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教育実践の「挫折」と「のりこえ」
[ 集団づくり(高生研) ]    

 私のブログの読者(他県の高校生)からメールで次のような質問をいただきました。

教師という仕事に取り組んできた中で抱えた問題と、それをどのように克服・工夫して乗り越えられましたか?

 このたびは、その回答を記事として公開いたします。前回記事「特別活動の実践1」の続編を後回しにすることになりますが、関連するところも大いにありそうです。

 さて、私を含めて教職員が必ずと言っていいほど直面する問題、克服すべき問題の大きなものは、「自分自身の指導力不足」だと思います。

 現実の子どもたちは、それぞれに成長課題をもち、学校において学び成長していく権利があるわけですが、それに応えられるような「“指導力”が自分には不足している」、「そのことにどうしようもない無力感を感じる」といったことは、ほとんどの教職員が体験するのではないでしょうか。

 実は、民間企業を10年間ほど経験して教職についた同僚から「民間では職階制のもとで部下への指示はともかく聞いてもらえるが、教職についてみて一体どうすれば子どもたちが言うことを聞いてくれるのかわからない」、という相談を受けたことがあります。 

 仮に民間経験者でさえそうだとすれば、大学を卒業してすぐに教職についた大部分の教職員がそのような「無力感」を体験するのは、むしろ当然と言えるのではないでしょうか。私自身も一年目講師として勤務した高校で授業さえもなかなか成立せず(確かに学校全体で難しい状況が多かったのですが)、相当に悩みました。

 また、採用されてから早い段階で高生研などが実践・推進している「集団づくり」を学んで挑戦したのはいいのですが、実際の指導に柔軟性が欠けていたため大失敗クラスがバラバラになり「自分は教員に向いていない」、「教職員を辞めようか」、と思い悩むこともありました。

 その時、高生研の先輩に勧められたのが『教育詩』(マカレンコ)でしたが、学ぶところは大でした。『教育詩』は犯罪経験を持つ青少年の集まる「コローニャ」という施設での「実践記録」です。

  ここで青少年たちは農作業、演劇などを含むさまざまな「部隊ごとの活動」や、施設内での問題について「指揮官会議(ソビエト)」やその上位の決定機関である「総会」で徹底論議しながら実践・解決していきます

 そして、青少年は論議する力やパフォーマンスを高めるとともに総会での民主的な決定事項を実践する力を身につけ最終的に「コローニャ」は本当に素晴らしい教育力を持った集団に成長していくのです

 マカレンコがある段階で取り入れた「軍隊遊び」と「部隊の活動」、「指揮官会議」などの教育的な装置が、実践の中で「民主的な集団の形成」へと発展していったのです。

 そのなかで私が強く印象を受けたのは、そのような素晴らしい教育実践家であるマカレンコにも「いったいどうすれば教育が成立するのかわからず、苦しみ悩む期間が長く続いた」ということです。そしてマカレンコはその苦しみを突破する意志を失うことなく、「方法」を模索し続けついに乗り越えていったことでした。

 私は、この『教育詩』の実践と「私の実践」を自分なりに徹底分析しマカレンコの実践における優れた点や学べる点を書き出しました。そして、 『教育史』以外の多くの実践記録(単行本や「高生研」の機関誌)を読み、その優れた点を書き出していきました

 そのようにして「教育」や「指導」の展望が見えてくると、実践に向けてのエネルギーも高まっていきます。翌年担任したクラスでは「特別活動」に力を入れながら「クラスづくり」「集団づくり」をすすめ前年度に大失敗したクラスの生徒(クラス替え後、再び私が担任した生徒)も、 「生まれて17年間の中でこの一年間が一番よかった」というまでになりました。

 もちろん、このクラスでの実践にも不充分なところは多々あったのですが、私個人について言えば「挫折を何とか乗越えた」一年になったのです。

  いろいろな本を読んだことはもちろんですが、自らの指導の問題点と実践の展望を見出せた大きな要因として、私がすでに高生研に所属し、自分の実践報告も含めて、教育実践を分析する活動に関わっていたことが大きいと思います


 そして、悩んでいる時期に参加した日教組の教育研究全国集会同様に大きな力になりました。このような教育研究活動は、「教職員にとって決定的な意味を持つ」と考えています。

 さて、8月上旬には民間教育研究団体である全生研や高生研の全国大会があります。高生研は8月1日〜3日 大阪

 自らの「指導力」に悩んでいる方、教育実践の力をより高めて行きたいと考える方、直前の申し込みでも大丈夫のようです。部分参加ももちろんOK。ぜひ、参加してみませんか。

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(教育問題に関する特集も含めてHP“しょう”のページにまとめています)




Last updated  2009.07.26 10:42:39
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就職前に甘くない現場を知る意義   kurazohさん


Re:就職前に甘くない現場を知る意義(07/26)   shchan_3さん

kurazohさん

>採用前に,学校現場でもっと自分の力を試せる機会を保障すべきとして,大学院等における「2回目の教育実習」の研究をしているところもあります。
>実践者レベルでなく,養成段階での力量形成も求められていくようになるでしょう。

 教育実習等の充実は大切なことでしょう。私も「教育学部」だったので実習指導のプロのような教職員に5週間みっちり鍛えられました。苦しかったが大変有益だったと今でも思います。

>「採用されてみないとわからない」というのはまずい=向いていないのに解雇できないし自ら辞めるわけにもいかないとなるので・・・

 民間教育研究活動に関わっていると、素晴らしい実践家が「若い頃に手痛い挫折を体験し自分は教員に向いていないと思った」と言う話や、「向いていないから辞めようと思った」教職員が大きく成長し、実践力を高めていった数多くの事例に接することができます。

 「自分は向いていない」といって苦しむ人の「弱さ」を自分の弱さと重ねつつ「互いのエネルギーを高めあっていくような関係をどう創るか」ということが、今年の高生研全国大会の中心テーマであります。

 上記ブログ記事は私なりの「教育失敗学から教育創造学へ」の一提言ということにもなりますので、TBさせていただきますね。あなたのブログの読者にも読んでいただければ幸いです。(2009.07.26 16:10:33)

TBありがとうございます   kurazohさん


Re:TBありがとうございます(07/26)   shchan_3さん


Re:教育実践の「挫折」と「のりこえ」(07/26)   いちろうさん


Re[1]:教育実践の「挫折」と「のりこえ」(07/26)   shchan_3さん


もって生まれた人   いちろうさん


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