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司法試験合格プロジェクト れっつのひとりごと

司法試験合格プロジェクト れっつのひとりごと

チベット

 第三話 チベット

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 2月19日(木) - チベット(1) -

 朝、4:30起きで成都の空港へ。宿までガイドが迎えにきていた。ガイドについていくと、二十人乗りぐらいのマイクロバスが宿のそばに来ており、それにのって空港に向かう。まだ、朝早かったので眠りながら空港まで運ばれていった。

 空港までの道のりはかなり長かった。一時間近くかかったと思う。夜の新しく整備された道路をずっと走っている感じ。

 成都の空港では、ガイドがいろいろと手配してくれた。若くてきれいな女の人。終始無言で、別れ際に、「You can go.」といって、立ち去ってしまった。うわ~、かっこよすぎるくらいビジネスライク。

 飛行機は6:38発だったと思う。荷物をおく場所がなくって困ったが、揺れは少なくて乗り心地は良かった。飛行機の中では、巡礼者が多いのか?よく分からないが、荷物の量が多く、そこらじゅう荷物だらけだった。

 着いたら突然寒い。

 ラサの空港では、飛行機を降りて、歩いてロビーの方へ向かうのだ。まあ、一日何本かしか発着陸しないんだし、そんなもんか。

 飛行機を降りてから、バスで結構かかってラサ市街へ。ずっと、河と山だけの景色が続いたが、しばらくして、一時間ちょっとかな、ようやく建物が見えてきた、と思ったら、そこはもうほとんどラサだった。バスでは、怪しげなラジオがかかっていたが、眠かったのでそとをみながらうとうとしていた。やっぱり文化的には、中国とはちょっと違う感じだ。インド的、とでも言う感じなのか。よく解らないけど。

 とうとう、あのポタラ宮が終点の近くに見えた。とうとう着いたのだ、チベットに。

 ホテルを探すのが大変だった。距離的にはそうでもなかったんだけど、とにかく空気が薄い。階段をちょっと上っただけでも息が切れてしまう。「吉日飯店」(キレーホテル)というところに泊まることに。

 ふた部屋に分かれることになったのだが、部屋決めのジャンケンでもなぜかあいこが続き、息切れして大変だった(笑)。

 まず、飯を食ってすぐに寝る。おれは次の日の朝まで眠っていた。夜はみんな酒を飲んだり、話したりしていたようだ。



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 2月20日(金) - チベット(2) -

 あさ起きると、とにかく頭痛。高山病だ。及川もすごくつらそうだったので、みんなで病院へ。及川は、寝ると死んでしまいそうな気がして、相当辛かったらしい。おれは、どれほどでもなかったけど。

 病院では、レントゲンやらいろいろやって、最終的に酸素を一時間吸っていた。あまり良くならない。

 付き添いに来た土田たちは、看護婦のおねえさんと楽しそうにしゃべっていた。まったく、俺らがこんなにつらそうなのに、実に楽しそうだ・・・。などと、ぼーっとした頭で考えていた。

 帰ってきてから、まず飯と水をかって、ちょっと寝た。それからポタラ宮の前まで散歩。カメラを持っていった。この世のものとは思えない光景。何じゃこりゃ。圧倒的的な存在感だ。

 それから、くるっとあたりを一周して帰ってきた。途中で客引きもたくさんいたが、肉みたいなのが売っていて、うまそうだけど危険なので無視。やっぱり一人だと冒険できないなあ・・・。三味線のような楽器を弾いていた人がいた。これは、かなりうまかった。

 帰ってきてから少し休んで外へ。土田とサドがディスコに行ったらしいけど、休みだったようだ。俺は飯を食いに外に出た。削麺(小麦粉の塊を削る中国の料理)とクルミの乗った水餃子。味付けは相変わらずラー(辛い)だが、うまかった。安かったのに食いきれなかったし。

 帰ってきてすぐに寝てしまった。この日、高山病は結局それほど良くはならなかったなあ・・・。

 1:30頃トイレに行ったら、部屋の鍵を持っていないことに気づき、これが大変なことになってしまった。極寒の中少々考えた末(約一時間)結局なかからあけてもらった。みんなにすまないことをしてしまった。

 この日、及川とおれ(高山病患者)以外はポタラ宮の中を見に行ったそうだ。土田は宝の山だったといっていた。おれも一度は見ておきたかったのだが・・・。結局、この旅の間はポタラ宮の中を見に行くことは出来なかった。無念。



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 2月21日(土) - チベット(3) -

 朝起きたのがおそかった。11:00か12:00ぐらい。起きたらすぐに「Change Room !」といわれた。なにがなんだか訳の分からないまま部屋を移ったのだが、今度の部屋はかなり良い部屋だ。チベッタンルームというやつなのか、チベット風の内装が施された、今までのへやとは比べものにならないくらい良い部屋だ。いままでの部屋は、道路の音は聞こえてくるし、明かりはまるっきり入ってくるし、電気もあってないようなもの。最悪だった。

 その部屋ですこしゆっくりして、1:00ごろ外へ。とりあえずあっちこっち旅行会社を探して、帰りのチケットを予約しようとしたが、土曜日なので休みばかり。いろいろ回ったあげく、飛行機の券を直接売っているところに着いた。しかし、このときはまだそんな大金を持ち歩くわけには行かなかったので、またいろいろ両替をするためにまわって、お金がそろったのはPM3:30。

 それからすぐに帰りのチケットを買う。1320元(約2万円)。

 昨日俺たちと同じホテルに泊まった日本人の同い年ぐらいの男がいたのだが、そいつも同じようなルートで帰りのチケットを予約したらしい。

 それから、やっとの事で観光地巡り。

 大昭寺というところへ着き、はじめはこのお寺を観光するはずだったのだが、入り口もよく分からなかったので、まわりの露店でいろいろなものを買った。彼女のおみやげも買った。これで十分かなあ(笑)。この日はちょっとしか買えなかったので、また来たいと思った。ここのおみやげは荷物にならないでいい。

 それから、飯を食った。これが、チンジャオロース、めっちゃうまかった。宿に帰ってきてから明日の計画を練ったり、話したりして今日は終了、明日はPM4:00ぐらいのバスで空港へ行かなくてはならない。

 チベットの旅は思いがけず短いものとなってしまった・・・。



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 2月22日(日) - チベット(4) -

 起きたのが9:00前。予定は8:00だったのに大幅に遅れてしまった。チベットは夜明けが遅いので早起きがとてもつらい。

 まず荷物を宿(吉日飯店)に預け、昨日行った大昭寺の前で買い物。まだ朝だったのであまり店が出ていない。先にデブン寺へ行った。

 バス停に行くと、デブン寺行きのバスが丁度良く待っていたので、俺たちはラッキー、とか思いながら一番最初に乗り込んだ。しかし、これがなかなか出発しない。席が全部埋まって、助手席が全部埋まって、席がないところにも人が座りまくっている。それでもまだ、「デーブッ、ドッチャドッチャドッチャドッチャ」の呼び込みはしつこく続いた。それで、やっと出発してもまだドアを開けて呼び込みのにーちゃんは叫んでいる。「デーフッ、ドッチャドッチャドッチャドッチャ」

 まあ、それは良いとして、ポタラ宮方面へずっと進んで、通り越してその先の山腹に、デブン寺はあった。きれいだった。本当に。

 バスの中から見たお寺の雄大さ、寺の中の絵の数々、寺から見えるラサのその後ろにそびえる山々が絶景だった。これが、おれの求めていた景色なのだ・・・。

 ただ、お寺の中の絵やろうそくは、バターを使ったものだったので、お寺の中はどこでも強烈なバターの臭いがした。

 時間がなかったので、名残惜しそうな土田をなだめながら、帰路についた。帰りのデブン寺の前のバス停で、物乞いの子供たちと、みんなが仲良く遊んでいた。楽しそうだった(笑)。

 市街に帰ってきてから、もう一度大昭寺の前へ買い物へ。ここでしこたま買わされてしまった(笑)。真偽のほどは明らかではないが、たぶんぼられているのだろう。こっちが欲しいものがあって、それを買いに探し求めているときは、まず絶対と言っていいほどぼられる。

 でもまあ、たくさん買いたかったし、結果的に安い買い物だったので、良しとしよう。なんか、みんなの人気者になってしまった気がしたし・・・グスン。見せの人が、嬉しそうにはしゃいでたし・・・(笑)。おれが親父になった頃には、こんな感じで飲み屋のかもになっているのかなあなんて考えると、悲しくなっちゃったね。なんてね。

 まあ、でも楽しい買い物でした。

 その後、ホテルに荷物を取りに行って、タクでポタラ宮の前へ。一生の記念になるだろう、ポタラ宮をバックにした写真を撮った。

 それから、バスで空港へ。バスがポタラ宮から離れていくとき、思わず涙が出そうになってしまった。さよなら、チベット、また会うときがあることをいのる・・・。自分で、泣いてる自分がちょっとおかしかったけど、不思議に泣けてしまった。出会いと別れ。すばらしい存在感だった。

 その日の夜は、ラサ空港のそばのホテルに泊まった。ここが最悪。一人54元(千円弱、って高いよ・・・)で暖房無し。シャワー無し、布団もぼろぼろ。夜の一時までウノで盛り上がったが、おれは寒気がするし頭が痛かった。でも、ちょっと勝っていたから、なにも言わずに最後まで付き合った。で、ねたのだが、寒くてほとんど眠れなかった。そうそう、寝る前に外に出て星を見た。チベットの空には、こんなにたくさん星があるんだってほど、たくさんたくさん星があって、本当に感動した。日本でみる星の十倍以上の星が夜空に輝
いていた。カメラに撮ろうと思ったけど、無理だった。

 この日の夜は、みんなも寒くてほとんど眠れなかったそうだ・・・。



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