灰色の空のむこうには…

機動戦士Zガンダム　－星を継ぐ者－


画面の中では何年経っても記憶から色褪せることのない
男たちが戦っていた…

劇場公開された「機動戦士Ｚガンダム」がＤＶＤ化された
ということでさっそく見ました。公開前から昔の映像の
編集と新たに作り直した映像の融合といういわく付きの
映画で、速攻で劇場に見に行った会社の先輩には微妙だと
いう評価を聞いていたので、なかなか見るのに躊躇してた
のですが、やはりそこはそれ、さすがのガンダムで見て
いるうちにぐいぐいと引き込まれる物語は、これが今から
２０年近く前に放送されたものと思うとすばらしいもの
だと改めて実感してしまいました。
今見直しても無理のないリアルな設定、機械的なシステム
はさすがに昔ながらのアナログなものでしたが、それでも
鑑賞に耐えうる重厚なストーリー展開に圧倒されてしまい
ました。
僕がこのＺガンダムの放送を見たのが、大学時代。
リアルタイムに見ていた記憶はあるのですが、さすがに
当時はまだ８歳くらいでしたから、そんな記憶など
ほとんど残ってるわけもなく、大学時代に改めて見直した
ときは正直言ってカミーユをはじめとする子供たちの
幼さと大人たちの身勝手さというものが認めることが
出来ずにどちらかというとガンダムシリーズの中でも
敬遠していたほうなのですが、こうして僕も大人となり
この物語をもう一度見直すことで、登場する人物たちの
気持ちも少しは理解できるようになり、より深く物語の
世界に浸ることができました。

何と言っても、このＺガンダムに出てくる男たちの
姿というのが男らしくて気持ちいいものだと思います。
誰もが自分の信じる主義主張の下で戦い続けていて、
その生き様というものに憧れすら抱いてしまいました。
そして、そんな男たちを支える女性たちもまた、自分の
信念に従って激動の世界を生き抜こうとする姿が美しい
と思いました。まだこの「星を継ぐ者」ではカミーユらの
エウーゴの位置づけの説明的な部分がたぶんにあった
ので、それほど女性の活躍という場面が描かれてなかった
のですが、それでもエマ中尉やレコアさん、それから
ライラなどといった面々が物語に華を添えていたと思います。
何度見ても興奮してしまうのは、幽閉されていたアムロの
復活。一年戦争時代からのガンダムのファンとしては
このアムロ・レイやシャア・アズナブルがいてこその
ガンダムであり、腐りきっていたアムロにカツたちが
投げかけた言葉こそが僕たち一年戦争を見ていたものの
言葉を代弁してくれているようでした。

この映画ではアムロが復活したところでエンディングを
迎えてしまいましたが、これからの物語がどう展開して
いくのか、先を知っていてもなお続きが待ち遠しくて
仕方ないです。