたくしめも最初にマスク5部制に移行した後、買いに行ったとき、3軒目でようやく2枚購入できたというありさま。ただ3月末ごろになってくると、いままでマスクを作っていなかったところでも生産するなど韓国のいろんなところでフル生産体制となり、徐々に薬局にもかなりの公的マスクが入荷するようになりました。4月に入ると、ここ江原道原州では、平日の指定日であれば、夜に薬局に行っても十分買える状態になってきました。おまけに3月半ばごろからディスカウントスーパーなどでも不定期ながらマスクが出回るようになり、徐々にマスクが市場に出てくるようになりました。そんなこともあり、高めの公的マスクを毎週買いにいかず、安いマスクを買う人も増えてきました。こちらはEmartなどで有名な新世界グループのPBブランドを扱うディスカウントスーパーNO BRANDのKF80マスク。公的マスクよりは薄いものの7枚入りで4,580ウォン!ただ最近、No Brandに行っても見かけない。。。泣こちらもNo BRANDで売っていた公的マスクと同じ仕様のKF94マスクが5枚入ったもの。値段は4,580ウォンで、1枚当たり900ウォンちょっと。公的マスク1,500ウォンと比べるとかなり格安。しかし3月末に1回購入したのち、近くのNo Brandでこの商品は見かけなくなりました。4月終わりごろになると、質は落ちるものの輸入ものの使い捨てマスクが市場にある程度で回り、そのあおりで薬局に入荷した大量の公的マスクがさばききれず、結構在庫を抱えるところも出てきました。わたくしめの近所の薬局では、公的マスクのルールに違反?!してでも売りさばくところがかなり出てきて、その当日対象でない家族の分も一気に代理購入OK、とするところも出てくるほど(いいのか、こんなことで。。。苦笑)。現在では1週間に1人3枚まで購入できるようになったのですが、値段が1枚1500ウォンで、3枚買っても4500ウォン、およそ400円越えと高いことから、公的マスクの買い控え現象も起きており、その代わり、安価で販売されている中国製の50枚入りの使い捨てマスクの需要が高まっているとか。値段もさることながら小学生など小さなお子さんの場合は、公的マスクでは息苦しい(公的マスクとして販売されているマスクは比較的遮断率が高いKF94という規格)のでかわいそう、という親御さんが多く、むしろ中国製の簡単な使い捨てマスクを買う傾向に今あるんだとかで、中国製マスクが品薄、とテレビニュースでやっていました。ただこの海を越えてやってきたマスクなんですが、ひもがすぐ切れたりと、不良品が多く、大手スーパーのネット販売の商品の感想の書き込みをみると、ひもが切れる、臭いがするなどなど、散々なコメントのオンパレードだったりします。わたしめのうちでも、前述のNO BRANDで売っていた10枚入りの中国製使い捨てマスク「超防御」(名前がすごすぎ。。。5000ウォン弱でしたが)を試しに買ってみたものの、ひもの付け根が破れ、穴あきになったりと散々な結果に。。。これが「超防御」マスク。化学薬品の臭いもして我が家では1枚使ったきりでお蔵入り。。。新規陽性患者の発生がつい最近まで1日一桁台で、ほぼ海外からの帰国者のみに近かった状況で、5月6日から「社会的距離置き」から「生活防疫」へ移行したのですが、その途端にソウル梨泰院のナイトクラブでクラスターが発生、すでに今日現在で二次感染も含め100人を超える方が陽性となってしまいました。段階的に登校が決まっていた学校も、さらに1週間登校延期になるなど、韓国は第2波に備えなければならない状況になりつつあります。マスクも消毒用アルコールも供給が少し落ち着いてきた韓国ですが、またマスク不足の世界にもどってしまわないかちょっと心配です。まだまだコロナウイルス感染症は長期戦。身近なところから気を付けていくしかありませんかねえ。毎度ご訪問ありがとうございます。よろしければ下をポチッとお願いします!▼まだまだコロナウイルス感染症との戦いは長期戦。まずは身近なところで一人一人が気をつけていくしかありませんね。