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2009.02.15
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『格差をなくせば子どもの学力は伸びる -驚きのフィンランド教育-』の紹介を続けます。

 フィンランドでは学力観の転換が、社会民主主義を土台にし、規制緩和・分権化という新自由主義の動きを受けて、1990年代前半に徹底することになる。教える教育から学ぶ教育へと教育観も転換された。時を同じくして、教科書検定も廃止され、視学官制度など監視・査察制度も廃止された。

 ほぼ全ての権限を現場に降ろし、国はガイドラインを示すものの、条件整備と情報提供に徹することになった。そうすると、管理や監視の無駄な人員もなくなり、少人数学級が実現する。しかも、知識は国家管理から解放され、それぞれの学習主体が構成していくものとなった。(10頁)

 関連して、フィンランドがPISAで高得点を挙げている理由について説明している「フィンランド国家教育委員会」の公式見解をいくつかあげてみましょう。

・すべての教育を無償にしていること
・総合制で選別をしない基礎教育
・全体は中央で調整されるが実行は地域でなされるというように、教育行政が支援の立場に立ち、柔軟であること
生徒の学習と福祉に対し、個人にあった支援をすること
テストと序列づけをなくし、発達の視点に立った生徒評価をすること
高い専門性を持ち、自分の考えで行動する教師(47頁)

 以上のような教育行政機関の基本的な姿勢が、最終的に子どもたちの学習意欲にも通じているようです。44頁には「PISAの重要な成果の一つは、生徒個人の成功にとって自らのやる気と動機が極めて重要であるということ(を明らかにした点)です」という記述があります。

 ここでも、子どもたちが「学ぶことの楽しさや興味関心」をふくらませて「やる気と動機」を強化していくことの重要性が指摘されていますが、そのためには教員自身がじっくりと楽しみながら「楽しく充実した学び(授業)を構想し、組み立てていく」ことが大切でしょう。

 そのためには、国家による管理を小さくして「できる限り権限を現場に降ろす」ことが大切だ、ということをフィンランドの体制から学ぶべきではないでしょうか。例えば、ペルス中学校においては「現場の判断でじっくり待つ授業」を展開している様子が見て取れますが、そこでの会話を引用しておきます。

問「いろいろな子どもをいっしょに教える時に注意することは」
答「待っていると、普通は、どの生徒もなかなかよい答えを作り出すものよ。反応の遅い子はできないというわけではない。だから、授業中は、生徒に勝手にしゃべらせないで、手を挙げさせます。挙げない子がいると、考えているわけだからしばらく待つわけです。」
(・・・)
問「待つ授業というのは、大学の教育学部で教えられるのでしょうか」
答「そうです。早い子、先に答えられる子に気をとられないようにと大学の先生に言われたわ。でも、私が小さかった頃の学校の先生もそうだったしねぇ」

問「日本の学校では、フィンランドよりもテンポよく授業が進み、あまり待っていないのだけど」
答「できる子だけにあてていると、授業は早く進むかもしれないけれど、できない子がやる気をなくすでしょ。えっ、日本では一クラス40人! 20人なら待てるけど40人なら待てないかもね」

問「待っていたために、授業が計画通りに終わらない時とか、うまくできない時にはストレスはないのでしょうか」
答「全然ないわよ。だってこどもの状態だって違うし、授業が計画通り行くわけないに決まっているじゃない(・・・)」
 なんとバカなことを聞いてしまったことか。日本との差は大きいぞ。 (178頁)

 『格差をなくせば子どもの学力は伸びる』ではフィンランドの授業実践が数多く紹介されていますが、そこには共通点があります。はためには「なんとものんびりした授業」が行われている、という点です。言い換えれば、一つひとつの授業が早急に答を求めるのではなく、子どもたちの「思考過程」を大切にしているということです

 そして、そのような「思考過程」を大切にしつつ「待つ授業」を可能にしている重要な条件が「ほぼすべての権限を現場に降ろす」という意味における教育の分権化(民主化)だったと考えられるのです。

4に続く

 教育問題に関する特集も含めてHPしょうのページ​に
(yahoo geocitiesの終了に伴ってHPのアドレスを変更しています。)


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