本能のままに、私は彼女を…
「や、やめてくださいっ!」「そんなこと言わないで、じっとしてろ!」私は彼女に怒鳴った。「だいたいお前が俺の家にノコノコついて来るからいけないんだョ」「ゆるしてください」彼女は嘆願したが、私を止めるのものはいなかった。人間は時として理性を失い、本能のままに行動する。外見や他人が思う自分とは違う自分が、必ず誰の心の中にも存在する。そして、ふとした瞬間その悪魔が心の奥から表面に滲み出てくるのだ。「やめてください!やめないと大声出すよ」「出せるもんなら出してみろ!」私は口角を上げ、少しニヤニヤしながら彼女を嘗め回すように見つめた。遂に私は身も心も完全に悪魔に変身した。感情を押し殺し、ただ本能のまま欲望の赴くままに行動する。もう後戻りはできない。さて、今からじっくり楽しませてもらおう。それでもやはり、私の中の理性が必死に本能に挑みかかった。理性とはそのようなものだ。欲望が大暴走するのにブレーキをかける役割。人間の歴史と文化の発展は、理性の獲得のプロセスと連関しているのかもしれない。私は彼女の体に手を伸ばす。彼女はもはや抵抗をやめた。上目遣いで嘆願するような眼差しが、私の本能をさらに増幅させる。着ているものを一枚一枚ゆっくりと楽しむように脱がせる。服の下からやがて真っ白な素肌があらわになる。生まれたまんまのすがたの彼女。つやつやと輝く肌。私はいったん動きを止め、彼女をそのまま放置した。「これからどうしようというの?」彼女は、弱弱しく声にならないような声でそう呟いた。私は額の汗を拭う。無表情なまま、私は彼女に襲いかかる。「い、いやっ…」彼女の体の内側から白い液体がジワジワと湧き出してきた。最初はあんなに嫌がっていたのに、どうやら彼女は反応し始めたようである。やがてそのネバネバとした白い汁は、私の手にも触れた。私は親指とひとさし指で、彼女から湧き出してくる白い汁を転がした。ゆっくりと優しく時には爪を立てて、私はその隠微な汁をその部分に広げた。それでもなお、泉のようにそこから湧き出してくる。「どうやらその気になったようだね」私は意地悪く彼女にそう囁いた。さて、これからジックリ楽しませてもらおう。その時である。私の心の中で、ある変化が起こったのだ。予想だにもしなかった感情。本能を押しのけて、理性が私を支配し始めたのだ!私はふと我に返った。目の前には涙を浮かべて生まれたまんまの姿で横たわる彼女。お、俺…何してるんだ!後悔の念と、懺悔の気持ちが一気に押し寄せ、私は涙を流した。きっとこれは夢なのだ。欲望が実像のように、私の脳裏にストーリーを生み出しただけなのだ。私は頬をひっぱたいた。痛い。残念なことにこれは夢ではなかった。とすれば、何かが私に憑依し、行なわせたとでも言うのか。「ゴメン…」私は彼女に呟いた。謝っても許されることではないことはわかっている。彼女は黙って涙を流している。私の涙も止まらなかった。「アナタ、たまねぎの準備できた?」妻が言った。「早くしてね」「わかってるよ」さて、たまねぎの次はジャガイモを剥こうとするか。カレーの下ごしらえはたいへんなのである。←←←ポチっとな!