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灰色の空のむこうには…

灰色の空のむこうには…

恋する乙女PHASE38「新しき旗」

うふふふふふふふふふふふふふふふ…、
みんなロゴスが悪いのよ…。

メイリンだって、本当なら今頃はミネルバに
いてわたしとともに美人姉妹と呼ばれ、
対ロゴス同盟軍のわたしの次にアイドルと
なってたはずなのに…。
オペレーター席でくつろぐメイリン、
食堂でみんなと談笑するメイリン、
わたしのスカートが入らなくて顔をしかめる
メイリン…。
ふっ、でもやっぱり姉のスタイルを乗り越えれ
なかったわね…。
まぁ、でも最後はアスランさまをかっさらって
一緒に逝くなんて…。やっぱりあの娘も
ホーク家の人間だから、鷹のようにいいところは
もっていったわね。
ロゴスのせいで、ロゴスのせいでわたしと
アスランさまとの人生設計が狂わされたんだわ…。
だから血迷ってアスランさまもメイリンと逃げたのよ…、
きっと。

アスランさま…、アスランさま…、アスランさまぁ…。
色気のないお姫様と名前を偽って現れたアスランさま、
規定訓練のとき自分のことを明かさなかったアスランさま、
艦長に許可をもらいながら昔の仲間に会ってたアスランさま、
そんなロゴスに走るような人じゃなかったのに、
大戦のあとオーブに行ったのが悪かったのよ!
オーブに行かずにザフトに残っていたら、今頃は
わたしと一緒にこのミネルバにいて、死が二人を
分かつまで病めるときも健やかなるときも一緒に
いれたはずなのに…。

アスラン・ザラ、アスラン・ザラ、アスラン・ザラ…
露出狂歌姫のステージを暖かく見守るアスラン・ザラ、
露出狂歌姫と同じ部屋で目覚めるアスラン・ザラ、
車でナンパした娘と色気のないお姫様と夕日の沈む
海岸でデートしたアスラン・ザラ、
むきーーーーーーーーーーーっ!!!
みんなはどうでもいいけど、わたしはこっぴどく
裏切られたわっ!!!
いつでも女が付きまとうアスラン・ザラの記憶…、
ほんとわたしもバカよ…、
どうしてあんな生え際が微妙なのが良かったのかしら?
やっぱりステータス?それともルックス?


わたしの名前はルナマリア・ホーク。

白馬の王子様が迎えに来てくれるといつまで経っても
信じている乙女の純情をこっぴどく踏みにじられたって
あんなことじゃあきらめないわ、わたしは負けないから!


うふふふふふふふふふふふふふふふ…、
みんなロゴスが悪いのよ…。

こうしてシンといるとどうしてもアスランさまを
思い出してしまうのが、バカよね…。
髪は直毛だし、目も耳も2つあるし、鼻と口は
1つだし、赤いパイロットスーツを着てるし、
どうしてもアスランさまそっくり…。
ほら、髪を触ってもアスランさまの髪と同じ
感触が…。
どうしてもアスランさまの面影が思い出されて
なんだか涙が出てくるわ…、ロゴスのせいで
わたしも狂わされたみたい…。

きゃっ、シンが突然わたしを抱きしめたわ…、
ルナ…、ルナ…、とアスランさまがわたしを
呼ぶ声がする…。
ああ~、こんなに裏切られてもまだわたしは
アスランさまを求めているのね…。
ほんと女ってバカよね…。
ああっ、アスランさまの顔がわたしに近づいて
くるわ…。ようやくわたしとアスランさまが
結ばれる日が来たのね…。
目をつぶるとアスランさまの笑顔がわたしの
脳裏をかけめぐるわ…。
アスランさまぁ…。


はっ、なんでシンがここにいるのよ…、
わたしはさっきまでアスランさまと一緒にいた
のに…。
なんか勝手に謝ってるけど、身に覚えはないから
てきとーにうなずいておいたけど、アスランさまを
どこにやったの?
またどうせアスランさまにイケズをしてシンが
どこかに追い出したのね、きっと、
うふふふふふふふふふふふふふふふ…。


インパルスは絶対、オレが守る?
は?何を言ってるのか意味不明ね、シンは…。
まぁ、勝手にMSでも守ってなさい!
わたしはアスランさまに守られるから…。
いや、それよりも守られるというよりも
アスランさまがいるミネルバはわたしが守るから、
うふふふふふふふふふふふふふふふ…。



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