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テーマ:小説日記(233)
カテゴリ:探偵百傑
「動機、アリバイ、状況証拠から推理して…、
犯人は、楠原さんですか?」 「ですか?って言われても、オレはやって ないぞっ!」 すべてのことに疑問を持つ探偵、和唐内陽の 問いかけに対して、楠原は顔を真っ赤にして 頭から否定した。 「では、みなさんに尋ねます。今回の事件の 犯人は楠原さんですか?」 「異議なしっ!」 「その通りっ!」 「犯人は楠原だっ!」 「やっぱり楠原さんがやったのね…」 和唐探偵の言葉にみんなが口を揃えて賛成する。 「ちょっと待てっ!そんな理由で犯人をオレと 決め付けていいのか!」 「諦めて下さい、楠原さん。圧倒的多数決を 持って、楠原さんが犯人のようです。申し 開きは警察でして下さい。」 「おいっ、探偵っ!ふざけるんじゃないっ! なんだ、その哀れみの目はっ!」 警察に連れて行かれながら怒鳴り続ける楠原を 見送りつつもなお、真実を追い求めるがゆえに 疑問を持ち続ける探偵、和唐は自らに問いかける。 「これで事件は解決したのですか?」 その問いに答える者は誰もいない―――― (参考資料)探偵百傑 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
Last updated
2007.02.14 01:26:17
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