【読書】格闘技「奥義」の科学
格闘技「奥義」の科学 わざの真髄 (ブルーバックス) [ 吉福康郎 ]1995年8月20日第1刷発行第1章 突きと蹴りの奥義第2章 投げの奥義第3章 あたりの奥義第4章 押しと突っ張りの奥義第5章 デモンストレーションの奥義第6章 受けの奥義第7章 組み手の奥義最終章 最強格闘技は存在するか?筆者は物理学を応用してスポーツの身体運動を研究する物理系の工学者格闘技を技術的な面から語る本にしては珍しく相撲についての言及が多い。p.72-75 相撲の投げについてモーメントなどから述べている第4章はまるごと相撲の押し・突っ張りの説明に割かれているp.189-194 組み手の章で相撲における前みつを取って拝んで寄る形について説明などp.172-173受けの奥義の章で「体重を自在に増減する方法」というのでぶつかり稽古の受け方について書いてあったこれが今までの私の受け方とだいぶ異なっていたので稽古で試してみたところ、ぶつかる学生曰く「いつもより20キロぐらい重く感じる」とのことで確かに効果はあるようだ。ただ実戦では使いどころが難しい技術かもしれない。それと、自分の体にかかる衝撃もその分大きくなるようで腰・膝の痛みは、これまで同じ学生たち相手のぶつかり稽古の受けよりもはるかにひどく、大きく感じるようになってしまった。普段の稽古で何の考えもなくやってることについて理屈を知ることでより上手くなるのではなかろうか。相撲をやってる人も一度手に取って読んでほしい…とは思うものの、力学の知識が無いと読んでも意味不明かもしれない最終章での作者はチャンピオンはルールの数だけ存在するという立場に立っているがルール次第では、体重と筋肉量から力士が有力候補だろうと述べている。なお、K-1ルールで曙がボブサップに敗れるのはこの本の出版された8年後である。ついでになるが「白髪三千丈」「冷汗三斗」という言葉をこの本を読むまで知らなかった。