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2010.02.13
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さて、 『国家と文明』 内容5 の最後で私は次のように述べました。

 竹内芳郎は
「人類史において周辺革命の傾向的な法則」が働いていることを認め、マルクス主義の「生産力-生産関係矛盾論」を批判的に再構成します。

 これは
「ロシアや中国の革命」のみならず「欧米資本主義国の辺境であった北欧」において高度福祉社会が成立し、資本主義の矛盾(人間と生産との主客転倒、貧困と格差等)をかなりの程度克服しつつある現状についても理解可能にしていく、と私は考えるのです。

 この理論について(考察を)補足しておきたいと思います。
 繰り返しになりますが、人類史において​​「周辺革命の傾向的法則性」
(例えば、「成熟した資本主義社会」よりも、その影響を受けた周辺の地域で「新しい社会」が形成されていくという傾向)が働いていると見れば、北欧における「資本主義の矛盾を克服する社会づくり」についても理解しやすい、と私は考えています。

 
ただし、今から35年前に書かれた『国家と文明』の中で、「北欧の社会づくり」は正面から取りあげられてはいません。つまり、竹内芳郎自身は「北欧社会」を「周辺革命」の事例と見なしてはいなかったのです。(20世紀の例として挙げられていたのは、ロシア、中国、キューバ・・・等でした。)

 そうすると、私が考えるように「北欧社会の建設」を「周辺革命の傾向的法則性」にあてはめて理解することが果たして妥当なのか(あれが周辺革命か)といった問題が出てくるでしょう。

〔私自身は、一定の妥当性があると考えています。〕
 
 そもそも「革命」とは何でしょうか? 
狭義の革命は「多くの民衆が立ち上がって、短期間で社会を変革していくこと」です。北欧の場合、この意味での「革命」には妥当しないわけですが、『国家と文明』で示された「周辺革命の傾向的法則性」をよく検討すると、それは「民衆の蜂起をともなう狭義の革命」ではなく「一つの社会から別の新しい社会への移行」といった意味で理解するのが適切なようです。

 スウェーデンにおいて社会民主労働党の単独政権が成立したのは1920年ですが、地域的には
「資本主義の成熟した西欧」の周辺にあった「充分成熟していない資本主義国」といえるでしょう。そして、資本主義の矛盾がよく見えると同時に「国づくり」の過程でソ連という「社会主義国家」の矛盾もよく見える、という位置的な条件にも恵まれていました。

 スウェーデン社会民主労働党政権は
「ソ連の矛盾」や「国内における社会主義に対する恐怖感」も踏まえつつ、「社会主義の理想の実現」を現実的な仕方で目指していきます。その過程については『スウェーデンの挑戦』(岩波新書)に詳しいですが、現時点においてどのような社会が実現されているかについては、『週刊東洋経済』(2008年1月12日号)をご参照いただければ、と思います。

 注目すべきだと私が考えるのは一千万人程度の小国であるにも関わらず、
「スウェーデンの国づくり(スウェーデンモデル)」は周りの諸国(北欧全体)に影響を与えのみならずEU諸国へも大きな影響を広げているということです。
〔例えば「同一労働、同一賃金」という考え方は、EUでは「原則」または「もっとも有力な考え方」になっているようです。〕

 日本や韓国への影響はまだ小さいと思われますが、「社会主義の理想の実現」を現実的な仕方で目指しつつ「貧困を克服した生活大国」に学ぶべき点はたくさんありそうですね。 

 そして、スウェーデンをはじめとする北欧の社会は「資本主義の市場原理(⇒人間と資本増殖の主客転倒)」とは別の原理を目指す社会だ」という見方は、一定の妥当性を持っているように思われるのです。   

〔表現が難しいですが、私の下記コメントMr. Hot Cakeさんのコメントもご参照下さい〕

 

 以上、『国家と文明』の「生産力-生産関係矛盾論批判」の紹介から出発し、私なりに「北欧社会も歴史の全体化理論に組み入れて」考察してみました。

 この仮説(「生産力-生産関係矛盾論」)を徹底的に検証した竹内芳郎ですが、再構成によってこの理論が無意味となるわけではない、「生産様式(例えば現在の資本主義経済、市場原理主義)の矛盾の解明は社会変革の「客観的可能性」や「変革の方向性」の解明にはいまなお有効である、と述べています。

〔『国家と文明』83頁 ( )内は引用者〕

 「市場原理主義」の矛盾の激化が日本における「政権交代」の大きな背景であることは明らかだと考えますが、今後の方向性(社会の形成)に対して『国家と文明』が理論的に寄与できる面も大きいと考えています。


 次回から「発展段階論」批判の紹介にはいりたいと思いますが、それは、竹内芳郎独自の
国家論、民主主義論につながっていきます 

『国家と文明』 内容9

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Last updated  2022.09.18 10:06:53
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